先日のことです。
神奈川県教育委員会から「平成29年度の公立高校卒業者の進路の状況」というデータが公表されました。
全日制のデータでは、県立高校の153校と県立の中等教育学校の2校(相模原・平塚)が対象となっています。
大学・短期大学・専門学校への進学者数や就職者数が集計されています。また、大学等への進学準備中の方、外国の大学等に入学した方等の数字も集計されています。昨年までとの比較もあり、見応えのあるデータですね。ページ送りの関係からちょっと見にくいのが残念。
とはいえ、こういったデータを出してくれる教育委員会の皆様には感謝です。早速みんなの進路についてのデータを覗いてみましょう。
まず僕が驚いたのが、冒頭にも掲載した色がついた図2のグラフ。卒業生の減り具合にビックリしてしまいました。各種ニュースでも取り上げられている現状ではありますが、こうやって図示されると改めて驚きですね。この図でピークになっている平成2年度卒業生79765人に対して、29年度卒業生は42060人。半分強ですね。日本、大丈夫でしょうか。
ああ、早速本題からずれてしまいました。今回のテーマは進路でしたね。いかん、いかん。元々からズレているので戻したところでどうなのかという疑問も浮かびますが、定型句なのでこう申します。話を元に戻しましょう。
表1から見ると、29年度は28年度に比べて大学進学者数が639人の減少とあります。が、そもそも卒業生の数が546人の減少をしているので、大きく差があるわけではなさそうです。就職者数も59人増えていますが、何か大きな要因があるとは考えにくいでしょう。
うーん、あれだけ「大学入試が定員厳守で厳しくなった!」といわれているのに、その影響を受けるはずの29年度や28年度の大学進学者数の数値が27年度と比べても遜色ないということは、やはり大学合格自体が難しくなったのではなく、上位(人気)の大学への合格が難しくなったということでしょうか。大学進学準備者(浪人生)の割合が増えていることには関係しているかな。
図1の10年毎の進路の移り変わりも驚きですよね。図からも分かる通り、今や高校卒業者の半分以上が進学する時代。ちなみに、ここで一番古いデータとして使われている平成9年は1997年のこと。そこまで昔とも思えないのは、歳をとっている証拠ですね。
もう少し詳しいデータを見ていきましょう。まずは近年の数値を比で表したものです。
続いて、進学者の学部学科別のデータです。これは面白い。前述した大学の定員厳守の影響がどこまであったのかはわかりませんが、経済学部がどーんと数を減らしています。歯学部や薬学部や教育学部も減らしていますね。この辺りは就職など未来を見据えた進路選択の影響もあるのでしょうか。
その中でぐぐっと数字を伸ばしているのは農学!集計データの中では過去最高の数値になっています。農業ブーム来たるですかね。
ちなみに、前年度卒業者(浪人生たち)の同様のデータもありました。これを見ると、経済学部は浪人生たちに現役生が押し負けた形?
データは続きます。下記の表では、浪人生が増えたこと、そして外国の大学への進学者が増えたことがわかります。現代の進路選択がグローバル化していることも伺えますね。この傾向は今後どんどん強まっていくでしょう。日本、大丈夫かな。
最後は、高校別の進路状況です。これは今度うちのブログの定例の企画でもある神奈川高校物語でも触れようかと思います。
進学校は進学校なりの、専門科の学校は専門科の学校なりの特色が出ていますね。興味深いデータです。
さてさて、ここまで一気にデータを見てきました。日本の心配ばかりしていた気もしますが、高校生たちの進路について、色んな情報が頭に入ったかと思います。大学進学、短大、専門学校、就職、それ以外。もちろんそこに優劣や正解不正解があるわけではありません。
各々の人生ですから、進路はもちろん各々の自由です。ただ、大事なことは、その先の道で何があったとしても、選んだ各々の責任になるということです。
そんな時たとえその道が遠回りだったとしても「うん。でもやっぱりこの道を選んで良かった」と思えるように、こういったデータ等を考える材料にして、誰より自分が納得する進路選びをしましょう。
未来は、あなたが幸せになるためにある。自分の幸福は、自分で掴むのです。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
定時制のデータについても興味深い結果がありました。ぜひご参照を。
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