失敗を怖がる君や、「自分はバカだ」と言うあなたに知ってほしい、本当の勉強のこと


丸付けをしている生徒がいました。


最初は意気揚々と始めたのですが、だんだん不正解が重なると、その顔はどんどんしょげていき、手は止まりがちに、目は移ろいがちに、なんだかそこだけ重力が強くなったかのように姿勢は崩れていきました。


見計らって僕は声をかけました。


「間違うことは嫌?」


その子はためらいながらも「うん」と小さく答えました。


そうかそうか、と僕は笑みを浮かべながら、試しにエジソンらの名言などを繰り出しました。


「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」とか「失敗は積極的にしていきたい。なぜなら、それは成功と同じくらい貴重だからだ。失敗がなければ、何が最適なのかわからないだろう」とか「失敗しない人は何もしない人」とかですね。


結局その子はそんな言葉たちもなんとなく知っていたし、言われてみれば「間違うことは大切」というのもわかっていたし、突き詰めてみると、どうやら「失敗」自体をそこまで嫌がっている風ではありませんでした。


「失敗することは嫌なこと」。これはどうも雑な解釈だったのかもしれません。


もっと丁寧に言うなら、「失敗した後の何か(怒られたり、注意されたり、残念な気持ちになったりさせたり、面倒臭かったりすること)が嫌」ということなんでしょう。これって、僕ら大人が、社会が作ってきた文化かもしれないですよね。


僕は、その「失敗は嫌」という気持ちはすごく大切なことを踏まえながら、でも、それが手が止まっちゃう理由になっちゃうなら、もっと(上記の意味も含んだ)失敗の好感度を上げてあげたほうがいいかもね、と伝えました。ここではいっぱい間違えていいからね、と。


そう言いながら、僕の頭の中の悪魔が「え?いっぱい間違えていいの?じゃあテキトーにやろー」と騒ぎ出したのですが、そういうことではありません。


そんな内なる声に対抗する意も込めて、僕はそこで改めて「勉強とは」というものをその子に簡単に伝えました。


そのときに使ったのが、冒頭の図です。


言うなれば、「勉強ピラミッド」。ええ、ええ、ネーミングセンスについては言いっこなしです。




「これが勉強だよ」と僕は言いました。その子はキョトンとしていました。


「まず大事なのは、真ん中にある本気で解くってこと。ここをないがしろにしちゃいけない。例えばさ、1+1=に5って答えても解くは解くだけど、今のあなたが本気でそれじゃやばいでしょ?」


その子が笑いながら頷きます。


「まずは本気で解くこと。ちゃんと考えて解くこと。ただしね、ピラミッドの右側にも書いてある通り、それは単なるチェックに過ぎないんだ。これはまだ勉強じゃない」


「え?」とその子の顔が変わります。これはもうネット上でも検索すれば多くの先生方が言われていることなのですが、なんなら自分が考えた風にドヤ顔で伝えています。


「本当の勉強はそこからだよ。丸付けをして、チェックが完了したら、○のものは【もっと早く楽に解けるようにする】。×のものは【調べて一人で解けるようにする】」


うんうんと頷いてくれますので決め台詞風に言います。


「そう、ここが勉強になるんだ」


あまりのドヤ顔に、ちょっとその子も笑っちゃいそうですが、説明を続けましょう。


「今できないことを、できるようにする。そのレベルアップこそが、勉強したってこと。だから、○も×も大切だけれど、特に重要なのは×の方だね。○を◎にするより、手っ取り早く成長できるからね。そう、×ってのは、勉強においては宝物なんだ」


うちに通う塾生はみんな良い子なんで、こういう話をした時に本当にいい顔をしてくれます。


「宝物を見つけて、なかなかそれが一人で手に入れられない時は、戻ってもいいし、誰かに頼ってもいいし、ネットで調べてもいい。ありったけ情報を手に入れて、もう一回チャレンジするんだ。二度目のチェック。また×だったら、再チャレンジに向けて特訓だ。何度も何度もできるまでやればいい。大体は3〜5回目のチェックでできるようになると思うけど、それ以上のレベルの問題だったら後回しにするのも手かもね」


「うんうん」と乗ってきてくれたところで、最後のお話です。


「ここまで、勉強とは、つまりレベルアップの方法とは、について話してきたけれど、実はその過程で、経験値を貯める方法は他にも沢山ある」


RPGをやるという子だったので、こんな言い回しをしています。


「その例えばが、この黄色くなっているところだ。覚えたり、思考したりすること。【本気で解く】→【○や×をよりよくする】の過程の中で、この【覚えることや思考すること】をすればするほど、あなたの経験値は貯まっていく。すればするほど、早くレベルアップしていく。だから、本気でやって、だけど間違えて、そんな悔しい過程だって、無駄なんてことはない。やればやっただけ、あなたは成長していく」


だいぶ遠回りしてしまいました。


「だから、間違うことを恐れて、手を止めるのはなしだよ。それじゃ経験値も宝物も手に入らない。せっかく叶えたい目標があるんでしょ。そのために成長しなくちゃでしょ。なら、やらない理由は何もない。さ、この問題集の旅に出て、宝物をいっぱい見つけに行きましょう」


ちょっと元気にやってくれるようになったので、よかったです。




世の中には「自分はバカだから」と普通に言う子がいます。


でも、語弊を恐れず言えば、僕は「この子はバカだなぁ」という子に出会ったことは一度もありません。


これでも今まで結構たくさんの子どもたちを見てきたつもりです。そんな僕が言うのです。どうか今だけでも信じてください。


月並みな言い方ですが、そんな言葉を発する子のほとんどが、「勉強していない」のです。


頭を使わず解いて、チェックもせずに、やった気だけ残してテストに突入し、やっぱり悪い点を取り、「僕はダメだ」「私はできない」となっているだけなのです。


それは喩えるなら、延々とフリースローの練習をした挙句、下駄を履いてサッカーをして、「私、サッカー下手だな」と言っているのと同じです。いや、そりゃそうだろって話です。


もしも本当に達成した目標があるのなら、方法を変えてみよう。


まずは本気で考え、できなかったら調べて一人でできるようにするところから。


それを続けていくとね、一生懸命やっていくと、神様がご褒美をくれたみたいに、ワクワクするような瞬間に出会える。きっとちょっとだけ楽しくなる瞬間が訪れる。


僕も、そんな瞬間が楽しみで、今日も勉強を続けているよ。


さぁ、一緒に、勉強しよう。


本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。

あんまり自分を侮らないほうがいい。

「第二の家」ブログ|藤沢市の個別指導塾のお話

塾という場所が好きです。生徒の成長する姿を見るのが好きです。生徒や保護者と未来の話をするのが好きです。合格や目標を達成して一緒に喜ぶのが好きです。講師と語り合うのが好きです。教材とにらめっこするのも好きです。新しい人と出会うのも好きです。藤沢の街が好きです。ブログも、好きです。

勉強犬

「第二の家」学習アドバイザー。
世界中に「第二の家」=「子どもたちの生きる力を育てる場所」を作ろうと画策中。過去に3000人以上の生徒の個別指導経験を持つ。元広告営業犬。学生時代は個別指導塾の講師。大手個別指導塾の教室長(神奈川No,1の教室に!)・エリアマネージャーを経て、2015年ネット上で「第二の家」HOME個別指導塾を開設。

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