個別指導の授業で気を付けている3つのポイント


「さ、授業を始めようか。号令するよ」


うちの塾では、授業のはじまりに号令をします。チャイムが鳴って、挨拶をして、授業スタート。


本日は、そこからの授業中に、僕が気を付けているポイントについて記しておきます。


ちなみに本日は、ある講師たちに向けて書いています。「授業中に具体的に気を付けていることってなんですか」と質問を受けましたので、それを記した次第です。というわけで、ちょっと偉そうにつらつらと書いておりますが、少しでも彼らの参考になれば幸いです。


それでは早速参りましょう。



個別指導の授業中に気をつけている3つのポイント



まずはその3つのポイントを先にお伝えしてしまいましょう。


授業中に気をつけている3つのポイント、それは「目的地」「現在地」「行き方」です。ちょっと抽象的でごめんなさいね。


簡単にその3つについて紹介しておきます。


目的地」は、文字通りどこを目指しているかということです。「大きな目的地」と「この授業での目的地」があります。「目標」のようなものです。「目標」にきちんとした「目的」があれば「目的地」となるイメージですね。


現在地」は、今、生徒自身がどこにいるかということです。前もってのデータで把握できることもあれば、授業をしてみてわかることや、その日の体調や感情や出来事で変わってくることもあります。主に、勉強の中身のこと、気持ち面や体調面のこと、の2つを指しています。


行き方」は、「目的地」と「現在地」を踏まえて、時間を見て逆算して考えます。もしも「目的地」が江ノ島で、「現在地」が藤沢駅であれば電車で15分でいけますが、「現在地」がアメリカであれば飛行機を使わなければなりません。また、パスポートを持っていなければ申請をしなければなりませんし、お金だって必要です。こんな風に、勉強においても「目的地」と「現在地」を定めると、あれこれ条件や縛りが出てきますので、それをひっくるめて「目的地」までの「行き方」を計画するのです。


それでは、ひとつずつさらに詳しく見ていきましょう。



「目的地」



目的地」を決める。


それは、「前へ進む」ための「前」を決めることと同意です。「前」が決まったら、共通で目指せるように、旗を立てて、方向を見失わないようにします。この「旗を立てた場所」を一緒に確認することで、生徒と先生は一緒にそこを目指す信頼できる仲間になります。


ちなみに、旗を立てる場所は、どんなに遠く先の場所でもかまいません。将来なりたいもの、夢、やりたいこと。数本立つ場合だってありますし、なければ無理に考える必要もありません。


探しても探してもどうしても見つからないときは「選択肢を広げる」のような旗を適当なポイントに掲げておくのもオススメです。『進路をイメージする神様からの質問』といった手法も効果的です。


もちろん旗の立つ場所が途中で変わるのも大歓迎です。


生徒自身の人生ですから、どんなに近くにいる大人だとしても、それを勝手に決める権利はありません。ただ、あまりにも不可解な旗の立て方をしていた場合は、きちんと話し合います。でも最終的に決めるのは本人です。


あと、この「旗を立てる場所」の決定は、授業の前に行われていることが望ましいですね。


基本的に毎回の授業は、その旗を目指して行われます。その旗まで距離がある場合は、授業ごとで小さな旗を立てます。ここに関しては、こちらが助言することも大いにあります。


個別指導は相手に合わせることができるのが利点ですが、甘やかしたり負荷をかけなさすぎたりしてしまっては、授業自体の意味がなくなってしまいます。ちょうどいい負荷がかかる場所をこちらでアドバイスしてあげるのが良いでしょう。


「次のテストで100点とりたいんだよな?100点を目指す時によく言うのはね、じゃあ練習は130点位を目指してやろうということ。それは例えば利き手ではない方の手で解いたとしても100点満点取れるぐらい、余裕を持ってできるようにしておくということだ。だから、今君が見た瞬間に「うわっ」って顔をしたこの問題たちだって、クリアにしておかなくちゃならない。テストでこのレベルの問題が出てきたときだって、「ああ、これなら楽勝」ぐらいにしておかなくちゃ。というわけで、本日の授業はこの大魔王達を軒並み倒していきまーす」


もちろん文言は自由だけれど、こんな風にして、授業の頭でまず「目的地」を一緒に見る。


それは授業に欠かせない大切なプロセスだと考えています。決して、生徒を孤独と闇が包む深い森の中で迷わせないように。



「現在地」



「目的地」を見据えたら、次は「現在地」の把握です。


イメージ授業の頭の5分ぐらいを使って、先生は生徒の「現在地」の把握に努めます。


ここでいう「現在地」には大きく分けて2種類あって、「勉強の中身の現在地」と「本人の状態の現在地」と名前をつけています。最初の5分で見極めるのは後者です。


「今この生徒は、これからかける負荷に耐えられるぐらいの状況なのか。精神面は?体調面は?疲労は?モヤモヤは?環境は?持ち物や準備は?」。これが「本人の状態の現在地」探しです。


