『むかしむかしあるところに、死体がありました。』を読みました。
タイトルからして面白さが漂ってきますが、仮にもここは塾ブログ。紹介する本としてこのタイトルはどうかと思ったのですが、よくよく考えたら子どもたちに大人気な名探偵コナンにもガンガン出てきますからね。解禁しました。
なんだか色物チックですが、本屋大賞にもノミネートされる本格ミステリーでもあります。題材とされるのは「桃太郎」「一寸法師」「鶴の恩返し」「浦島太郎」「花咲爺さん」などの名作日本昔話。
慣れない語り口調が、さらに話によって変わったりするのに違和感を感じたこともありましたが、一晩でサクサクと読んでしまいました。面白かった。
みんなが知っている話だから、なんとなく最初から背景が見えるのがいいですね。物語に入っていきやすいですし、パロディ色も漂って単純に楽しいです。
ミステリーの醍醐味って「裏切り」にあると思うんです。この本では、ミステリー自体の裏切りはもちろん、元からある物語への裏切りが使えるので、読み手への衝撃を2倍3倍にすることができるんでしょうね。
ちなみに、カバーは2種類あって、写真に写っている鬼のものが新しいものです(元々はおじいさん)。新しいものには、カバー裏にも一つおまけの話があるようです。いろんな感想を見ると「新カバーお得感はあるけど、おじいさん版でもいいかな」と言う感想も見られました。買うときにはご注意ください。
ネット上では旧カバー版が多い様子。
読みながら思い出したのですが、このブログでも過去に何度か御伽噺を題材に記事を書いているんですよね。例えばこちら。なんのお話かわかるかな。
最後に一つ。
「桃から生まれたってどういうことや!」とか「玉手箱渡すなんてひどい」とか、なんだかんだ言いながら僕らって昔話大好きですよね。
これって、そこに漂う違和感や謎感が関係しているんじゃないでしょうか。ツァイガルニク効果といって「未完了課題は頭に残りやすい」という理論もあるそうですが、御伽噺特有の「え、これよくわかんない。こわい」と言う感覚こそ、もしかしたら何百年も語り継がれてきた僕らの頭に残る秘密なのかもしれません。
まさにミステリー。
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勉強にもきっと役立つ。
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