解答用紙を見て、私は愕然としました。
Q、日本語に訳しなさい。
「Can I take a message?」
「マッサージをしてくれませんか」
思わず吹き出してしまい、
書いた張本人に白い目で見られました。
「メッセージだよ」と私がひぃひぃ言いながら呟くと、
彼も一瞬答案に目を通した後、笑い出しました。
中学三年生の彼は、どちらかといえば勉強の出来る子でした。
でも、英語は大の苦手。
たまにこんな風なすごいミスをやらかして、
二人で笑うことがよくありました。
「間違えることは悪いことじゃない。むしろ、チャレンジしたことを誇りに思いなさい」
あんまり優秀じゃなかった私に、
私の母はそう言ってくれました。その言葉は、
講師になった今も、とっても大事で、
日々日々、子どもたちをそんな思いで見守っています。
だからね、本当は笑っちゃいけないんだけど。
私はね、そう言われてもなかなか間違いを怖がるクセが抜けなくて、
少し後悔もあったんだ。もうちょっと勇気を出せばよかったなって。
でも、君は間違いなんてお構い無しに、どんどん足を踏み出していく。
間違ったら、それを繰り返さないように、ちゃんと自分の糧にして、進んでいく。
「勇気あるね」と褒めたら、
「勇気?だって間違っても痛くもかゆくもないもん。悔しいけど」
教える立場なのに、私が教えられたよ。
「先生、この単語なんて読むんだっけ?」
「辞書は調べた?humanね。不満じゃないよ」
「お、よくわかったね。俺の読み方」
今日も彼はチャレンジし続けています。
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