そんなことを塾にやってきた瞬間からチェックしておくわけです。もしそこで何か不安な点が見つかれば、早めの対策の一手がとれます。


例えばの話をしましょう。嫌なことがあった日に、それを無視して勉強を進めてもうまくいかない子もいます。塾に入ってきた瞬間の顔でわかったりしますね。そんなときはまずしっかりと話を聞いて、生徒の中にあるモヤモヤを引っ張り出してあげる必要があります。だいぶ引っ張り出して、生徒が笑顔になれたらもう大丈夫。その後、意外といつもより頑張ってくれたりします。


ですから、授業前の時間はとっても大切。自分が見る生徒の状況をしっかりと掴んであげて、なるべくなら授業が始まる前には、気持ちも身体も「授業に集中できる姿勢」に整えてあげましょう。


そこに特別なテクニックはいりません。何気ない雑談でも、お互いの心が解れてくるはずです。まぁ、そのためには先生のほうに余裕がないといけませんので、準備をしっかりとしておくのが大前提ですね。


さて、もう一つの「現在地」、「勉強の中身の現在地」の把握は、塾としてある意味当たり前のことでもあります。


「何がわかっていて、何がわかっていないのか。どこまで知っていて、どこまでできて、どこまで説明できるのか。スピードはどう?ミスしやすいところとその理由は?気持ち面でのフィルターはかかってない?意識は?姿勢は?正しい考えで問題に向かっている?」みたいなことを常にチェックしていくわけですね。


これが不明だと、生徒に適切な負荷が与えられません。


わかりやすく言えば、中3にいくら九九の練習をさせてもレベルはなかなか上がらないですよね。簡単すぎても、難しすぎても駄目。ちょうどいい負荷のかかる問題を(時にはあえて難問を)、適切なタイミングで渡してあげる必要があるのです。そのための、「現在地」分析です。


ここが細かくわかればわかるほど、目標達成もしやすくなります。次に出てくる「行き方」がわかりやすくなるわけですからね。



「行き方」



さぁ、もうちょっと飽きてきましたか?もうすぐで終わります。頑張って!


最後は「行き方」です。


「目的地」と「現在地」が定まれば、考えやすくなるのが「行き方」です。


行き方」とは、「目的地」と「現在地」を踏まえて考える、「うん、この生徒への説明はここまででいいな」や「この生徒にはここを深く考えさせよう」とか「これいっぱいやらせよう」とか「ここはとばします」とか「ここを今日の山場にしよう」とか「ここをこんな風に伝えよう」のことです。


ここを考えて、実行するのが先生のお仕事です。各自の力量がいちばん問われる部分ですね。


まぁ、各々この部分に関しては日頃から教室長にうるさく言われていると思うので、ここでは一つだけ注意しなければならない点について書いておきます。特に授業に自信がついてきて少し慣れてきた先生方にお伝えしたいことです。


これは僕の実感値ですが、今まで誰一人として、同じ「現在地」から、同じ「目的地」へ、同じ「行き方」で行った生徒はいません。


似ていたり参考にできるケースは多くありますが、同じはないです。講師のみんなだってよくわかるよね。だって、講師だって生徒だって、一人ひとり違うもんね。


だから、無理矢理同じ道を通すような、自分よがりの授業にならないように注意をしましょう。


この世に「これで完璧!誰でもわかる!この教え方最強!」なんて教え方はありません。だからこそ、この世の中の素晴らしい先生たちは、常に日々日々自己研鑽しているわけです。その学びに終わりはありません。だって、自分も相手も一人ひとり違うからね。日々日々新しいものとの出会いの連続です。


その中で、僕らがやっている個別指導は、そこに寄り添いやすい授業形態です。


「目的地」と「現在地」を把握しやすく、個別の「行き方」を見つけやすい授業の形式です。


これを活かさない手はありません。


一人ひとりに適した最良の授業を。「目的地」と「現在地」と「行き方」を常に意識して、その子のためになる授業を。その子だけの道を見つけて、案内をしてあげましょう。


そのために、自分の中に沢山の引き出しを持つことです。


そして、そのとっておきの引き出しから、その子に合った「行き方」をプレゼントしてあげるような感覚で授業をするのがいいんじゃないかなぁと思っています。


その部分の詳しくは、こちらにも書きました。興味があればぜひ。


長くなってしまいましたね。あとはぜひ直接聞いてください。


そして、あなた達の中のキラキラした授業への熱い考えも、ぜひ僕に教えてください。


それが僕の中の引き出しに仕舞われて、それがいつかどこかの誰かにめちゃくちゃ合った方法で、その生徒をとびきりHAPPYにするかもしれませんからね。


本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。

あえて偉そうに書いちゃいましたが、僕自身も日々日々勉強中です。

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塾という場所が好きです。生徒の成長する姿を見るのが好きです。生徒や保護者と未来の話をするのが好きです。合格や目標を達成して一緒に喜ぶのが好きです。講師と語り合うのが好きです。教材とにらめっこするのも好きです。新しい人と出会うのも好きです。ブログも、好きです。

勉強犬

「第二の家」学習アドバイザー。
世界中に「第二の家」=「子どもたちの生きる力を育てる場所」を作ろうと画策中。過去に3000人以上の生徒の個別指導経験を持つ。元広告営業犬。学生時代は個別指導塾の講師。大手個別指導塾の教室長(神奈川No,1の教室に!)・エリアマネージャーを経て、2015年ネット上で「第二の家」HOME個別指導塾を開設。

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