この物語は、宇宙一の天才を自負するスターマンと、勉強が苦手な少年ゆうきくんによる、宇宙一わかりやすい勉強法のお話です。大層なタイトルの理由と出会いの秘話は一話をご覧ください。
宇宙一わかりやすい勉強の仕方 第二話
ゆうきくん「…で、お前はなんで学校にも着いてくるんだ?」
スターマン「被験者の日常を観察するのは、実験の実施者として当然だろう。安心しろ、他の人の目には見えないから」
ゆうきくん「俺が気になるんだよ」
そうは言いながらも、あの出会いの日から2日がたち、ゆうきくんはこの超常現象的な出来事にすっかり慣れてきていました。人間の適応能力というのは恐ろしいものです。
スターマン「先日説明した通り、ゆうきBOYが宇宙一勉強できる男になるには、まず勉強への準備の仕方から変えなければならないからね。まずは現状把握だ」
先日、スターマンは、ゆうきくんの好きなロールプレイングゲームに喩えて、ゆうきくんにこんな話をしていました。
スターマン「いいかい、ゲームでも勉強でも同じさ。レベルアップすれば、選択肢が増えるし、できることが増えるし、楽しくなってくるし、もらうもんは増えるし、モテる。だろ?そして、レベルアップするには経験値が必要。ここまではわかるな、相棒?」
ゆうきくん「どうでもいいけど、サングラスかけて刑事のコスプレしながら、っぽく喋るのやめろ」
スターマン「君は刑事ドラマも好きだと思ってね。ここまでは大丈夫だな、相棒?」
ゆうきくん「話がまったく入ってこない」
スターマン「じゃあ普通に喋ろう。改めて、レベルアップには経験値が必要だ。経験値を得る方法はわかるな?ゲームだとどうする?」
ゆうきくん「敵と闘う」
スターマン「正解だ、相棒」
ゆうきくん「おい、まだ刑事っぽさ出てるぞ。で、ゲームだとそれでいいけど、勉強だとどうなるんだ?」
スターマン「話が早いじゃないか。さすが私が被験者に見込んだだけのことはある。勉強におけるレベルアップの方法、ちょっと一覧にしてみたぞ」
ゆうきくん「よくわからん」
スターマン「君はまだ、見た瞬間に文字が多いと【読む】まで至らず【見る】になっちゃうみたいだな。試しに声に出して読んでごらん。難しいことは書いていない」
ゆうきくん「ほうほう、たしかに」
スターマン「じゃあもっと細かいやつも作ったから見せてあげよう。君のために。絵付きにした」
ゆうきくん「なるほどなるほど。けっこうダメなやつやってるわ。わかりやすい」
スターマン「だろ?いらすとやさんに感謝しろ」
ゆうきくん「ありがとう、いらすとやさん」
スターマン「一応改めて下記に理由とともに載せておこう。今日のメインの話だ」
ゆうきくん「今日の…メイン…?」
スターマン「なんでもない。こっちの話だ」
NG勉強法
・目的を持たない勉強
目的がないと、勉強ではなく、作業になる。作業では、脳はあんまり働かないように楽にやろうとする。結果、経験値あんまりもらえない。
・やる気に任せた勉強
やる気は長くは続かない。これはホメオスタシスという身体の機能が、上がったものを下げて平常に戻そうとするからだ。やる気ではなくて、習慣で戦えるようになろう。
・体調管理ができていない
問題外である。
・見せ方が悪い
人は一人で頑張るわけではない。親や先生、周りにいる人に協力してもらえるように、頑張っている姿勢はどんどん見せよう。もちろん強制ではないが、見せないにしても、わざわざ敵は作らなくてもいい。
・スマホのルールがない
テクノロジーは味方にもなり、敵にもなる。子どものうちからなかなかそれを上手に使える子は少ないから、家庭内でルールを作るといい。寝室にはなるべく持ち込ませないのがベター。
・何か見ながら勉強
俗に言う「ながら勉強」はあまり効率が良くない。だって、本番は同じようにできないでしょう。覚えると解くと調べるは別にすること。ちなみに、音楽を聴くっていうのも、作業の時はいいけど、勉強の時はオススメしないよ!
・解いたら解きっぱなし
解くことが目的になっちゃダメ。それはまだただのチェックだ。その中から宝物を見つけ出して、ちゃんと手に入れること。つまり間違い直しをしなくちゃね。
・繰り返しアウトプットしない
インプット(自分の内に入れること)とアウトプット(自分の外に出すこと)は3:7の割合がいいと言われている。アウトプット多めにしよう。だって、テストはアウトプットでしょ。なるべくすんなり出てくるようにするために、繰り返しやろう。
スターマン「どうだ?理解できたかな」
ゆうきくん「理解はできた。やれるかはまだ不安」
スターマン「何事も新しく始める時は不安なものだよ。そんな君に秘策を授けよう」
スターマンはぴょんと机の上に飛び乗ると、超小型電子プロジェクターで、ゆうきくんの部屋の壁にあるスライドを映し出しました。
ゆうきくん「ス、スター勉強法…(名前がダサい)」
スターマン「おい、思ってることバレてるぞ」
ゆうきくん「わ、悪い、悪い。で、これが何?」
スターマン「それは次回のお楽しみだ。君が宇宙一の天才になる方法を、ひとつひとつ丁寧にお伝えしていこう。お楽しみに」
つづく
次回からが本題です。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
二話にまたがる回想。斬新。
0コメント