神奈川県公立高校入試学力検査問題の攻略です。古い過去問を使います。
大問先生と三人の生徒(偏差値60以上のAくん、偏差値50のBさん、偏差値40以下のCくん)の掛け合い形式で、入試問題の分析と対策を行います。
さぁ、それでは早速参りましょう!今回攻略する大問は、理科の地学分野の「地震」!前回の「岩石・火山・地層」からの続きです!
大問先生、よろしくお願い致します。
過去問における地震の出題は!?傾向と位置付け
先生「その通りよ。知識量が多いから2回に分けてお届けします。今回取り扱う過去問での地震の出題は…」
B「はーい、私が調べました。地震の分野は、29年度や26年度の大問8で出題されています。24年度以前の50点満点時代にも出題が多く見られる人気単元です」
A「覚えることと計算が厄介な記憶があります。でも、慣れればいけるかも」
先生「それじゃ早速対策カンファレンスを始めましょう。大丈夫。私、失敗しないので」
大問先生による理科大地分野地震対策勉強術式カンファレンス
先生「まずは知識のインプットからね。プリントを音読してちょうだい」
ABC「御意!」
先生「震央や震源、マグニチュードや震度の違いを頭に入れておきましょう。P波とS波のPはPrimary(最初)の略で、SはSecondary(二度目)の略よ」
A「日本で地震が多いのは、プレートの境界(海溝)が近くにあるからなんですね。地震はその日本海溝に沿って起こりやすいのか。日本海溝は、太平洋プレートが大陸のプレートの下に入り込んでいる形になっているから、震源の深さは海溝付近だと浅く、日本海(大陸)側にいくほど深くなるんですね」
B「日本は地震大国だから、実生活でも必要な知識ですよね。しっかり覚えます」
C「ジャンプの絵がわかりやすい」
先生「計算問題についても触れておきましょう。速さを求めるってだけで慣れれば簡単よ。速さの求め方は大丈夫かしら?」
C「木の下のはげたじじいね!」 B「私ははじきで覚えました」 A「僕はイメージで」
先生「それじゃあ、あとは実際の問題を解いてみましょう」
A「手頃な問題があったので解いてみました!」
先生「そうね。速さを求めるには距離と時間が必要。それを問題文から読み取って計算するだけよ」
A「もう一問ありました!」
先生「そうそう、この形式が基本になるわ。ちなみに、震源からの距離が伸びると初期微動継続時間(P波とS波の間)は長くなります。これらの情報を踏まえて入試問題を見てみましょう」
術式開始
2014年度(平成26年度)の過去問 問8
先生「まず配点を伝えまーす。(ア)・(イ)・(ウ)a・(エ)は各3点。(ウ)bは全部合ってて4点よ。正答率は(ア)が67.4%。(イ)が34.6%。(ウ)aが18.7%。(ウ)bが5.3%。(エ)が67.6%。(ウ)bは26年度の理科で最も正答率が低かった難問です」
A「ぞくぞくしますね」 C「せめて一問だけでも解きたい!」 B「頑張ります!」
C「(ア)は知識問題だ!海溝に沿って地震は多くて、沈んでるのは太平洋側のプレートだから、答えは1…ですか」
先生「正解よ」 C「地震だけに自信がつきました」 先生「マイナス2点」
B「(イ)は計算ね。紙に書いてやってみます」 C「俺が書くよ!」
B「えーと、まずは速さを求めたいから地点Aと地点Cの情報から距離と時間を求めます。地点Aと地点Cの間の距離は8km。それを2秒で移動しているから、速さは8を2で割って4km/秒ね」
C「書いた」
B「次は時間を求めるのね。時間は距離÷速さだから、地点Aまでの20kmを4km/秒で割って、5秒。ってことは…」
B「地点Aへの到達時刻17:45:03から5秒を引いて、17:44:58が正解ね」
先生「正解よ。グッジョブ!いい調子ね」 C「さぁ、次だ!」
A「(ウ)は難問ですがチャレンジしてみます。ん、(ウ)のaの問題…これは数学の知識を使いますよね?」
先生「よく気付いたわね。三平方の定理を使います。直角三角形の斜辺の二乗は他の辺の二乗の和に等しいってやつね」
A「なら、できました。震源から地点Aまでが20km。震央から震源までの深さが12kmだから、求めたい震央から地点Aまでの距離は、16kmだね」
C「一応書いた。こういうことだよね?」 先生「正解よ。素晴らしい」
A「(ウ)のbも一気にいきます。これは…難しい。ちょっと考えます」
