先日の記事でゲストの方も話されていましたが、「自分の状態や現在地を具体的に知ること」は勉強においてもお仕事においてもプライベートにおいても、とても大切です。
そして、その「具体的に知る」ために、「数字」というのはすごくわかりやすい使い勝手のいい指標です。「頑張った」ではなくて「10ページ進めた」「8時間勉強した」の方が頑張り具合は伝わりますよね。
それを特に勉強に苦手な生徒に活用できないかと考え、試してみようと思ったのが、この「勉強力」です。
「勉強力」は、1秒勉強できる力を1とします。30分勉強できたら1800。50分勉強できたら3000。1時間なら3600。24時間勉強できる人がいたら86400になります。すべて秒換算。基本的に起きてから寝るまでの間でどれだけの時間、勉強に向き合えるかを表した指標です。
これはもちろん、性格や体力や集中力や生活習慣や環境にも左右されます。同じ人でもタイミングによって変わってくるものです。
また、もちろん勉強力が高ければ勉強ができるというわけではありません。これはあくまでMAXの数値です。MAX量がいくら多くても、使い方を誤れば目標達成はできません。逆にMAX量が低くても、その使い方次第では目標を達成することが可能です。
勉強力という概念を使うことで、言い表しにくかった抽象的なものを言語化できる。格好良く言えばそれが勉強力作成の狙いでした。
それでは、この概念をどんな風に使うかを紹介していきましょう。
勉強力を使ってみた事例
席に座っても開始5〜10分ほどで姿勢が悪くなる生徒がいます。◯◯くんとしましょう。◯◯くんは集中がなかなかできないんですね。彼に言います。
「◯◯はさ、勉強力300ぐらいだな」
彼が「?」みたいな顔してこちらを向くので、さも当たり前かのように続けます。
「勉強力が10000ぐらいないと、学校の授業も回復なしじゃ集中して聞けないってことになるからね。その様子じゃ学校の授業ほとんど聞けてなかったりするでしょう?」
ここでのポイントは、学校の授業を聞けないのは「その子」が原因じゃなくて「勉強力が低いこと」が原因というニュアンスを出すことです。また、勉強力の高低も、これは個性のようなもので、良い悪いというよりは、事実そうであるものという感覚です。
◯◯くんの返事を待って、こう付け加えます。
「そのままがいい?それとも、勉強力上げて、姿勢も良くして、学校の授業もちゃんと聞きたい?」
「うん」と言えば、【勉強力のルール】の説明の始まりです。
勉強力のルール。冒頭の資料の右側の4つです。
勉強力は減り、勉強力はその時のコンディションで変動し、勉強力は鍛えられ、勉強力は使い方が大事なのです。
まずは、どんなときに勉強力が減るかを説明します。勉強力は集中力や体力のようなものですから、何かすれば減っていきます。勉強だけでなく、読書をしていたりスマホを見ていたりしても減ります。これはイメージしやすいですよね。生徒も頷きます。
次に、その勉強力の量はコンディションで変動することを説明します。スポーツに喩えるとわかりやすいですね。ここで、その生徒の生活習慣を確認すると、生活の乱れが発見できました。スケジュール表を作って改善していこうということになります。
次は、勉強力の鍛え方です。背筋を伸ばしたり、整理整頓をしたりといったすぐできるものから、目的を持つことや限界に近い体験をすること、成功体験を積むことなど長期的なものまで説明をします。これらをすると筋トレのような要領で少しずつ少しずつ勉強力は鍛えられるのです。とりあえず、毎回限界まで姿勢をよくしてみることに落ち着きます。
最後は、勉強力の使い方です。彼は勉強する机の周りに漫画やスマホを置いてやっているとか。これでもかと言うぐらい誘惑と戦って勉強力を無駄に消費していたのです。また、現在の提出物も宿題も把握ができておらず、何をやったらいいかわかっていない状態でした。それでは「何をやるか考える」のに勉強力を消費してしまいます。一緒にリストを作りました。
勉強力を鍛えながら、勉強力の消費を抑える工夫をする。
その作戦を共有し、【勉強力活用大作戦】のスタートです!
◯◯くんも、その授業中は頑張って背筋を伸ばしておりました。偉いね。
まとめ
前述の通り、ここでのポイントは「抽象的なものを具体的にする」ということです。
「頑張っていない」を数値にしてみる。もともと頑張れないのか、それとも頑張り方が下手なのか。詰めていくと、「実はこんなところに理由があった!」という課題が見つかるかもしれません。
「成績が上がらない」も同様に、具体的な課題にフォーカスしていきましょう。量の問題なのか、その量ができない理由に問題があるのか、突き詰めていけば答えはかならず見つかるはずです。
勉強力はその考えるきっかけを与えます。
そこで課題が見つかれば、解決策や打ち手がとりやすくなります。
もちろん人それぞれでまったく異なる課題を持っていますが、大事なことは、答えは各々の中にあるということです。それを見つけるためのヒントをくれるのが、勉強力。
活用事例を集めます。
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