教室の片隅にかかっている古い時計が、
今日もその時が来たことを私たちに告げると、
「気を付け、よろしくお願いします」の号令とともに、
私達は、みんなの頑張る姿に出会える。授業が始まるのだ。
朝一から既にハイテンションの子もいれば、
まだ半分寝ぼけているんじゃないかという子もいる。
受験生たちは必死に問題を解く。それにつられるようにして、
教室の空気がピンと張り詰めていく。そこで、私は毎年気付かされるのだ。
生徒はもちろん、講師も含め、
頑張っていない人が居ない空間が、こんなにも心地がいいとは。
一秒一秒を大切にするということが、こんなにも素晴らしいことだとは。
そこで励む人の鼓動は、まるで静かに強く燃える炎のように、
隣となりへと広がって、そこから生まれる風が各々の心の鐘を打ち鳴らす。
「まだいける!」「もっともっといける!」「ここを越えていこう!」
その力強い鐘の音に従って、彼らは高みへと歩を進める。威風堂々と、壁に立ち向かっていく。
誰かの内にあった最初はちっぽけだった灯りは、いつしか大きな光となって、
暗い闇々を消し去り、各々の行くべき新しい道を煌々と照らす。
いつの日かそこへ辿り着いたら、誰もが決まって満面の笑みを浮かべるんだ。
私は、そんな彼らのやりきった笑顔を見るのが大好きだ。
頑張ることって、大変だし面倒臭いし疲れるけれど、
まずはその事自体がとっても素敵なことなんだって、自分がちゃんとわかってなくちゃね。
いつかそれがどこかで何かしら実を結ぶこともあるし、
そうならないことだってもちろんあるけれど、
頑張った事実は、その時間は、君の人生を輝かせる尊い財産になる。
だから、今日も頑張った自分に「グッジョブ」と声をかけて、
明日も頑張る活力にしよう。明日も頑張ってみよう。
明日もさ、いい一日にしよう。
そして、私はふとイメージを膨らませてみる。
世界中にあるだろう、こんな教室のことを。
頑張っている人がいるそんな場所へ、想いを巡らせてみるのだ。
机に向かう子どもたち。
一生懸命になる大人たち。
何かに打ち込む人。集中する人。
お仕事や家事で右往左往するお父さん、お母さん。
名も知らぬ頑張っているみんなのこと。
なんだかとっても、いいじゃないか。
そしたら、私だってもう少し、いや、まだまだ頑張れる気がするから不思議だ。
一人じゃないって、きっとこんな風に使うんだ。
だから、君の火が消えそうになったら、いつでも言ってね。
無理しない程度にくべるからさ。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
「頑張る」ってさ、滅茶苦茶いい響きだね。
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