BUMP OF CHICKENの車輪の唄を久々に聞いた話【子どもたちに読んでほしい歌詞】


お休みの間はいつもだいたい旅行に行くんですが、今年はお家でのんびり過ごしました。「のんびり」って響きがいいですよね。なんだか柔らかい感じ。植物のお世話しながら、たまにお仕事しながら、おかげで様々なエンタメや学びに十二分に触れることができました。


その時に感銘を受けたものについて、このブログでもいくつか紹介していこうと思うのですが、その内の一つが音楽でした。今回、懐かしい歌をいろいろ聴きました。Apple Musicさまさまです。


そして、その中で「やっぱりいいなぁ」と思った曲が今回のテーマです。BUMP OF CHICKENさんの「車輪の唄」。これはもう我々世代ならほとんどみんな知っているでしょうという名曲。でも、子どもたちは聞いたことすらないかなと、この記事で取り上げてみることにしました。


ひとまずぜひ聞いてみてください。歌詞も載っけておきます。


車輪の唄

錆び付いた車輪 悲鳴を上げ
僕等の体を運んでいく 明け方の駅へと

ペダルを漕ぐ僕の背中
寄りかかる君から伝わるもの 確かな温もり

線路沿いの上り坂で
「もうちょっと、あと少し」 後ろから楽しそうな声

町はとても静か過ぎて
「世界中に二人だけみたいだね」と小さくこぼした

同時に言葉を失くした 坂を上りきった時
迎えてくれた朝焼けが あまりに綺麗過ぎて

笑っただろう あの時 僕の後ろ側で
振り返る事が出来なかった 僕は泣いてたから

券売機で一番端の
一番高い切符が行く町を 僕はよく知らない

その中でも一番安い
入場券をすぐに使うのに大事にしまった

おととい買った大きな鞄
改札に引っ掛けて通れずに君は僕を見た

目は合わせないで頷いて
頑なに引っ掛かる鞄の紐を僕の手が外した

響くベルが最後を告げる 君だけのドアが開く
何万歩より距離のある一歩 踏み出して君は言う

「約束だよ 必ずいつの日かまた会おう」
応えられず 俯いたまま僕は手を振ったよ

間違いじゃない あの時君は…

線路沿いの下り坂を
風よりも早く飛ばしていく 君に追いつけと
錆び付いた車輪 悲鳴を上げ
精一杯電車と並ぶけれど
ゆっくり離されてく

泣いてただろう あの時ドアの向こう側で
顔見なくてもわかってたよ 声が震えてたから

約束だよ 必ずいつの日かまた会おう
離れていく 君に見えるように大きく手を振ったよ

町は賑わいだしたけれど
世界中に一人だけみたいだなぁと小さくこぼした

錆び付いた車輪 悲鳴を上げ
残された僕を運んでいく微かな温もり


特に、2番の歌詞が好きです。


BUMPらしい、物語調の歌詞ですね。 Kとかダンデライオンとかラフメイカーとかスノースマイルとか(全部ちょっと古いですが)、BUMP OF CHICKENの必殺技といっても過言ではない形式です。


通して読んで、また頭から曲を聴くとグッと来るものがありますよね。恋人同士なのか、親友同士なのか、はたまたと想いを巡らせられる余白もあって素敵です。


歌詞中では表現技法なども活用されていますので、中学生のお勉強にも最適です。ちょっとじっくり見ていきましょう。まずは1番から。


錆び付いた車輪 悲鳴を上げ
僕等の体を運んでいく 明け方の駅へと

ペダルを漕ぐ僕の背中
寄りかかる君から伝わるもの 確かな温もり

線路沿いの上り坂で
「もうちょっと、あと少し」 後ろから楽しそうな声

町はとても静か過ぎて
「世界中に二人だけみたいだね」と小さくこぼした

同時に言葉を失くした 坂を上りきった時
迎えてくれた朝焼けが あまりに綺麗過ぎて

笑っただろう あの時 僕の後ろ側で
振り返る事が出来なかった 僕は泣いてたから


物語は、主人公たちがある理由で明け方駅へと向かうところから始まります。今では二人乗りは禁止されているところが多いですが、時代背景的にご勘弁ください。


そういえば、倒置法とか、体言止めとか、表現技法の中身って覚えていますか?そういえばここは塾ブログですから、簡単に解説だけしておきましょう。


倒置法とは、文中の文節の順序を逆にする手法ですね。私は走った、ではなく、走った私は、とか、おれは海賊王になる、ではなく、海賊王におれはなる、みたいに言葉の順序を変えるってことです。使うことで、文調を整えたり強調したりすることができます。「僕らの体を運んでいく 明け方の駅へと」もそうなってますね。


