小学生に読ませたい「読書が好きになる本」を塾の教室長たちが選んで紹介します【オススメの十冊】が好評だったので、第二弾です。
今度は中学生版。塾の教室長たちが中学生にオススメの素敵な本たちをご紹介します。読書を好きにさせるには、面白い本を読んでもらうのが一番ですからね。
それでは早速参りましょう。題して、
塾の先生オススメの中学生に読ませたい本のまとめ
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よるのばけもの
最初のオススメの一冊は私から。『よるのばけもの』は、住野よる先生のリアルファンタジー小説です。
学校が舞台で、いじめなどの重いテーマを扱っていますが、ミステリー要素や伏線も多くあって、一気に読めてしまう良本です。
夜になると化け物になる主人公と不思議な少女の物語。大人の感想文でも取り上げさせてもらいましたが、大反響でした。読後感が半端なく気持ちよくて、最後の一文で視界がファッと開けた感じがした記憶があります。さりげなく残る謎解きも醍醐味。素敵な表紙も含めて、中学生たちに心から勧めたい珠玉の一冊です。
『か「」く「」し「」ご「」と「』など、住野先生の他の作品もオススメです。
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夜のピクニック
S先生オススメの一冊!
私も随分前に読みました。
小説の舞台とは違うんですが、近隣の茅ヶ崎高校にもナイトウォークというイベントがあって、生徒たちと話が盛り上がりました。私も教室長仲間とナイトウォーキングというイベントで60キロを歩いたことがあったので、その時もこの小説のことを思い出してなんだか楽しく歩けた記憶があります。
夜歩くって、テンション上がるんですよね。普段話せない話も、そこでなら話せたりする。加えて青春まっしぐらの高校生たちが歩くという設定はまぁ、間違いないですよね。そして、作者は名手恩田陸さんですから、面白くないわけがありません!
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車輪の下
「書物そのものは、君に幸福をもたらすわけではない。ただ書物は、君が君自身の中へ帰るのを助けてくれる」という名言を残したヘルマン・ヘッセさん作の有名長編小説です。
私自身が中学生の頃に読んで衝撃を受けた記憶があります。なんとも暗い雰囲気の鬱々とした物語なのですが、だからこそ反面教師的に学べることが多くありました。大人になった今も、その衝撃を覚えているぐらいですから、相当だったのでしょうね。
ヘッセさんの自伝に近い物語なのですが、読み終わった後、その作者自身と主人公の人生を分けた「何か」とは何だったのかを知ったときに、あなたも生きる上で大切なものに改めて気付けるはずです。読んだ後にWikipediaを見てみましょう。
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砂の女
T先生が中学生の時に読んで衝撃を受けたという安部公房さんの書き下ろし長編。近代日本文学の傑作という声も多く、海外でも人気です。
私もオススメされて読んでみましたが、サスペンス的な要素やスリルもあって、刺激的な描写も多いです。ただ、だからこそ夢中になるとのこと。特に、大きな驚きと怖さとでもどこか納得感が味わえる神妙で絶妙で衝撃なラストは必見。人間の本質が描かれている圧巻の小説です。
少し大人向けですが、背伸びしたい方はここから読書にハマりましょう。
エントリーナンバー005
君たちはどう生きるか
ジブリの宮﨑駿監督がこの小説を題材に新作を創るという話でも話題になりました。児童文学者の吉野源三郎さんによって書かれたご存知歴史的名著です。
15歳のコペルくんが主人公ですから、中学生たちにとって考え方のバイブルに成り得るオススメの一冊です。初めてこの本に触れた子どもの頃は、毎回届くおじさんの手紙がちょっと難しすぎない?と思うこともあったのですが、大人になって読み返すと、中学生を子供扱いせず本気で向き合うその姿勢に、学ぶところが多いなぁと感じました。
