通知表は先生からのメッセージ!成績や評定、観点の見方を改めて確認しよう


「終業式の日に持って帰ってくるものがありますね。さて、何でしょう」


お調子者の生徒にそう確認すると、「上履き」という答えが返ってきました。


ええ、それもそうです。でも、望んでいた答えはもちろん違います。


通知表です。


通知表はね、学校の先生からあなた宛の大切なメッセージ。本日はそんな通知表に隠されたメッセージの読み解き方がテーマです。予備知識満載で参りましょう。



通知表の役割



通知表とは、子どもたちの学校での様子や頑張りを伝えるものです。


その様式や内容の表記方法については、学校や先生ごとで変わってきます。通知表を出さない学校もありますしね。以下で説明するのはあくまで一般的なものとご理解ください。


通知表には、各教科の評価や観点だけでなく、生活の記録なども表記されます。本日は、今後の勉強に役立つ評価や観点に注目してみましょう。



成績・評定のつけ方



ゆとり教育が2002年に導入される前は、通知表の評価は相対評価でした。5段階評価で5の生徒が7%、4の生徒が24%などと決まっていたのですね。


それが今は絶対評価。5が同じ学校に何人居てもいいのです。学校内でのチェックは入りますし、いくつか所定の成績カッティングシートはあるようですが、基本的には各先生の裁量となっています。


では、その5段階の評定は何を基準につけられるのでしょう。その評定の基となり、だからこそ生徒や保護者の方にも注目してほしいポイントが「観点」です。


観点」とは大まかに分けて「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」の4ポイントのことで、各科目によって細かい内容の変更があります。


例えば、国語は「関心・意欲・態度」「話す・聞く能力」「書く能力」「読む能力」「知識・理解・技能」ですし、英語は「関心・意欲・態度」「表現の能力」「理解の能力」「知識・理解」だったりします。


この「観点」が5段階(A○、A、B、C○、C)で評価され、それをポイント(A○が5点、Aが4点、Bが3点、C○が2点、Cが1点。4点〜0点の場合もある)で計算し、18点以上が5などという風に評定を決めていきます。


具体的には、ポイント合計が20〜18は5、17〜14は4、13〜11は3、10〜8は2、7〜4は1ということです。国語の場合は5項目になりますので、25〜22が5,21〜18が4、17〜13が3、12〜9が2、8〜5が1となります。


ね、「観点」、重要ですよね。


各「観点」の基本的な考え方はこうです。


授業態度や提出物・普段の発言などが評価されるのが「関心・意欲・態度」。

理由や考え方の説明や調べ学習の内容が評価されるのが「思考・判断」。

ノートまとめや資料の読み取りが評価されるのが「技能・表現」。

小テストやテストの暗記問題が評価されるのが「知識・理解」になります。


定期テストの点数もこの「観点」別にしている先生が今は非常に多いですね。その配分は先生が個人ごとに決めていいことになっています。そうです、ここがポイントです。



成績は、先生が決める



「評価は他人の目が決める」と名将野村克也氏は言いました(知らなくても大丈夫)。


しかし、そのお言葉は至ってその通りです。あなたの学校での評価は、学校の先生が決めます。いくら文句を言った所でそれが覆ることはありません。ま、疑問があればきちんと説明をしてくれるので、文句が出ることはそうそうないとは思いますが。


ここで重要なのは、大事だからもう一度言いますね、あなたの評定や観点の評価は先生が決めるということです。前述の通り、各先生によって評価のつけ方は異なるため、学校や先生ごとで評定に偏りが出たりもします。


余談ですし、ちょっと古いデータですが、気になる事実をご紹介しましょう。24年度の神奈川県内の各中学校の学習評価のデータです。いくつかデータがありますが、これは学年末のものです。


ちょっと見辛いですね。ただ、見ていただくと、各中学校ひいては各先生において成績のつけ方というのは変わってくるということがわかります。一目瞭然です。気になる方は県教委のHPから参照できます。最近はこの調査やってないみたいです。



