生徒によく声をかける言葉があります。
「手だけで解こうとするなよ、頭を使って解くんだよ」
もちろん、問題を本当に手だけで解いているわけではないので、あくまでわかりやすくするための意識づけの声かけです。でも、この日々の意識づけが、意外と成果につながっていくのです。
そもそも人間は無意識にどんどん楽をしようとする生き物です。種として生き残っていくためには、それは非常に大切なことです。
例えば、一度できたことや体験したことは感動が薄れますよね。逆に、いつまでも同じことで感動していては、進化や成長が止まってしまいます。朝起きて歯磨きして毎回感動していたら、もうめっちゃパワー使います。1日、生きていくの大変そうです。ただとっても幸せそうですが。
長く生きていくためには、そのパワーを節約していかなければなりません。ですから、僕らは無意識にパワーをなるべく使わないで生きようとします。その方法の一つが、受け取る刺激を減らすということです。
例えば、長い時間勉強しなければならない時、僕らの中の無意識は働き出し、問題から受け取る刺激をなるべく減らそうとします。一つ一つの問題への反応を、作業化させていくんですね。なまじ能力の高い子は、その反応が薄くなった状態でも正解ができます。ただ、頭のパワーをなるべく使わないで解くことに慣れていってしまうと、「凡ミス」と呼ばれる間違いが増え出します。
具体的には、数学の符号間違いや計算間違い、英語の三単現のsや時制ですね。「凡ミス」には必ず意味があります。原因があります。ルールは完璧に理解できていたとしても間違いが減らない場合は、上記の理由が考えられます。簡単に言えば、ちょっとボーッとして解いてるんですよね。
この「頭をあんまり使わない状態」で問題を解くことに慣れてしまうと、本当に頭を使わなくちゃいけないタイミングで、上手にパワーが使えなくなってしまいます。例えばテストの時ですね。
対抗策は簡単です。頭を使って解こうと意識すること。具体的には、問題文を声に出して(もしくは心の中で声に出して)読んでみたり、問題文を読みながらその内容をイメージしたり、もう一人の自分に解説してみたりすることです。
それは確かにパワーがかかって疲れます。でも、意味のある勉強になります。
あとは、「長い時間勉強すればいい」と言う固定観念を捨てることです。長く勉強できる勉強の体力は確かに必要で、それで得られるものは多いのですが、だからと言って何でもかんでも「長い時間勉強すればいい」というわけではありません。いつだって僕らの時間は限られているのですから。
「効果的な勉強」とは何なのか、少し自分の頭で考えてみましょう。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
宿題。
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