先日、大学入試センターから2020年度に始まる『大学入学共通テスト』にて受験可能な英語の民間試験として、7種類(事業者)のテストを認定したという発表がありました。
先にその7つのテストを記しておきましょう。試験の方式や級の区分で細かく分けると23種類になるそうです。
- ケンブリッジ英語検定(ケンブリッジ大学英語検定機構)
- TOEFL(ETS)
- TOEIC(国際ビジネスコミュニケーション協会)
- GTEC(ベネッセコーポレーション)
- 英検(日本英語検定協会)
- TEAP(日本英語検定協会)
- IELTS(ブリティッシュ・カウンシルなど)
「読む・聞く・書く・話す」の4技能をチェックするための民間試験導入です。高3の4~12月に最多で2回まで受験できる予定です。大学入試センターはその結果を要請のあった大学へと提供する仕組みになっています。
聞きなれないテスト名もありますが、詳しい内容については大学入試センターのページで説明されています。
何事もそうですが、新しいことを始める時には問題はもちろん溢れ出てくるものです。今回も課題点は山積みです。一つずつ説明と所感を記しましょう。
まずは公平性の問題があります。各々のテストの料金は5、6千円〜2万円台など幅が広く、受験者の家庭の経済状況によって受験回数に差がつくなんてこともありそうです。
また、居住地域による差についても課題が残ります。例えば、都心に住む子は簡単にテストを受けられますが、テスト自体実施されていない県や市町村に住む子は別途時間や交通費などが余計にかかります。「仕方ないでしょ」と言われればそれまでですが。
また、テスト自体の差も気になります。各テストにおける国内での受験者数も数万人から300万人以上と差があります。実施回数も年に数回のものから、20回以上あるものもあるそう。一概に比べていけるものでしょうか。
各団体ともにそういった公平性をなるべく保つように、検定料の引き下げや受験場所の配慮、情報交換などを積極的に検討している模様です。続報を待ちましょう。
ちなみに、英検は『現在の「一次・二次」方式では4技能を一度に測れない』として、従来の英検は今回は採択をされておりません。
7つのテストの中にある英検というのは、新しい方式が導入された受験生向けの英検のことのようです。注意が必要ですね。
また、民間試験導入には慎重な大学も多く、例えば東大は現時点では活用しない方針を打ち出し、国立大学協会は配点割合を抑えて設定する案や、大学入試センターによる英語の試験が実施される2024年までは、受験生にセンター試験の英語と民間の検定試験の両方を課す方針を明らかにしています。
前述の通り、まだまだ課題点は山積みですが、日々日々こういった情報についての感度を高めて、準備をしておくことが何より大切ですね。
勝負のルールが変わったことに不満を抱いて、いくら前のルールにこだわっていても、勝利の確率が上がることはありません。
それなら、新しいルールをむしろ楽しむかのように、積極的に取り入れて変化をしていきましょう。
イギリスの自然科学者ダーウィンは言いました。「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である」
さぁ、変わることを楽しもう。
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