「家でなかなか勉強しないんです…」
保護者のお悩みナンバーワンと言っても過言ではないこの台詞。
生徒の方からは「勉強やってるのに見てないんだよ」という声が飛んできそうですが、どちらにせよ、保護者の方にとって子どもが勉強している姿を見れないというのは不安が募るものでしょう。
ベネッセさんのデータによると、小学生の家庭学習の平均時間は宿題をやるのを含めて60分ほどだそう。なんでもかんでも平均を気にすればいいというわけではありませんが、気になる数字です。
生徒は、保護者の鏡でもあります。もちろん勉強をしない生徒にも責任はあるでしょうが、もしかしたらもしかして、保護者の方自身が、生徒の勉強を邪魔している可能性もあります。
本日のテーマは「家庭学習と楽しい勉強のさせ方のコツ」です。注意点とともに見ていきましょう。
注意点1:駄目なときにばかり声をかけていないか
家に帰ると、散らばった服やプリントの中に、夢中でゲームをしている子どもの姿。いけないとは知りつつも思わず声をあげてしまいます。「何やってるの!」
早寝早起き。部屋の片付け。脱ぎっぱなし、やりっぱなし。約束破り。怒っても叱ってもきりがない。何度も何度も言っても直らない。
お母さん。もしかしたら、その「何度言っても」が曲者かもしれません。
以前に「してほしくない行動を直す裏ワザ」の記事でも書きましたが、人は元来「かまってほしい生き物」。
そんな「かまってほしい生き物」代表の子どもたちは、親から声をかけられるのをすごく楽しみにしています。
そんな彼らが必ず声をかけられる時があります。そう、何か問題行動をして、怒られるときです。もちろん子どもたちも怒られていい気持ちはしませんが、「かまってくれた」という記憶は無意識下に残ります。
問題行動を「かまってくれる行動」と認識するのです。だから、直りません。
この負の連鎖のような現象の、直し方は簡単です。できている時に褒めてあげればいいです。やっている時に認めてあげればいいのです。
それがたとえどんなに小さな一歩でも、前に進んだと思えるなら「かまってあげて」ください。するとその「かまってくれる」行動が強化され、だんだんとうまくできるようになります。
悪い時ではなくて、良い時に声をかける。ポジティブな言葉を口にするから、保護者の方のストレス発散にもなります。
注意点2:「やる」ではなくて「やらせて」いないか
次の注意点は、能動的にやらせているかどうかということです。
「家事、やりなさい」「資格の勉強しなさい」「◯◯買ってきなさい」
大人の我々でも、こんな風に言われたら、たとえそれがやらなきゃいけないことだったとしても、ちょっとやる気なくしますよね。
「勉強しなさい」もまったく一緒です。
「勉強しなさい」で勉強する子は、だんだんと勉強が嫌いになります。勉強がつまらないものになって、自ら向かうことができなくなっていきます。こうなると、「家で勉強しない」状態のスタートです。
勉強の楽しみ方の記事でも書きましたが、人は受動的にやるものを楽しいとは感じにくいのです。「やらされる」ものは、たとえそれが同じものだったとしても、「やる」ものより面白くないです。
やる、やらされる。たったそれだけの違いが、大きな差を生みます。勉強を能動的にやることができる子は、成績だってもちろん良くなります。逆に…は想像がつきますよね。
もちろん、子どもたちが能動的に勉強に取り組むようにするには、工夫が必要です。まずは早い段階で、「勉強って面白いんだ」と感じさせることです。
手っ取り早いのは、保護者が楽しそうに「勉強している」姿を見せてあげること。中身はなんでも構いません。資格の勉強でも、レシピでも、電化製品の説明書でも、学ぶということを楽しそうにしている姿を見せてあげることです。
また、人には本来必ずある知識欲を呼び起こすことも効果的です。好きなものの力を借りましょう。図鑑や辞書、教育系の映像など、興味のあるものに触れさせて、学習することを楽しませます。
どうしてもやらせたいことがあるなら、なるだけ「勉強しなさい」という言葉は使わずに、「さ、お母さんは洗い物するけど、あなたは何やる?」や「学校の勉強で明日までになんかやることある?」などの質問をうまく使って、自らの意志で「やる」という状況を創り出しましょう。
その過程で大事なのは、失敗を注意しないこと。そして、成功体験を褒めることです。詳しくは下記の記事でも説明をしているので、興味があったら読んでみてください。
注意点3:忘れていないか
最後の注意点は、とっても大切なことです。
beの理論という言葉をご存知でしょうか。beとはbe動詞のbeで、「いる・ある」という意味です。beの理論とは、このbe「いる・ある」を承認することが大切というものです。それを「存在承認」と呼びます。
生まれてきた時に誰もが受けるはずの「存在承認」。でも、時が経つと、だんだんと忘れ去られていきます。どういうことか、ちょっと例を見てみましょう。子育てや人材育成に欠かせない「beの理論」とはの記事から抜粋です。
誰もが生まれた時、 「生まれてきてくれてありがとう」と祝福されてこの世にやってきます。 それはそれは、とびきりの「存在承認」を受けながら、 この世界に誕生します。 しかし時が経つと、 どんどんと「ハイハイ出来たね」や「立った!すごいね!」など、 「do」つまり「行動承認」に焦点が当てられるようになります。 さらに時が進むと、 「テストでいい点取れたね、おめでとう」「いい成績グッジョブ!!」 「これが出来るようになって偉いぞ」「サッカー上手いね」など、 「have」=「結果承認」が日々を彩り出します。
そう、「行動」や「結果」に焦点が当てられ、だんだんと「存在」の承認は薄くなる傾向があるのです。
もう一度繰り返します。最後の注意点は、とっても大切なこと。
それは、お子様がそこにいるということを心から承認してあげることです。愛してあげることです。
そして、それをちゃんと伝えることです。
伝えなくちゃわかりません。そんなはずなんてないのに、子どもは勝手に疑心暗鬼になります。面倒臭いですよね。でも、そんな面倒臭さがとっても大事なことを、もうみんな知っているはずです。
そこに確かにある愛を、「存在承認」を、きちんと伝えましょう。愛に包まれて勉強するって、とっても素晴らしいことです。
以上、3つの注意点からみる「家庭学習と楽しい勉強のさせ方のコツ」でした。では、早速やってみましょう…ではなくて、「これをやるってワクワクしない?」
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
勉強するのに気持ちいい場所をつくってあげましょう。
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