生徒たちが読んだ後に語り合いたい良本ですね。マンガ版も出たそうです。
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のぼうの城
映画化もされた和田竜さんの歴史小説。歴史小説と言えど堅っ苦しくなく圧倒的な面白さで一気に読めます。みんなに「でくのぼう」と呼ばれ愛される城主が、愛する女性のために、わずか三千対二万の無謀な戦いに挑む!敵は豊臣秀吉軍石田三成!そんな心震える大勝負の行く末は、ぜひ本の中で確確かめてみて下さい。熱くなること、間違いなしです。
ちなみに、和田竜さんの本はその後もすべて読んでいますが、シンプルに歴史を(若干だけど)学べるのでオススメです。『忍びの国』や『村上海賊の娘』等、この本にワクワクしたら、ぜひチェックをしてみましょう。
エントリーナンバー007
くちびるに歌を
I先生オススメ!こちらも映画化された長崎県の中学校の合唱部の物語。
有名作家の乙一さんの別名義である中田永一さんが著者です。合唱を通して人が変わっていく姿が丁寧に描かれていて、ストーリーを追っていくだけで感動モノです。
そして、もちろんそれだけでは終わりません。臨時顧問となった先生から「未来の自分へ手紙を書こう」というお題を出された部員それぞれの選択が爽やかな感動をもたらします。合唱、したくなりますよ。大人になったらなかなか合唱できないから、中学生のうちに読んでおこう。
エントリーナンバー008
西の魔女が死んだ
児童文学作家の梨木香歩さんによる有名小説。魔女と呼ばれるおばあちゃんと、不登校の少女の心温まる物語です。ファンタジーチックなタイトルですが、中身は現代小説。
現代における「魔法」とは何なのか、主人公の少女が「魔女の修行」を通して得るものとは何なのか、その答えがわかる切なくてだけど素敵なラストは、愛がいっぱいで、自然に涙が溢れてきます。
子どもたちが、ちょっと心が弱くなったときに読んで欲しいオススメの一冊です。後日談の『渡りの一日』も好きです。
エントリーナンバー009
死神の精度
W先生オススメの一冊。私も伊坂幸太郎さんの作品はすべて読んでいます。
展開が早くてテンポが良くて楽しみながら一気に読めるんですよね。しかもこの『死神の精度』は短編連作の形なので、楽しみながらもさささと読めます。主人公が死神の時点で面白い予感が漂ってきますよね。一話ごとも面白いですが、最後にはほっこりも感動もさせられる驚きの展開が。
伊坂さんの作品は基本読みやすいので、『陽気なギャングが地球を回す』や『終末のフール』『アヒルと鴨のコインロッカー』などオススメだらけです。『ラッシュライフ』や『グラスホッパー』も勧めたいのですが、殺し屋が主人公だったりするんですよね。それが問題なければ併せてどうぞ!
エントリナンバー010
探偵ガリレオ
理系のM先生オススメの一冊は、『容疑者Xの献身』などが有名なガリレオシリーズの一作目です。
天才物理学者の湯川が、大学時代の友人である刑事の依頼を受けて、一見超常現象とも取れる不可解な事件を科学によって解決していくシリーズです。ドラマ化もされたから知っている人も多いですかね。
著者の東野圭吾さんの作品も人気作品が多く、『ナミヤ雑貨店の軌跡』や『マスカレード・ホテル』等も読みやすく面白くて間違いなくオススメです。
あらま、あっという間の10冊でした。まだまだ紹介したい本が山程ありますが、今日のところはこの辺にしておきましょう。ネタバレ厳禁なので軽くご紹介でしたが、興味のある本は見つかりましたでしょうか。どれも間違いなく素敵な本たちです。ただ、好みはもちろんありますので、生徒自身や保護者の皆様は、ぜひ自分やお子様が好きになりそうな本を選んであげて下さい。
なお、シリーズの続きはこちらからどうぞ。
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本を読むことは、人生を豊かにすること。
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