「テスト」って、嫌な響きですよね。
あんまり「テストだー!やったー!」という人は見かけないもの。だからこそ、終わったら開放感からそっぽ向かれがちなのがテストでもあります。
でも、それって実はとんでもなく勿体無いんですよ。
本気で受けたテストからだからこそ、わかることがあるんです。自身の成長の大きな糧になるんです。
そんなテストや模試の返却に備えて、「勉強の辞書」に定期テストの分析の仕方を載せています。
どちらも大きな方向性は変わりません。一つずつみていきましょう。
動画「テスト分析クエスト」はこちら。
点数に一喜一憂しすぎない
「テスト」が返ってきて、まず最初の大事なこと。それはテストの点数に注目しすぎないことです。
例えば、「100点満点のテストで得点が60点」。これはいい点数でしょうか、悪い点数でしょうか。ぶっちゃけこれだけの情報じゃわかりませんよね。
「え、あんまり良くないじゃん」と思ったあなた、ではこのテストの平均点が10点だとしたらどうでしょう。ダントツでいいことがわかると思います。まぁ、そんな極端な例はあまりありませんが、「テストの得点」に注目しすぎてしまうと、「テスト」を「テンション上がる材料」や「テンション下がる材料」もしくは「褒める材料」や「怒る材料」として扱いがちになるんですよね。
数字の持つインパクトってすごいですからね。どうしてもそこに目がいって、あれこれコメントしがちになるわけです。で、そこで満足してしまう。
大事なことは他にもあります。というか、他の方が大事です。ですから、一喜一憂程度はいいとして、いつまでも一喜一憂していないこと。行動が変わるぐらい、一喜一憂しすぎないこと。
「テスト」による成長は、返ってきたそこからが始まりです。点数よりも大事なものを、そこから読み取るのです。
さぁ、気合いを入れて。
できていないところを仕分け
「テスト」から読み取る最も大事なことは、「どこがなぜできなかったか」ということです。
格好良く言えば、それがあなたの「課題」。「課題」を解決すれば、成長できるわけですね。
うちの塾では、なかなか自分で分析が難しい子にこんなシートを書いてもらっています。
様々な理由があれど、まずは点数がもらえなかったところに注目。そこにあなたの成長のヒントが隠されています。さぁ、そこに秘められたメッセージを読み解いて、さらにレベルアップしちゃいましょう。
具体的には、間違えたところを2つに分けます。
簡単に言うと「よく見たらできたところ(わかっていたけど間違えたところ)」と「何時間あってもできないできなかったところ(わからなくて間違えたところ)」に分けます。
「何時間あってもできないできなかったところ」は、一言で言うなれば準備不足。次回はちゃんと準備をして臨みましょう。もちろんここを深めることも大切ですが、優先順位は後回しです。
ここでの分析のポイントは、「よく見たらできたところ」にしっかり向き合うことです。よく見たらできたなら、じゃあなぜ間違えてしまったのか。これを考える糸口にすることで、自身の課題に気づくことができます。
「よく見たらできたところ」を見つめ直し、「時間で焦っていた」「前の問題が難しくて心折れていた」「舐めてかかっていた」そんな心的理由から、「途中式を飛ばした」「問題を最後まで読んでいなかった」「○○を勘違いした」など物理的な理由まで、兎に角考え得るありったけの理由を見つけましょう。
時間が足りなかった?焦り?その前の問題で動揺した?形式が変更してビックリした?テスト中、集中できなかった? 自分に「なぜ?なぜ?」と問いかけて、当日のことを思い出しながら課題を炙り出すのです。まぁ、だから分析って忘れちゃわないうちに早めにやった方がいいんですよね。
そこで課題を見つけたら次のステップです。
次にどう活かすかを考える
課題を見つけたら、あとはシンプルです。
それが「どうしたら次の機会には克服できるのか」を考えましょう。
実はこの「考える」という作業にこそ最大の意味があります。ぶっちゃけ分析の方法なんて「これが正解!」なんてものはないのですが、今まで色々やってきてこの方法が一番生徒が「考える」からこそ、僕はこの方法を使っています。
理由を突き詰めて考えたら、対策を考えるのはそんなに難しいことではありません。
例を挙げてみましょう。
時間が足りなかった?焦り?
