【問題】以下の問いに5秒以内に答えなさい。
バットとボールの値段を合計すると1ドル10セント。
バットはボールより1ドル高いです。
では、ボールの値段はいくらでしょう。
全米のトップレベルの大学生にこんな風な3つの質問(他2問は本でね)をしたところ、
なんと正答率は20%を切ったそうです。
あなたはどうでしたでしょうか?(答えは一番下でね)
この実験からも分かる通り、
思考せずにパッと思い浮かんだ答えは、間違えやすいのだそう。
だから、よく相手に「わかった?」と聞いてしまうことがあるけれど、
それだと殆どの人は思考せずに「わかった」と答えてしまうから、
より相手に思考させるために「できそう?」と聞いてあげたほうが、
具体的な質問が返ってきやすくなるということでした。なるほど。
そんな数々の真理を、
科学的に検証した実験例と併せて説明してくれるのがこの『図解モチベーション大百科』。
私ね、この出版社好きなんです。
表紙&中身&出版社買いでした。
慣れない形式の本だったので、少し読むのに時間がかかりましたが、
塾での指導にも活かせそうな内容ばかりで、
とったメモの量がとんでもないことになりました。
メモした部分に貼った付箋はこんな感じ。
メモしたポイントを幾つかご紹介しましょう。
詳しくは本を読むと納得感が増すかと思います。
- 報酬はサプライズで与えたほうが効果的(最初からあげるというと報酬のためにしか頑張れなくなる)
- 比較は人とでなく自分とさせる
- 人の考えは「理由」を尋ねると強化され、「目的」を尋ねると軟化する
- 自分が接する言葉や振る舞いに気をつける(人は使った言葉にふさわしい人物を体現する)
- 怒りを発散しようとすると余計に怒りは加速する
最後に、本にも載っていた面白い実験を一つご紹介しましょう。
スタンフォード大学で行われた「マシュマロ実験」として有名な実験で、
僕も過去にこの実験自体は聞いたことがありました。
4歳の子どもたちを1人ずつ部屋に通し、椅子に座るように指示をします。テーブルの上にはお皿にのったマシュマロがひとつあります。仕掛け人がこう伝えます。「ぼくはちょっと用事がある。そのマシュマロはあげよう。ぼくは15分でここへ戻ってくる。それまで食べるのを我慢できたら、もう一つマシュマロをあげよう。ただし、ぼくがいない間にそれを食べちゃったら、二つ目はなしだよ」。
約3分の2の子どもは我慢できずに食べてしまったそうです。
約3分の1の子どもは食べるのを我慢して待てたそうです。
10〜15年後に追跡調査をすると、
マシュマロを我慢できた子どもたちは、
マシュマロを我慢できなかった子どもよりも、
大学進学適性検査の点数で2400点満点中、
平均して210点高かったそうです。
本ではこういう結論を示しています。
つまり、一つの誘惑に勝てるということは他のあらゆる誘惑に対しても自制心が働きやすいということだ。
我慢できる、ということは、
人生において強みになるということですね。
そしてそれは我慢強さや忍耐力といった歯を食いしばるイメージの我慢ではなくて、
考え方を変えるという手法でも成し得るものだといいます。
我慢は我慢だと思った瞬間に、するのもさせるのも難しくなる
ということですから、そもそも我慢を我慢と思わない仕組みが必要ということです。
嫌なお風呂掃除をする時、大好きな音楽をかけながら実施してみたり、
苦手な英単語練習をする時、大好きなクッションに寝転んでやってみたり、
例えばそんな風に不快と快を結びつけることで、我慢を我慢と思わなくすることができます。
やりたくないこと、でも、やらなくてはならないこと。
それは「どうしたらやりたくなるか?」を考えようと筆者は言います。
世の中には「やらなきゃいけないけどやりたくないこと」が溢れていますから、
練習はたくさんできますね。
思えば学校生活というのは、
勉強を学ぶ場と言うだけではなくて、
上手な我慢の仕方を学ぶ場という要素もあるのかもしれないですね。
図解モチベーション大百科。なんだか少しキテレツを思い出しますが、
学びが溢れている良本です。オススメです。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
あ、答えは5セント。
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