今年、受験が終わって高校生になってからも塾へ通っている生徒のKくんが、
「先生、俺たちの時の問題って簡単だったの?」と気になる様子だったので、
以前にも載せましたが、再度、公立高校入試問題のまとめです。
今年頑張る新受験生たちは、これから夏期講習というこのタイミングで、
しっかりと相手の情報を頭に入れておきましょう。
ちなみに受験問題は、こちら。
まずは学力検査の平均点を見てみましょうか。
一つ前の2016年度(平成28年度)の各科目の平均点は、
英語 43.0
国語 64.7
数学 51.7
理科 46.5
社会 52.0
対して、2017年度(平成29年度)の平均点は、
英語 51.9
国語 73.1
数学 63.5
理科 46.9
社会 54.5
です。
各科目の平均点が上がっており、
「やっぱり簡単だったのか!」とKくんは(なぜか)悔しそうでしたが、
2017年度はマークシート導入の年でもあり、
(マークシートだと例えば勘で正解する確率も高まる)
一概に問題自体が簡単になったとはもちろん言えません。
ただ、実感値としては、
やっぱり「問題自体も簡単になった」という感想を持たれている先生が多いようですね。
私も同感です。
次に点数分布を見てみましょう。
各科目ちゃんと100点が居ます!
(一つ前の2016年度は理科は100点が0人でした)
他にも、2016年度と比べると、
国語の得点上部の割合がとっても高かったり、
数学のグラフが上へ上へずれた形になっていたりと、
マークシート含め「点数が取りやすい学力入試」の傾向が一目瞭然です。
マークシート初年度ということで手加減したのでしょうか。
「じゃあ今年はめっちゃ難しくなるかな」
そう言ってKくんがにやりと笑います。
隣にいた部活の後輩(現中3)のMくんやCくんが「勘弁してよ~」と苦笑い。
大丈夫、きちんと準備をすればきっちり合格を勝ち取れるはずです。
各科目ごとの正答率もデータがあります。
この辺りになってくるとKくんだけでなく、後輩たちも興味津々です。
まずは英語から。
一つ前の2016年度と同様、
リスニングの英作問題が正答率が最も低めになっています(正答率4.5%)。
単語で言えば(thirsty)が正答率30%。
そして問5、問6の英作文がやっぱり正答率低めになっていますね。
しかし逆に、正答率60%以上の問題をきちんと正解すると37点、
正答率50%以上の問題をきちんと正解すると60点を取ることが出来ます。
難易度が高い問題に振り回されず、出来る問題を確実に獲りに行きましょう。
特に正答率がそこまで低くなく配点の大きい長文問題はチャンスの宝庫です。
続いて、国語です。
「頒布だけ間違えた」
そうです、Kくんの国語の間違えは漢字だけでした。
正答率を見ても軒並み高めですね。
次回の入試に向けて色々調整が入りそうです。
国語の難易度を上げるってことは、
記述はもちろん、みんなが苦手な敬語ではない文法を多めにしたりするのかな。
単純に問題文の読みづらさを上げたり、
他教科の知識も必要とした問題文読解問題なども考えられますね。
とにかく、日本一文字数が多いといわれる神奈川の入試問題に相対する上で、
最も重要な力は「国語力」といっても過言ではありません。
高得点が狙えるよう、他の科目にも活かせるよう、
本物の国語力を高める練習を遅くともこの夏から始めていきましょう。
漢字もね。
そして数学!
正答率が最も低い問題が問2のエ(8.6%)。
確かに比合わせが必要な高レベルな問題ですが、
最後の証明問題(正答率11.8%)よりも正答率が低いのは驚きです。
この問題、昔の過去問によく出てたんですよね。Kくんも出来てました。
正答率が低かったのは、問2・問3の形式が変わって面食らったのも関係あるのかもしれません。
形式が変わったとはいえ、
数学の必勝パターンは昨年までと同様、
計算や各大問の(ア)など「できる問題」をきちっと解くこと。
正答率高めの問題たちをどう落とさないかが重要です。
最後に、理・社!
「実施結果の概要」欄には似たようなことが書かれています。
基本的な知識を問う問題の正答率は高かったが、
知識を活用する問題の正答率は低かった。
この「知識を活用」というのが今後の入試問題の大きなテーマになりそうです。
そう、センター試験もその方向に変化するんでしたよね。
ただ「知識」を持っているだけでなくて、
大切なのはそれを「どう使うか」です。
「薩長同盟や大政奉還の成立に尽力した有名な土佐藩士の名前は?」に、
「坂本龍馬」と答えるのはもちろん、
「では、坂本龍馬が居なかったらどうなっていたか?」というような問いにも、
しっかり自分の考えを答えられるように学びを深めていきましょう。
ただ、科目横断型の問題やトリッキーな出題が今後増えても、
まず最初に大事なことは大きくは変わりません。
知識を使うには、まず知識が入っていなければ。
「使う・考える」ことに必要なアイテムを、
まずはこの夏、頭の中に工夫してなるべく入れておきましょう。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
最後に、過去問を見ながら、
各々の志望校に行くにはどんな問題を解けばいいかについて話していると、
「戦術を考えてるみたいでワクワクだな」と後輩の二人。
その気持ち、大事にしよう。どうせやるなら楽しめたら最高だしね。
さぁ、熱い夏にしよう。
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