→ストップウォッチを使った練習を取り入れる。100マス計算などタイムアタック系の演習をする。テスト問題の解き方を身に付ける(わかる問題から先にやる)etc
その前の問題で動揺した?形式が変更してビックリした?
→心の切り替えの練習をする。予期せぬ事は起こると知っておく。難しいと感じた問題はとばす練習をしておく。自信がつくまでみっちり練習してからテストに臨むスケジュール立てetc
テスト中、集中できなかった?
→体調管理。早寝早起き。エネルギーを取る。生活習慣の改善。姿勢の注意。自信がつくまでみっちり練習してからテストに臨むスケジュール立てetc
計算ミス・漢字ミス・問題の読み間違い・うつし間違い(つまり重大なミスたち)
→ (理由の深掘りから対策を見つける)以下の通り。
- ルールの理解はしている?→していなければその単元をもう一度(小学生内容に戻ってもいい)
- 途中式はきれいにきちんと書ける?→書けなければ、書き方の練習(小学生内容に戻ってもいい)
- スペースがなくて混ざった→過去問などで裏面や空いている部分を使う練習
- そもそも間違って覚えてない?→再度チェックテスト
- 目線の移動に慣れていない?→別途解答用紙のある問題でテストして慣れる
- うつし間違い→写経や点描写など目線移動やワーキングメモリの訓練をする
- 読み間違い→国語力の育成
なお、もちろん正解は一つではありません。うちでも実際に、生徒によって「ここまでやろう」とか「さらに具体的に書いてみよう」とか、課題の解決策も「これは途中式よりは暗算を鍛えなきゃかもね」みたいに人によって変わることがほとんどです。
対策に悩んだら、信頼できる大人に相談してみてもいいでしょう。
ただ、最後はやらされるのではなく自分で納得した方法を選ぶこと。あなたの人生ですから、何をするにも何を変えるにも、あなたが選んで行うことです。
また当たり前ですが、改めて大事なことは「課題と解決策は人それぞれ違うということ」です。だからこそ、自分の頭で考えて修正していく必要があります。このプロセスを誰かにやってもらってばかりいると、いつか困りますよ。
そして、成長のコツは「行動」を決めること。「行動」を変えることです。
「意識」とか「気持ち」は目に見えないからわかりづらく、「意識を変える」といっても次回も同じ間違いをやりがちです。変えるなら、目に見える「行動」です。その方が自分もわかりやすいでしょう。
行動ってのはつまり、週の学習スケジュールを変えたり、途中式や問題文の読み方を変えたり、勉強量を変えたり、勉強方法を変えたりってことです。
「課題」を見つけてその対抗策として考え抜いた「行動」だから、あなたの成長の強い味方になってくれるはずです。必ずや課題解決に近づけるでしょう。自分で決めたから、自分育成ゲームみたいにして楽しめると良いですね。
おさらいします。
点数に一喜一憂しすぎず、間違っているところに注目し、解決策を「行動」で決める。あとはやるだけです。
まとめ
目的地へ行くためには、目的地と現在地の把握が重要です。
まずは目的地。あなたが偶然エベレストの頂上に辿り着くことがないように、狙わなければ辿り着けない場所というものがあります。まずは狙うことから始めましょう。
さらに、今自分がどこにいるのかわからなければ、目的地までのより良いルートや手段は考えられません。同じ江ノ島に行くでも、藤沢駅からとアメリカからじゃ道筋も時間も全然違いますよね。行きたい場所があるのなら、闇雲に走るのではなくて、方向を決めて走った方が早く着きます。
その際の心強い味方になるのがテストです。
せっかく精一杯頑張ったテストですから、現在地の把握に活用しましょう。その為の分析です。
考えて考えて考えて、行動する。そして、適宜修正していく。トライアンドエラーというやつです。一生使える考え方ですよ。
参考になれば幸いです。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
行き方がわかれば、足も踏み出しやすくなるよね。
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