スラダン映画化。
その響きに触発されるようにして思い出したのは、少年の日の夏休みの光景でした。
東映アニメフェア。当時はたしかドラゴンボールやダイの大冒険といったジャンプの人気漫画映画と同時上映でスラムダンクの映画を観れたんですよね。
アニメより漫画派だった私としても、映画はなんだか特別感があってすごく楽しみで、パンフレットも本当に穴の開くぐらい何度も読みました。今も実家にビリビリの状態であると思います。スラダンの敵役はなんかしょうもないの多かった気もしていましたが(もうぼんやりとしか覚えていませんが)、それでもやっぱり毎年の楽しみでした。
それが、ここに来て再びの映画化!最初にその一報を聞いたときは「え?本当にやるの?またまた噂でしょ」みたいな感じでしたが、原作脚本監督井上雄彦先生という事実が世に出ると、否が応でも期待感は高まっていきました。
ただ、個人的には少し残念なお知らせも。そうです、声優さんの変更です。SNSで炎上もしていましたね。声優さんにはそこまで深く思い入れをしないタイプなんですが、なんだかちょっと寂しさを感じてしまったんですよね。夏休み(によくアニメ見てたからかな)が終わっちゃった感覚というか。それで、観に行くのどうしよう、となっていたんです。
そんな気持ちが払拭されたのは、井上先生のインタビュー記事を読んだときでした。そこにはこんなことが書かれていました。過去の声優さんについてのお話ですね。
井上先生は「あの何年間かのテレビアニメで声優さんたちは、プロフェッショナルとしてキャラクターと向き合い、それぞれのやり方でキャラクターを育ててこられたと思うんですね。もし映画をオファーしていたら、かつて育てたキャラクターを捨ててもらわなくてはいけなかった。それはできないなというのがあって」と明かした。
そうか、そういう意図があったのか。なんだかスッキリ。モヤモヤは吹き飛びました。すると、俄然観たい欲が強まってきました。友人や知り合いの先生方の評判も上々。これはもう行くしかない!
新しい夏休みに会いに行こう。そんなワクワクした気持ちで、僕は映画館へと向かいました。
そして、涙を堪えるのに必死になりながら、大満足で映画を観終えることになるのです。素敵な夏をありがとう、スラムダンク。外はめっちゃ寒い冬だったけど。
物語も音楽も絵も素敵で大興奮でした。これは原作ファンの方にも、初めて観るという方にもオススメですね。観た後、単行本読みながらまた語りあいたいですね。
そんなわけで観ていない方はぜひ映画館で!観たらまた漫画も読みたくなるので、それは覚悟しておきましょう。
以下、ネタバレ感想です。チラッとでも見えないように、写真一つ置いときます。
ネタバレあり感想会
何度も繰り返し読んだ漫画。一つのワードで、すぐに「ああ、そこ!」と記憶を捕まえられる。感情が蘇ってくる。スラムダンクも間違いなくそんな漫画の一つでした。
だからこそ、映画館の大画面に「山王工業」の面々と文字が出てきたときは、鳥肌が立ちました。
「ええええー、なんとなく想像はしてたけど、やっぱりそこやるのー!!!!どうしよう!!!!もう泣きそう(早い)」みたいな感じになってました。
回想として入る宮城リョータの物語も胸にくるもので、後半の手紙のシーンなんてもう涙腺崩壊でしたよね。こりゃ漫画6巻からまた読まねば。
名言連発名シーンてんこ盛りの山王戦だから、映画という限られた尺の中でどこを削るのかとか一瞬気になりましたが、すぐに物語に集中できて「あ、あのシーン抜いた」みたいなのはあんまり気になりませんでした。自然な流れになっていたんですかね。
もちろん魚住さん(観客席には確認)や「大好きです」のシーンがなかったのは残念でしたが、これで魚住さん捕まらずに済みましたもんね。そのシーンがなくても感動はしっかり味わえました。
「諦めたらそこで試合終了ですよ」
「負けたことがあるというのがいつか大きな財産になる」
その二つはやっぱりグッときましたね。沢北選手もよりピックアップされていて、原作の時よりも好きになりました。逆に河田弟は原作読んでない人にとってはどんなキャラクターになるんだろうか。聞いてみたい(笑)
そして、やっぱり一番の感動はこのシーン。
「ドリブルこそチビの生きる道なんだよ」
ここはリョータの物語も相まって、感極まりました。
相手は、強かった。怖かった。でも、「俺たちは強い」と、自分を信じて、仲間を信じて、精一杯の力で立ち向かう。お兄ちゃんの夢だった舞台で、お兄ちゃんの夢でもあった勝利のために走り出す。隙間こじ開けて、突破する。それを見守るお母さん。グッときましたね。
ここまでの物語を今回知ったから、原作読んでその場面でまた泣きそうです。これは井上先生、映画を見た後にまた原作が何倍も面白くなるという粋なことをしてくれました。
そして伝説の「左手は添えるだけ」。しかも最後は無音。言葉になってないのに名言って最高じゃないですか。映画館の誰もが脳内で再生してましたよね。
アメリカでの驚きの再会シーンもビックリでしたがワクワクしました。あちらでもいろんなナンバーワンガードと闘いながら、リョータ旋風を巻き起こしてくれることでしょう。きっと卒業後の話でしょうから、今後湘北メンバーと合流もあり?妄想は膨らみます。
これは、観てよかった。
同時期に開催されているワールドカップからも日々日々刺激と感動をもらっていますが、やっぱりスポーツから共通して得られるメッセージってありますよね。
本気になるって格好いい。諦めないって格好いい。勝つことを目指して本気でやるから、結果勝てなくても素晴らしい。
これは勉強やお仕事でも同じはず。
というわけで、私も深夜に眠いけど諦めずに本気でこの記事を書いています。あれ、これはあんまり格好良くないのはなんでだろう。
冗談はさておき、この熱はこの冬に活かせそうです。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
教育に携わるものとしては、安西監督の声掛けに学ぶこと多い。
ちなみに、教室には井上先生のこの漫画もありますよ。
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