先日アップしたこちらの記事でも予告しましたね。
今回の大好きな過去問シリーズでは、2022年度最高難易度を誇った数学の図形問題をピックアップしたいと思います。
その正答率は驚異の0.7%。100人いても一人も正解できない可能性があるということですね。もちろん本番は限られた時間内での勝負でしたから、じっくり時間をかければ正解へ辿り着く子も増えるとは思いますが、それにしても難問でした。
早速問題の方見ていきましょう。
2022年度数学 問3(エ) 円からの刺客
以上が問題です。割とシンプルですよね。
こういった図形問題に取り組む際、重要なのは「わかっている情報を書き込むこと」です。それを愚直に実施しながら、考え方の糸口を探していきましょう。
今回は、ある生徒をモデルにした「てるてる坊主くん」を登場させて、この問題にどうやって取り組めばいいのかを考えていきたいと思います。楽しんでいただければ幸いです。
早速最初のページを開いてみましょう。
てるてるくん、まずわかっていることを書き込んでいますね。その上でどこから攻めるか考えていくわけですが、こういうのって基本的には数打ちゃ当たれです。
解法がパッと思いつくことを人は「数学のセンスがある」なんて言いますが、そのセンスは解いた問題の量によって磨かれます。まずは様々な問題で色々なアプローチを試して、自分なりの糸口の見つけ方を磨いていくわけですね。そして、問題演習量が増えれば自然にスピードもついていきます。
だから、最初は全然解法が見つからなかったり、遠回りしていたりしても、安心してください。そんな風なことを繰り返しながら、少しずつセンスは磨かれていくんですよ。
なお、今回は謎の先生たちがヒントを出してくれていますが、こんな風に自分の中に先生役と生徒役を作って説明しながら解いてみるというのもセンスを磨く良い練習方法かもしれません。
続きを見てみましょう。
わかることをコツコツ増やしていますね。
あ、例えば問題へメモする際のコツとして、リアルな長さは数字、比は丸をつけた数字、など自分ルールで見やすさやわかりやすさを保てるといいです。この辺りも問題を解きながら色々試してみましょう。
それにしてもこの問題、すでにここまでで、円周角の定理、相似、三平方の定理…図形単元の知識総動員といった印象です。さすが難問。続きが気になりますね。
おお、これでお目当ての三角形の底辺と高さがわかりました。核心に近づいている感があります。俄然盛り上がってまいりました。
それにしても直角三角形って使い勝手いいですよね。直角万歳!90°大好き!
さぁ、謎の告白が終わったところで、仕上げです。
最後に、高さが同じ三角形の面積比は底辺の比と同じになるという性質を使って、フィニッシュです。
もちろん解法はこれ以外にもありますから、ぜひ違う道を見つけることも楽しんでみてください。答えを出すだけではなくて、道中楽しむのも数学の醍醐味です。
そして、どうでしょう。正答率0.7%の問題でも、ここまで見てみると「なるほど、わかった!」となる方も多いのではないでしょうか。
そうなんです。でも、それが落とし穴です。
数学はおそらく5教科の中でも、「わかる」と「できる」の乖離が激しい科目です。「わかった」となったからって、すぐに「できる」とは限りません。ですから、「わかった」となったら、そこで終わりにせず、自分で解いてみるという時間が必要不可欠なんですね。
どんな問題でも素敵な説明を聞いて「理解できた!」と思ったら、そこから「自力でできること」にこだわって練習を重ねてみてください。そして、自力でできるようになったら、今度は「限られた時間の中でできること」を目指して練習していけばいいのです。そうやって焦らずコツコツ経験値を貯めてレベルアップしていきましょう。
それにゲームと違って、数学は間違っても(失敗しても)経験値が貯まっていきますからいいですね。
この一問の中から、数学の楽しさや面白さや難しさを感じていただければ幸いです。
絵が下手なのはどうかご勘弁ください。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
円だけに、丸くおさまったという事で。
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