面談で保護者様から、よくこんな言葉が出ます。
「もう何度言っても直らないんですよ」
部屋の片付けが出来ていない。脱ぎっぱなし、やりっぱなし。宿題忘れ。約束破り。生活習慣の乱れ。乱暴な言葉。問題行動。その他諸々。
「何度言っても直らない!」と怒りたくなる気持ち、よーくわかります。
でも、もしかしたら、その行動がなかなか直らないのは、ほんのちょっとはこっちのせいなのかもしれません。そう、実は冒頭のセリフの「何度言っても」が曲者なのです。
人は誰しも、愛されたい生き物。かまって欲しい、気にかけて欲しい、気にして欲しい。常に人の心の中にそんな気持ちがあります。これは生物の本能です。
そうです、雑な言葉で言ってしまえば、生まれながらにして、人は誰もがみんな「かまってちゃん」なのです。
「かまってちゃん」が何か問題行動をすると、近くの人が怒ったり叱ったりして「かまって」くれます。
もちろん「かまってちゃん」自身も怒られていい気持ちはしませんが、「かまってくれた」という記憶は残ります。無意識に問題行動を「かまってくれる行動」と認識するのです。
だから、直りません。
かまってほしくて、ほとんど無意識に、「かまってちゃん」は「かまってくれる行動」をし続けます。困ったものですね。
でも、だからこそ、してほしくない行動を直す方法は簡単です。
その逆のことをすればいいのです。してほしくない行動の逆の行動をした時に、「かまって」あげればいいのです。
部屋が少しでも片付いたら。脱いだものを片付けられたら。宿題をやったら。約束を守ったら。ちゃんと朝起きられたら。素敵な言葉が使えたら。人のことを考えた行動が出来たら。
あなたが、褒めてあげればいいのです。目一杯認めてあげればいいのです。声をかけて、いい子いい子して、ご褒美をあげて、時にはギュッと抱きしめて、かまってあげればいいのです。
これを心理学では「強化」と呼びます。して欲しい行動をした時に、すかさず「かまって」あげることで、その行動は強化されます。なるほどですね。
してほしくない行動を直す裏ワザ、などと大層なタイトルをつけましたが、こうやって書いてみると、実に当たり前のことですね。
でも、当たり前に目を向けることが、何より難しい。私自身も気を付けます。生徒の悪い時ばかり注意していないか。
人を動かすのは、いつも人の想いの力。「何度言っても直らない!」と腹が立ったら、相手ではなく自分に目を向けて、うまく「かまっているのか」考えてみましょう。
当たり前に感謝し、当たり前を認め、当たり前を褒め、当たり前に愛す。
もしかしたらそれがさ、「愛」というものの正体なのかもしれません。なんてね。
本日もHOMEにお越し頂き誠にありがとうございます。
子どもだけじゃなくて、大人だって同じですよね。
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