今日のテーマは「国語の小説文読解」です。特に感情表現にスポットを当てて説明していきたいと思います。
小説の読解問題って、「え、こんなの簡単じゃん」と容易く正解の選択肢を選ぶ子もいれば、なかなか正解できない子がいますよね。これは今までの人生で培ってきた国語力の差でもあります。
ここで言う国語力とは、「相手の求めるものを返す力」のことです。この力は、会話や読書ならびに国語力をつける訓練などで鍛えることができます。
今日はそんな国語力を鍛えるトレーニングを、小説文を使って行ってみましょう。
小説文での感情の読み取り方
では、小説文における感情の読み取り方を簡単に説明していきましょう。
まず改めて大前提からです。左上の赤枠にも書いてありますが、国語力とは「相手の求めているものを返す力」のことです。
ここで早速注意ポイント。国語の読解問題における相手とは、誰を指すかわかりますか。そうですね、その相手とは、本文の作者ではなく、出題者のことになります。
出題者が求めるものを、選択したり記述したりするのが国語の読解問題です。ここでもう一つ注意ポイント。その際は、主観(自分のものの考え方)ではなく、客観(共通のものの考え方)で文章を読むようにしましょう。オリジナリティや個性は使わなくていいです。「みんながそう思うこと」で問題を解いていきましょう。
特に小説文では主観が入りがちです。問題には「書いてある内容を使って根拠を持って答えること」を意識しましょう。
では、ここで腕に覚えのある方は、下記の読解プリントまでスクロールしてもらって、実際に問題を解いてみましょう。ここでは読解が不安な子のためにもうちょっと説明を続けます。
右部のやることを見てください。ここでは読解問題を解く際の一般的な流れを記してあります。今回のポイントは4と5です。
やること4は、感情の読み取り方です。まずは、以下の3つの描写を使って感情を見つけましょう。
- 直接的な描写…嬉しい、楽しい、悲しい、寂しいなど
- 間接的な描写…笑う、机を叩く、あくびが出る、泣くなど
- 情景描写…悲しい時に雨が降る、気持ちが変わった時に風が吹くなど
直接的な描写はイージーですね。間接的な描写は、行動に現れることが多いです。注意点は、同じ行動でも、そこに込められている感情は人によって違うということです。時には嬉しい時に机を叩く人がいるかもしれません。情景描写は物語特有ですね。現実ではあり得ませんが、小説やドラマや漫画では多用されますよね。
これらを使って、感情を読み取ったら、じゃあその感情が湧いたのは「なぜなのか?」を把握しましょう。それが感情の原因理由です。感情と併せて、問題で問われることが多い部分ですね。
ここでまた一つ注意ポイント。上記の描写を使って読み取ろうと思っても、人間の感情は複雑です。例えば「やりたい」という前向きな気持ちと、「やりたくない」という後ろ向きな気持ちが心の中でちょうど半々の状態ということだってあります。これを「葛藤」と呼びます。また、「好き」だけど「嫌い」「会いたくない」のように感情が矛盾することだってあります。これらの感情はわかりづらいので、出題者がよく問いかけてきます。頭に入れておきましょう。
それでは、実際に問題を解いてみましょう。
小説文読解の練習プリント初級編
問 次の本文を読み、赤線の引いてある登場人物の感情をプラスかマイナスか判定し(できれば感情の名前も書き)、その理由を書きなさい。
解いたら下記をご覧ください。簡単解説です。
小説文読解の練習プリント初級編解説
まずは解答です。プラスかマイナスか、感情、理由、の順に並べておきます。
① + 楽しみ 今日は楽しい夜になりそう(直接的な描写)
② − 焦り 焦っている(直接的な描写)
③ + 楽しみ 体言止めでワクワク感、後半に「復讐の機会を楽しみに」(直接的)
④ − 緊張 喉が渇いている(間接的な描写)
⑤ − 怒り 机を叩いている(間接的)、酒がまずいと言っている(間接的)
⑥ + (仕事を辞めると決めて)スッキリしている 極上の星空(情景描写)
④や⑥が難しかったようですね。
国語の問題を使って、「相手の求めるものを返す力」を磨くことは、日常生活や他の科目にも活きてきます。その勉強の際の参考になれば幸いです。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
得意な子と苦手な子で、大きく差が出るんですよ。
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