B「その間に私たちはとりあえず地点Bと地点Cも同様に震央からの距離を求めてみます。三平方の定理を使って、地点Bから震央は9km、地点Cから震央は25.29…kmぐらいかな」
A「うーん、地点Aから16km、地点Bから9kmでぶつかる点はあるんだけど、ここでいいのかな。答えは、西に8km、南に4kmですか?」
先生「答えは合ってるわよ。この問題は少し解くのに工夫が必要。実際は3地点を中心として、震央までの距離を半径とした円を書いて求めるの。こんな感じね」
先生「また別の解法としては、AとBの震央までの距離16と9という情報からあたりをつけて、「西に8、南に4」の点を割り出して、最後にCの震央までの距離8ルート10を直角三角形の斜辺としてまたまた三平方を利用して「西に24、北に8」を計算で導き出して解くというのもありかな」
A「なるほど。あとでもう一回やってみます」
先生「解き応えがあるわね。さぁ、次が最後よ」
C「次は(エ)か。なんだこれは簡単。4でしょ」 先生「おお!すごい!」
C「初期微動継続時間の響きが好き。距離が伸びると初期微動継続時間も伸びるんでしょ」
先生「素晴らしい!この勢いで29年度も攻略してしまいましょう」
2017年度(平成29年度)の過去問 問8
先生「2017年度の問8の(エ)は前回対策したから割愛します。今回は(ア)(イ)(ウ)が相手よ。配点はオール4点」
A「正答率は、(ア)が67.1%。(イ)が81.0%。(ウ)が28.7%、ですね」
C「えーと、(ア)はさっきの問題と同じ知識でいける気がするぞ。震源が深いのって日本海(大陸)側じゃなかったっけ?だから答えは2!」
先生「おお、正解。ちなみに他の選択肢が正しいのはわかった?」 C「全然!4はわかったけど」
先生「正直でよろしい。2が間違っているということは他は合っているということだから、よく読んで知識を増やしておきましょう。大事なことよ」
ABC「御意!」
B「(イ)は面白そうな問題です。Kさんの家を挟んでいる地点Aが震度5弱で地点Bが震度4だから、Kさんの家は震度5弱か4かな。3が正解じゃないですか」
◯「パーフェクト!いい感じだ。さぁ、次の問題は、計算だ!」
A「また速さを求める問題ですね。主要動だからS波の速さを求めればいいんだな。地点Aと地点Bの情報を使って、距離は(75-45)で30、時間は10秒だから、速さは3km/秒か」
B「Kさんの家は60km地点なので、60÷3で地震発生の20秒後に主要動が始まりますよね。ってことは、主要動が始まったのは14:30:18。」
C「そして、問題本文から、緊急地震速報が出たのは14:30:11だから…」
ABC「答えは、緊急地震速報の7秒後だ!!」
先生「正解!そうやって一つずつ落ち着いて求めていけば正解に辿り着ける問題ね。計算問題だからって慌てないこと」
C「なんか自信がついた気がする!」
先生「これにて術式完了よ」
術後の振り返り
先生「さ、振り返ってみてどうだったかしら」
A「26年度の(ウ)bが心残りです。もっとスッキリ解きたかったです」
C「基本的な問題は取れるような気がしてきた!」
B「私も計算問題だからって絶対無理っていうのはなくなりました」
先生「そうね、精神面は重要です。自分が「できない」と思ったら、実際に問題を読む能力も落ちることが科学的にも証明されています。まずは心の中から強くならなきゃね」
先生「これで一年生の地学は対策完了よ。得点源になったなら嬉しいわ」
C「次は僕が得意な社会もぜひ!」
先生「それは致し…ます!また近いうちに会いましょう」
目の前の生徒を救うというポリシーのもと、圧倒的な腕で数多くの受検生を救いながら、難問良問はびこる入試界に鋭いメスを入れてきたフリーランスの天才講師・大問未知子。群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、HOME個別指導塾公認講師のライセンスと叩き上げのスキルだけが彼女の武器…
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過去回はティーバーを!じゃなくて下記をご参照ください。
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