上記は神奈川県公立高校入試における各高校の過去3年分の倍率の推移をまとめた表です。
①〜④は出るタイミングの違う倍率を示していて、【】内はそれが出る大体の日付です。
受検生たちにはあまり倍率で右往左往してほしくなかったので、元々はその説明用に作った資料です。未知のものはいらぬ不安を掻き立てますからね。こういうもんだ、と知っておくことで、気にしすぎることがなくなります。
ちなみに、倍率とは入試合格の難易度を表す数値です。倍率が高ければ高いほど合格するのが難しいということになります。倍率2倍とは「2人に1人が合格する」ということです。3倍は「3人に1人合格」。1.2倍であれば「12人で10人合格」です。
表については、下記にPDFの資料も置いておきますので「もし使ってもいいよ」という方が居ればお気軽に活用ください。湘南地域中心で申し訳ないのですが。。
表の各データは教育局が発表したものです。昨年度の各倍率は、公立高等学校入学者選抜実施結果で確認ができます。
ちなみに、倍率の正式名称は「競争率」らしいのですが、慣れている「倍率」で説明を続けます。まずは①〜④が何なのかについて具体的に説明しますね。
この時期から出される4つの倍率について
① 最初の倍率
①は毎年2月1日頃に発表される最初の倍率です。「志願者数」を「募集定員」で割った数字です。ここから変動はあれど、倍率の推移を見ていく上でこれが基本的な数値となります。
業界では「前の年倍率が高い高校は次の年倍率が低くなる。逆もまた然り」とよく言われます。たしかに各年度の①を比べるとそんな高校もありますね。ただ、あくまでそれは傾向です。人気の高校は人気のまま、ということも大いにあり得ます。参考程度に知っておきましょう。
この倍率を見て志願変更を行う方も居ます。その場合は、ギリギリで慌てぬように前もって「倍率が◯倍以上だったら志願変更する」とご家庭や学校で話をしておきましょう。
② 志願変更後の倍率
②は2月5日〜7日に行われる志願変更を踏まえて発表される倍率です。「変更した上での志願者数」を「募集定員」で割った数字です。1つの高校で多い時には50〜60人の志願変更者が出ますから、けっこう倍率が変動します。
こうやって数字を見ていくと、一部の上位校を除いては、1.4あたりが「高倍率」とみられて志願変更が出やすいのかなと思いますね。
逆に、①の倍率が1.3ぐらいだと「低倍率」とみられて、志願者が流れてくる傾向も見られます。
結局そうやってとんとんぐらいになるのであれば、やっぱり倍率は気にしすぎても意味がなさそうですね。そこを気にするよりも、一点を上げるために机に向かっていたほうが改めて良さそうです。
③ 学力検査受検者数による倍率
③は学力検査実施日後に発表される倍率です。「学力検査受検者数」を「募集定員」で割った数字です。
説明当時、「え?なんでここが減るの?」という生徒もいました。上位校に多いのですが、私立や高専、国公立の高校が第一希望の場合や、単純に学力検査を受けていない場合などが考えられます。
ここからの志願変更はもちろんできないので、気にしてもあまり意味のない数字です。
④ 実質倍率(合格者数から見る倍率)
④は合格発表後に発表される倍率です。「受検者から受検後取消者数を引いた数」を「合格者数」で割った数字です。「実質倍率」とも呼ばれ、毎年販売される高校受験案内などに載っているのはこの数字のことがほとんどです。
ここで倍率が大きく変動している学力上位校は受検後取消者が多い傾向があります。昨年も翠嵐で76人、湘南で23人の受検後取消者数が出ています。理由は前述もした通り第一希望が私立や国公立高校だった場合が多いです。
逆に、寒川高校の場合を見てみましょう。定員割れだったはずなのに倍率が上がっていますね。これは④が①〜③までとそもそもの計算方法が違うためです。④は「合格者数」で割っているため、絶対に1倍以下にはなりませんよね。
この数値は、主に来年度以降の方が気にする数値です。
倍率まとめ
2018年もこれから倍率が出てバタバタするのでしょうが、大事なことなので繰り返し言いますね。文中でも理由を述べましたが、そうです、倍率はあんまり気にしてもしょうがないです。
行きたい高校に行くことを第一に考えましょう。倍率は、内申や偏差値が足りない時や2つの高校で迷った時などに参考にするぐらいでいいかと思います。
また、受験本などの情報も、上記の通り元にするデータが違うことがありますから、そこに載っている前の年の④の倍率と今年の①の倍率を比べて「うわっ!今年以上に高いじゃん」とかなるのはやめましょう。
それらを踏まえて志願変更する際は、志願変更の注意点に則って、気持ちを切り替えて入試に臨むようにしましょうね。
最後に、Dropboxで倍率表のPDFを落とせるリンクを貼っておきます。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
必要なのは周りを気にすることでなく、自分を磨くことだ。
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