体言止めとは、名詞で文を終わらせる技法です。効果としては、文章にリズムをつけたり余情や余韻を持たせたりすることができます。この曲中でもたんまり出てきます。


また、「車輪が悲鳴を上げる」という表現には比喩(擬人法)が使われていますね。こういった文章作成のテクニックも意識しながら歌詞を読めると、さらに中身を味わうことができます。まぁ、もちろん知らなくても楽しめますが。


あ、国語の読解練習だと思って、解き方を付け加えるとするなら、もうひとつ知っておきたい知識があります。情景描写というやつですね。情景描写の役割としては、場面や状況を伝えるのと同時に、登場人物の心情を表していることがあります。別れの場面では雨が降る、みたいなやつですね。


「車輪が悲鳴を上げる」、曲中に度々出てくるこの表現に注目して、歌詞を読み進めていきましょう。大好きな2番です。


券売機で一番端の
一番高い切符が行く町を 僕はよく知らない

その中でも一番安い
入場券をすぐに使うのに大事にしまった

おととい買った大きな鞄
改札に引っ掛けて通れずに君は僕を見た

目は合わせないで頷いて
頑なに引っ掛かる鞄の紐を僕の手が外した

響くベルが最後を告げる 君だけのドアが開く
何万歩より距離のある一歩 踏み出して君は言う

「約束だよ 必ずいつの日かまた会おう」
応えられず 俯いたまま僕は手を振ったよ


2番の歌詞の中で、駅へ向かう理由がハッキリしてきました。その表現がまた素敵ですよね。国語的にいえば、対比表現が絶妙で、各々の立場がハッキリする分、こちらの感情が揺さぶられます。


個人的に一番グッとくるポイントは「本当は行かせたくないけど」、頑なに引っ掛かる鞄の紐を僕の手が外すところ。なんともいえない切なさが込み上げてきます。そして、何万歩より距離のある一歩を君が踏み出すのを俯いたまま見送ってしまう僕。


だけど、僕はあることに気付いていました。ラストパート、じっくり読んでいきましょう。


間違いじゃない あの時君は…

線路沿いの下り坂を
風よりも早く飛ばしていく 君に追いつけと

錆び付いた車輪 悲鳴を上げ
精一杯電車と並ぶけれど
ゆっくり離されてく

泣いてただろう あの時ドアの向こう側で
顔見なくてもわかってたよ 声が震えてたから

約束だよ 必ずいつの日かまた会おう
離れていく 君に見えるように大きく手を振ったよ

町は賑わいだしたけれど
世界中に一人だけみたいだなぁと小さくこぼした

錆び付いた車輪 悲鳴を上げ
残された僕を運んでいく微かな温もり


怒涛のラストでした。胸に込み上げてくるものがあったでしょう。僕が大きく振った手を、君はちゃんと見ていたと信じたいですね。お別れはきっと悲しいだけではありません。いつかまた会う日を楽しみに待てますから。


お、そういえばここでも「車輪が悲鳴をあげて」います。まるで主人公の心の声を代弁しているかのようですね。モノいう車輪と、物言わぬ僕。ここでも対比関係がコントラストを強めます。


だからこそのタイトル「車輪の唄」。


どうでしょう、グッとくるもの、見つけられましたか?


本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。

悲しくても、僕らは前へ進んでいく。

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塾という場所が好きです。生徒の成長する姿を見るのが好きです。生徒や保護者と未来の話をするのが好きです。合格や目標を達成して一緒に喜ぶのが好きです。講師と語り合うのが好きです。教材とにらめっこするのも好きです。新しい人と出会うのも好きです。藤沢の街が好きです。ブログも、好きです。

勉強犬

「第二の家」学習アドバイザー。
世界中に「第二の家」=「子どもたちの居場所であり未来を生きる力を育てる場所」を作ろうと画策中。元広告営業犬。学生時代は個別指導塾の講師。大手個別指導塾の教室長(神奈川No,1の教室に!)・エリアマネージャーを経て、2015年ネット上で「第二の家」HOME個別指導塾を開設。2019年藤沢にHOME個別指導塾リアル教室を開校。