「もしこの紙を無制限に折りたたむことができたとしたら、何回折れば月に届くでしょうか?」
これはオックスフォード大学の面接官が出した質問の一つ。この本ではそんな質問に対する解答例がまとめられている。
「ここから月までの距離は約40万キロ。厚さ0.1ミリの紙を折っていくのであれば43回前後」
ちなみに太陽までは51回ぐらい折ることが必要らしい。
ただ、この本の面白いところは、こういった知識問題への解答ではない。答えのない問いにこそ、この本の真髄が秘められている。
「あなたならリンゴをどう説明しますか?」
「カタツムリには意識はあるのでしょうか?」
「人はいつ死んだことになりますか?」
こういった質問への解答は(論理的で軽妙かつざっくばらんな)著者の回答をぜひ楽しんで欲しい。読んでいるうちに「自分ならどうしようか」と自然に頭が回転し始めるはずだ。
世界トップ10に入る両校の入試問題には、難問奇問が並ぶ。でも、読んでいて思ったのは、世の中にはそんな疑問質問が常に溢れているということだ。
私たちは、考えなければならない。時には真面目に、時には楽しむために、時にはユーモアをたくさん抱えながら、そして時にはぶつかりながら。考える材料はスマホ一つでいとも簡単に手に入るのだから。
そんな「日常や人生に溢れる問題」に対して、思考・判断・表現する練習をするには、この本の中に並んでいる質問はきっと最適だ。そこで育てられるのは、昨今話題の教育改革で求められる力、活用力と呼ばれるものでもある。
まして、本の中の問題は「入試」の問題。そこには答える相手が居る。そんな場では「相手の求める答えを返す」という国語力も役に立つ。世の質問よりも、考える材料が一つ多いわけだ。例えば同じ質問でも、医学部の教授が相手と、哲学科の教授が相手の場合では、きっと答えたほうがいい内容も変わってくるだろう。
現代に生きる我々が直面する問題は、きっともっと難しい。誰が問いているのかも、誰に答えればいいのかもわからない。でも、きっと誰かがそれをしなければならない。
世界中の人がHAPPYになるにはどうしたらいい?幸せって何?争いを止める手段はある?愛する人を笑顔にしたかったら何をすればいい?
この本の中にも、こんな質問があった。最後に、私なりの回答を載せて終わりにしたいと思う。
「歴史は、次の戦争をとめ得るでしょうか?」
それはとても難しいことだと思うけれど、いつか僕達たちが自信を持って「YES!」と言える日を心から願っている。そのために、まずは学ぶことだ。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
考えることは、すればするほど、できるようになる。面白い本でした!
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