今更ですが、『プラダを着た悪魔』(The Devil Wears Prada)を観ました。
あらすじはこちら。
名門ノースウェスタン大学を卒業し、ジャーナリストを目指すために田舎からニューヨークへとやってきたアンドレアは、幸運にも何百万の女性の憧れとする仕事・ファッション雑誌『ランウェイ』の編集部へと就職した。しかもその編集長でファッション業界に対し絶大な影響力を誇る、ミランダのアシスタント職である。だが、ミランダは自分の身の回りの世話をアシスタントに押し付けるなどの横暴を発揮する最悪の上司であり、今までに何人もがこの仕事を辞めていたのであった。ファッションには何の興味もなかった彼女であるが、本来の目的である文芸誌での仕事への足がかりとして、彼女の悪魔のような要求に耐えていく。
抜群の面白さ。笑顔はもちろん、勇気と感動をくれる大ヒット作です。メリル・ストリープとアン・ハサウェイの演技もお見事。
執拗に服について注意される主人公を見て「おいおい、アン・ハサウェイだぞ。服がダサくても間違いなく綺麗じゃん」って思っていましたが、服を着替えたらあらまもっと素敵。何なら服だってあんまりダサいと感じていなかった自分を恥じました。
「人は見た目が100%」とも言われる世の中です。なぜ人がオシャレに魅了されるのか、彼女が着替えて登場したあの一瞬ですべてわかりましたね。
この後に『マイ・インターン』を見ると、アン・ハサウェイの成長譚なのかと思うぐらいしっくりきます。もちろんですが、実際につながりはないそうです。
ちなみに、メリル・ストリープ(プラダを着た悪魔)はロバート・デ・ニーロ(マイインターン)の『タクシードライバー』を見て衝撃を受け、映画のオーディションを受け始めたそう。
さらにちなみに、ロバート・デ・ニーロはメリル・ストリープのことを「自分と最も息の合う女優」と述べているそう。なんだかほっこりするお話です。
さぁ、感想に参りましょう。あ、プラダを着た悪魔の、ですよ。
プラダを着た悪魔 大人の感想文
『CHANGE』
やりたいことができない時や、やりたくないことばかりやらされる時、人の心はひどく荒んで、目からは輝きが失われていく。
すると何事も楽しくなくなる。そのことだけじゃなくて、他のことにだって悪影響は及ぶ。だんだんと覇気がなくなり、ストレスは溜まり、愚痴っぽくなる。誰かのせいにしたがるようになる。
でも、それが変わる瞬間はたった一瞬だ。
多くの映画では、概ねその変革は年長者の苦言やアドバイスによってもたらされる。この映画ではナイジェルの言葉がそれだ。彼(彼女?)の一言で、主人公の意識は変わる。
受動的から、能動的へ。やらされる、ではなくて、やる、へ。
その変貌っぷりには悪魔とも呼ばれるミランダもビックリだ。先回りで彼女の期待以上の仕事を成し遂げる主人公へ、いつの間にか鬼上司も信頼を置くようになる。
その過程がテンポよく描かれるが、メリル・ストリープの最高の演技が、その変化を違和感なく見せる。瞬間瞬間の悪魔の人間らしい表情が、神の視点で物語を見ている私たちだけに与えられるヒントが、物語の中へ我々を引き込んでくれる。
特に、ラストシーンの手前、階段で彼女が主人公を探すシーンは圧巻だ。表情だけで、悪魔の人間としての「弱さ」を表現する。最後の闘いにおいて、主人公が取る行動は、どちらかと言えば消極的な反撃ではあるのだが、その一撃の重みがキチンと伝えられ、劇中溜まりに溜まった私たちの鬱憤が開放される。
そして、主人公が噴水に携帯を投げ入れた時、ミランダからの伝言を伝えられた時、私たちの中に確かな感動が舞い降りる。同時に強さも手にする。「私も頑張らなくちゃ」なんて、素直に思える。勇気が出てくる。
そんな素晴らしい映画だった。なんでもっと早く見なかったんだろう。
そういえば、そうだ。
「悪魔」とは、厄災のことだ。主人公はその不定期にやってくる厄災に苦しめられるが、それを機に成長をし、そんな厄災を乗り越えていく。
この映画はお仕事のお話だが、勉強だって同じように思う。誘惑や厄災は周りに溢れている。そんな悪魔たちは、勉強しようとする者を容赦なく邪魔する。
そんな時は、魔法を使おう。悪魔を撃滅する魔法。それは、「やる」ということだ。主人公がそうしたように、あなたもやってみせればいい。悪魔はいつの間にかあなたに魅了され、あわよくば仲間になってくれる。
変化するということは、難しい。とっても大変だ。受動的だったものが能動的になれば、最初のうちは周りからの視線も痛いし、色んな所で不具合も生まれるだろう。
でも、これは自分の人生だから、外野は黙らせればいい。もちろん、途中でやっぱり大切なものに気づいて引き返してもいい。回り道が悪いわけじゃない。大切なのは、自分が決めることだ。
もう一度言おう。変化することは、難しい。だからこそ、その先には必ず成長が待っている。
「CHANGE」から「ー」を引けば「CHANCE」になる。変化は、チャンスだ。さぁ、泣き言を言わず立ち向かおう。
そうそう、道中もしも怖くなったら、この映画を見るといい。さっきも言ったけどさ、勇気をもらえる。一歩踏み出す勇気。逆境においても、前を向く勇気。成長にはそれが大切だと、強き者は知っている。
だから彼らはいつだってこう言うのだ。
「Go!!」
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
自分から踏み出せば、楽しくなる。
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