最近絵画の本にハマっています。神奈川県の入試問題にも使われた原田マハさんのアート小説や、前回の記事のような本を読み漁っております。なんだか知識がつながっていく楽しみを感じています。
この「絵を見る技術」という本はその名の通り、どうやって絵を見るかについて説明した本です。僕なんかも知識がなかったもんで、折角イタリアに行って色んな絵を見たのに「すげー」とかしか言えなかったんですよね。反省。
そんな状況を克服しようと、この本を買ってみました。
「君は見ているけど観察していないんだ、ワトソン君」
僕も大好きなシャーロックホームズの名言から入る本の出だしで、僕の心も持っていかれました。確かに、見ているだけで、読めていない、観察できていないんだよなぁ。
シャーロックホームズは「君は見ているけど、観察していないんだ」とワトソンに言ったけど、僕も昨日「君は見ているけど、読んでないんだ」と生徒に言った。ホームつながりだし、なんだか親近感。
— 勉強犬🐶第二の家 (@homekobetsu) October 17, 2020
序章の言葉が次々と胸に刺さります。「センス」とは知って経験することで磨かれる。これって勉強でも同じですよね。
序章にてだいぶ「絵の見方」を学ぶ納得感を得たところで、物語は始まっていきます。まずは絵の中の主役「フォーカルポイント」の探し方から。その後、絵を見る経路や、バランスの読み取り方や、色についての講義が行われて、最後に総合問題が待っているという構成です。これは、一気に読むより、予習復習をきちんとして、情報を消化しながら読むのがいいですね。
詳しくはぜひ中身を読んで欲しいのですが、カラーで出てくる多くの素敵な名画にまず見入ってしまいます。それに解説がつくから、より学びが深まります。美術ってやっぱり歴史と大きく絡むんですよね。なぜそうしなければならなかったのか、などの秘められたストーリーが、絵をより輝かせてくれると感じました。もちろん、「なぜそう書いたのか」というテクニック論も面白い。
例えば興味深かったのは、色の歴史。青色を作るための「ウルトラマリン」って昔は希少品で高級品だったのだとか。だから画家たちは工夫してその青を使ったり使わなかったり。その辺りの奮闘ぶりが面白いです。そして、それを惜しげもなく使ったフェルメール。そこであの『真珠の耳飾りの少女』の絵が出てくるから鳥肌立ちました。
巨匠がなぜ巨匠なのか、この本を読んで少し理解ができました。ルネサンスの天才たちの画法の違いやそこから垣間見える性格なんかのお話も興味深かったです。ラファエロの『アテネの学堂』に隠されたピタゴラスのメッセージ、なんて、このタイトルだけでなんだかちょっとワクワクしてきませんか?
ワクワクしちゃった方はぜひ読んでみてください。もっとワクワクできます。保証します。
知識はつながって、広がって、新しいものになっていく。
絵画という語り継がれていくものから、また新しい学びのヒントをもらえた気がします。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
絵の本、増えていきそう。
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