前回は、小説文の感情の読み取り方について学びましたね。満点取れましたでしょうか。
今回は説明文の読み取り方についてです。まずはおさらい。ここで言う国語力の定義を確認しておきましょう。
国語力=相手の求めるものを返す力
例を出すとすれば、お母さんから「何食べたい?」と訊かれた時に「筆箱!」と答えるのが国語力のない会話で、「(冷蔵庫にパスタが残っているのを知りながら)お母さんが作るペペロンチーノ美味しいから食べたい」と答えるのが国語力のある会話でしたね。もちろん日常ではそんなに国語力を発揮しなくてもいいわけですが。
そんな国語力は、文字数の多い神奈川県公立高校入試を解く上でも必須の力です。今のうちから活字に慣れ、色んな人やモノとコミュニケーションを取り、多くの体験をしながら国語力を育てていきましょう。
それでは、今回は、詠愛芭和賀琉(よめばわかる)先生の『びっくり仰天!世界一の勉強法』と言う本を使って国語力トレーニングしていきましょう。指示語と接続詞の問題です。
説明文読解練習
そもそも勉強とはどういうものだろうか。辞書でその言葉をひけば、「新しい知識やスキルを獲得すること」とある。そうなると、日々の時間の使い方の中で、実際は「ほとんど勉強していない」という子が多いのではないだろうか。
その理由は、勉強のように見えるけれど勉強ではない勉強風の行動にある。●●、答えを写す、教科書を見ながら解く、丸付けをして間違った答えの横に正しい答えを赤で書くなどがそれにあたる。たしかに、こういった行動も傍目から見れば勉強のように見えるだろう。しかし、実際にはその行動の中で新しい知識やスキルを得ることはほとんどない。つまり、勉強ではないのである。私はこれをエア勉強と呼んでいる。
エア勉強にハマると、その先には地獄が待つ。●●、エア勉強はやってもやっても成長せず、結果が出ないからだ。つまり、本人は頑張っていると思いながら、大いなる時間のムダ遣いをしているわけである。そして、実際は勉強していないから当たり前のことなのに、結果が出ないと「自分って勉強できないんだ」と思い込む。このことが非常に厄介だ。自信や自己肯定感が低くなると、人はチャレンジができなくなる。成長の機会が奪われる。その間も学校の勉強は難しくなるから、あっという間に追いつけなくなり、本格的に勉強をしなくなる。先生が宇宙語で話し出し、授業中はただただ静かにぼーっとするタイムに変わる。そんな時間が毎日毎日何年も続く。
では、この地獄を抜け出すにはどうしたら良いのだろう。答えは簡単だ。それは、正しい勉強をすることだ。勉強とは「新しいスキルや知識を獲得すること」であるから、これらが手に入るものが正しい勉強法ということである。
そこで重要になってくるのがアウトプットだ。アウトプットとは、自分の中にあるものを外に出すということである。手に入れたい知識やスキルがあったら、まずはそれが自分の中にあるかどうか確認してみよう。テスト、●●、アウトプットしてみるのである。
アウトプットして、その知識やスキルが自分の中にあることが確認できたら、そこに勉強の種はない。勉強がしたいなら、うまくアウトプットできなかった部分に注目しよう。そこで見つけた間違いを、自力でできるようにすることを、人は勉強と呼ぶのだ。間違いに水をやり、花を咲かせよう。
聡明な読者の方であればもうお気付きだろうが、ここにもエア勉強からの刺客が紛れ込んでいる。アウトプットをしたものを丸付けして間違いを見つけるまでは勉強ではなく、ただのチェック作業にすぎない。そこで(もしくは丸付けすらせずに)満足してしまっている者は、すでにエア勉強の世界に足を突っ込んでしまっている。非常に危険である。
成長に必要なものは、負荷だ。勉強も筋トレと同じである。新しい力を得るには、負荷をかけるしかない。間違えた問題を自力でできるようにするには、覚えることも考えることも沢山あるだろう。正直大変な道のりだ。●●、その負荷を乗り越えた先に、成長は待っているのだ。
