「この本が厚いのにはワケがある」
そんな帯の文面に引かれて、軽い気持ちで読み進めると、
これが、とんでもない本でした。
▼メモが足りないくらいの発見と驚き。
とても一回じゃ書ききれないので、今後もちょくちょく紹介すると思いますが、
とにかく第一回目の紹介を始めましょう。
残酷すぎる成功法則 byエリック・バーカー
今年、最も多くの衝撃と学びを得た本と言っても過言ではない。
そして、最も笑い、最も感動し、最も人に紹介した本だ。
『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』は、そんな革命的な本である。
この本の著者のエリック・バーカーは、
アメリカの大人気ブロガー。
その正体は、ハリウッドの脚本家で、
あの任天堂の「Wii」のマーケティングにも助力した一流のビジネスマンだという。
この本の魅力は、
各々の成功法則に証拠(エビデンス)が示されていること。
例えば、『億万長者になるには』と言う項では、
「高校の首席は億万長者になれない」等の論が、実例や証拠付きで示されていく。
そして、その事例の示され方が物語としてもすごく面白い。
『天才の正体』の項の主役は、
「あなたは上体が長すぎるし、足が短すぎるうえ、両手両足も大きすぎて、腕がひょろ長いですね」と言われる男。
彼はうまく踊れないし、走るのも苦手。
でも、水中では飛び抜けた才覚を発揮して、オリンピック史上最多のメダルを獲得した。
男の名は、マイケル・フェルプスといった。
そんな事例がいくつも紹介され、「天才とは、多くの欠点がある人のことだ」を証明してくれる。
欠点があるからこそ、その人は自らの時間の使い道を絞り、更に高みへと昇りやすくなるのだと。
時には海賊やマフィアがロールモデルとなり、
私たちがどうすれば成功できるかを示してくれる。
第二次世界大戦のレーダーの開発秘話が現代のネットワークの結びつきへの忠告になることもあれば、
スーパーマリオが世界で最も過酷と言われる訓練を乗り越えるヒントになったりもする。
『いい人と悪い人、どっちが得をする』の項では、
見事に私の常識が打ち砕かれた。
だけど、心の何処かで「やっぱりな」という想いもあった。
著者の決してどちらの視点に寄ることもない語り口が、
余計に事実を事実として受け入れやすくさせてくれる。
それにとっても読みやすい。中学生でも余裕でいけるかもしれない。
ここに書いてあるのは「知らなくても損はしない」知識ではない。
「知らないと損をする知識」だ。
紹介したいエピソードがいくつも載っているが(特に好きなのはパンダとレーダー戦争とチェスのチャンピオンの話)、
単に知識を得るだけでなく、大いに楽しめるのもこの本の特徴だ。
腹筋が鍛えられることも覚悟をしておいたほうがいい。
そして、読んだあなたは、
今より少しだけ饒舌になるだろう。
誰かに話したいお話をいっぱい抱えて、
あなたはきっとうんと陽気になるはずだ。
タイトルには「残酷すぎる」とあるが、
それは決して冷酷だとかむごいとかということではない。
感情が入っていないから、むしろどこか小気味良いテンポで読めて、
多彩な物語の数々に心躍ることもしばしばだ。
そして、なぜかとっても温かい。心はあんまりこもっていないのに、ハートフルだ。
身を任せて堪能して欲しい。
また、正直、帯に書いてある例よりも興味深い内容が沢山あった。
ビジネスマンはもちろん、教育者やお父さんお母さんにも読んでほしいな。
あ、生徒自身にもいいと思います。
興味あれば本屋でペラペラめくってみましょう。すぐ引き込まれますよ。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
今年、これを超える本には出会えるだろうか。
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