僕の名前はゆうき。中学3年生。
僕はある日、星の形をした宇宙人と出会った。しばらく一緒に勉強をして、テストでいい点をとって、成績がグーンと上がったところで、その星型の宇宙人、スターマンは消えた。
消える少し前、スターマンは「宇宙に無数といる被験者の元へ旅立たなければ」と言っていた。きっとその人たちのところで、僕の時みたいに丁寧に勉強のやり方を教えているんだろう。
その後、僕はSTAR勉強法を続けて、志望校に合格し、高校でもコツコツ頑張り続けて、指定校推薦で国公立の大学に入ることができた。今、そこで先生を目指している。
今も時々、あの頃のことを思い出す。
勉強にはやり方がある。準備を整えて、考えて、行動して、結果から学んで、それを繰り返す。SET、THINK、ACTION、RESULTでSTAR勉強法だ。
走り出すタイミングや成長までの期日を定めれば、TIMEが加わって、START、つまり必ず成長できる勉強プログラムが始まる。
僕は出来があんまりよくなかった生徒だったけど、スターマンは時に厳しく、時に面白く、少しずつやり方を教えてくれた。あ、あとエア勉強のお化けもいたなぁ。
楽しかったなぁ。勉強は今だってあんまり好きじゃないけれど、成長できたり世界を広げたりできるのは楽しい。その楽しさを子どもたちにも知って欲しくて、僕は先生になることを決めた。ねぇ、スターマン。僕も自分なりに、一生懸命やっているよ。
「勉強とは、新しい知識やスキルを手に入れること」
なんて、夜空を見上げながら昔を思い出していたら、落っこちてきた隕石に当たった。
ゆうき「んご!」
スターマン「Hey!ゆうきBOY、久しぶり!ん、もう全然BOYじゃない…」
目が覚めた僕を待っていたのは、いつかのあの宇宙船だった。
ゆうき「スターマン!どこ行ってたんだよ!」
スターマン「いやはや、ゆうきBOYが努力していたから、お祝いに宇宙最高級のジュースを買ってきてあげようと思ったら、道中でブラックホールに飲まれて異世界まで行っちゃって、向こうで勉強教えて世界を救う羽目になってさ。すぐ帰ってくるつもりだったんだけど、魔王がそこそこ手強かったのと、こっちの時間軸とあっちの時間軸が違うから時の流れを勘違いしてて手間取っちゃったよ」
ゆうき「よくわかんないけど、遅いよ!勉強、仕方ないから一人でやってたよ」
スターマン「ごめん、ごめん。でも、元々一人で頑張るのが勉強だし。それに、よく頑張れているみたいじゃないか」
そこから僕らはいろんな話をした。久々に会ったから、話は尽きなかった。どれくらい話していただろう。
スターマン「おっと、もうこんな時間だ。どうやらもう君は大丈夫みたいだな。私は次の被験者のところに行かねばならない」
スターマンがそんなことを言うから、最後に気になっていたことを訊いてみた。
ゆうき「ねぇ、どうして僕のところなんかに来たの?宇宙中にスターマンに教えてもらいたい人がいっぱいいるんでしょ」
スターマンは何かを思い出すように少し宙を見つめてから言った。
スターマン「君が、強く願ったからだ」
ゆうき「え?」
スターマン「僕は、誰かのために、天才になりたいって」
最初にスターマンに出会った日、公園のベンチでふと浮かべた願い。薄々わかっていたけど、「帰りたくない」って願いを叶えにきたわけじゃなかったんだ。
スターマン「天才は1日にしてならず。ここまで頑張ってきた君になら、その意味がちゃんとわかるはずだ。ありきたりだけどさ、自分で考えて動ける人。努力できる人。自分で世界を変えられる人。そんな人を、人は天才と呼ぶんじゃないかな」
・・・
あの日からまた数年が経って、僕は憧れの教師のお仕事についた。
「先生!勉強教えてよ!」
こんな風に声をかけてくる生徒たちに、中身についての指導をしながら、だけど大切なことを伝えるのが僕の役目だ。
「よーし、それじゃあまず勉強のやり方について学んでみようか」
いつか、彼らが輝く日のために。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
この物語はフィクションです。
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