時折、この負荷を嫌がったり、間違えることを恐れたりして、わかっていながらエア勉強を続ける者がいる。これを正すのは至難の業である。●●、自ら望んでそうしているからだ。注意されて一時は変わることができるが、またすぐにエア勉強に戻る。勉強って大切だよ、間違いは怖いものではなくて味方だよ、成長のための宝物だよ、ということを伝え続けて、本人の価値観の変容を待つかしかない。
よしんば「変わりたい」と思ったとしても、今まで負荷をかけてこなかった者が、いきなり自分に大きな負荷をかけることは難しい。小さな負荷をかけながら、成功体験を増やし、勉強の体力と心の力も同時に伸ばしていかなければならない。長い道のりである。時間もかかる。ただ、勉強できるようになりたいならやるしかない。焦らず「やったらできた」を集めていこう。そのうち段々と強めの負荷をかけられるようになる。
本気で解く。丸付けをする。間違いに注目し、解説を読んだり人に聞いたりして理解し、もう一度挑戦する。できるようになるまで繰り返す。これが世界一の勉強法である。こんなに当たり前のことなのかとびっくり仰天したことだろう。無論、勉強法が重要なのではなくて、実際にやることが重要なのは言うまでもない。が、一応ここに記しておく。世界一の勉強法は、「君がやる」ことで完成するのだ。
印刷をしたいという方は、説明と問題PDFを「勉強犬の部屋」でも公開しますのでご活用ください。
解説と解答例
一つずつ流れを追って、説明文の読解の仕方を学んでいきましょう。
やること1 段落つけながら文章構成の確認
まずは段落を振りながら、文章の構成を確かめましょう。全体を見渡した後、ヒントを使って文章を読解していきます。ここからが面白いところです。
やること2 ヒントを使って読み解く1(指示語への代入)
指示語(これ、ここ、それetc)が何を指しているか探して代入しながら読んでいくと文章の把握がしやすいです。指示語+名詞の場合は同じ名詞を探すと良いですね。
やること3 ヒントを使って読み解く2(接続詞の活用)
ここでいくつかの接続詞の確認をしておきましょう。
- 順接(同じ価値観で文がつながる。原因→結果になる)…だから、すると、したがって
- 逆接(前後が反対の内容になっている)…しかし、だが、けれども、ところが
- 理由(事柄→理由になる)…なぜなら
- 具体化(事柄→事例になる)…たとえば
- 抽象化(言い換えや要約が行われる)…つまり、すなわち
- 追加(同等な内容を並べるもしくは加える)…および、並びに、しかも、また、さらに
- 対比選択(比較や選択が行われている)…あるいは、または
- 転換(話題や観点が変わっている)…ところで、さて
やること4 ヒントを使って読み解く3(その他のヒント)
ヒントはまだまだあります。
- 同じ内容の具体・抽象の言い換えなどに注意。大切な言葉は繰り返します。
- 対比の関係に注意(強調するときなどに使う)
- ナンバリング(第一に、第二に)や、まず→そして→さらに→最後に、等に注目。
- 文末の表現に注目(文末の述語にヒントがある)→思う、考える、違いないなど。
やること5 不明な語句や言い回しは解き終わった後必ず調べる
読んで解き終わったら、必ず不明な語句などを調べて終わりにしましょう。語彙は、頭の中に語彙ネットを作ります。そのネットが細かい網目かつ太ければ太いほど色んな情報が引っ掛かるようになりますね。つまり、語彙を増やせば増やすほど成長スピードが加速します。
国語力はすぐには上がりません。長年の積み重ねが大切です。コツコツコツコツ、一生使える国語力を日々日々磨いていきましょう。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
では最後に問題の解答例を載せておきます。
①「ほとんど勉強していない」という子が多い
②勉強のように見えるけれど勉強ではない勉強風の行動
③ぼーっとするタイム
④答え
⑤新しいスキルや知識
⑥チェック作業
⑦本気で解く。丸付けをする。間違いに注目し、解説を読んだり人に聞いたりして理解し、もう一度挑戦する。できるようになるまで繰り返す
⑧びっくり仰天!世界一の勉強法
Aたとえば
Bなぜなら
Cつまり
Dしかし
Eなぜなら
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