だから、先生に合わせることが大事



回りくどくなりましたが、成績は先生がつけること、そしてそこにはある程度の自由度があることをご理解いただけましたでしょうか。


じゃあ次は「先生はどんな目線で成績をつけるのだろう」、「どうやったら成績が上がるだろう」が気になりますよね。そのヒントになるのが通知表です。


先生たちは生徒のあなた達がどうやったら次のステージに行けるのかをいつでも考えています。そして、その答えである「◯◯が必要だよ」というのを時には言葉で、そして時には通知表であなた達に伝えてくれます。言葉は抽象的だったりしますが、通知表はわかりやすく数字でそれが出てきます。参考にしやすいです。


冒頭の台詞に戻りましょう。通知表は、各先生からあなた宛のメッセージでしたね。


意欲・関心・態度」の観点の評価が低い子は、授業態度や提出物、先生に嫌われていないかをセルフチェックしてみましょう。思い当たる節があれば、改善は容易です。誰のためでもなく、自分のために姿勢を正しましょう。


人はこちらが嫌いになれば向こうもこちらを嫌いになります。時には演じることも大事です。社会でも必要なその力を、きっちり学校生活の中で身につけましょう。あなたが教師になった際、どんな生徒が居たら気持ちよく授業ができるかをイメージしたら、答えは自ずと出てくるはずです。肘とかつきながら、またはこっくりこっくりしながら話を聞かれるのは嫌ですよね。


思考・判断」の観点の評価が芳しくない子は、自分で考える練習をしましょう。わからない問題へ立ち向かう練習をするのです。例えば、教科書を見てわからない言葉があった時に、「わからない」と投げ出すのではなくて、辞書やインターネットで調べる癖をつけましょう。


テストでは、理由を問う記述問題などに、難しくても挑戦してみることです。考えなければ考える力はつきません。そして、それをうまくやるためにはやっぱり国語力が必要です。一朝一夕では身につかない力ですが、コツコツと習慣の力も借りながら参りましょう。


技能・表現」がちょっと…という方は、積極的にアウトプットをすることを心掛けましょう。教科書の資料など見ながら、「これはこんな資料なんだよ」と説明するといいでしょう。ノートまとめなど提出がある場合は自分なりにまとめることも忘れずに。


自分の意見を持ち伝えるというのは現代社会においても非常に重要な能力です。人と人って本来違うものです。意見が異なることや間違うことを恐れて立ちすくむのではなくて、前に進む勇気を持ちましょう。伝え方は、伝えることを増やせば、自然にうまくなっていきます。まずは信頼できる人との間で、その機会を増やしていきましょう。


知識・理解」が苦しいという方は、小さな目標を立てて日々の小テストから頑張りましょう。基本的には暗記です。まず学校のプリントや資料を整理して保管して頭に入れやすくし、自分なりの暗記術でインプットし、これまた自分なりのチェックテストで練習を繰り返しましょう。


暗記術のオススメはファミリーマート戦法です。他の観点もそうですが、この観点は最も「やる」「手を動かす」ということが大事です。なかなか思うような評価がもらえないという時は、正しい勉強法で正しい量をやっているか、第三者に確認をしてもらいましょう。


長くなりましたが、以上が簡単なメッセージの活かし方です。


通知表に秘められた先生からのメッセージを正しく受け取り、きちんと参考にして、目一杯活かした者が、次のステージへと進むことができます。せっかく貰えるものですし、使えるものは使いましょう。あなたのさらなる成長と、素晴らしき人生のために。


通知表。そこには、あなたへの愛や想いやエールが込められているのです。大切にしよう。


本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。

納得がいかない場合は、面談の際にでも遠慮なく確認をしてみましょう。




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塾という場所が好きです。生徒の成長する姿を見るのが好きです。生徒や保護者と未来の話をするのが好きです。合格や目標を達成して一緒に喜ぶのが好きです。講師と語り合うのが好きです。教材とにらめっこするのも好きです。新しい人と出会うのも好きです。藤沢の街が好きです。ブログも、好きです。

勉強犬

「第二の家」学習アドバイザー。
世界中に「第二の家」=「子どもたちの居場所であり未来を生きる力を育てる場所」を作ろうと画策中。元広告営業犬。学生時代は個別指導塾の講師。大手個別指導塾の教室長(神奈川No,1の教室に!)・エリアマネージャーを経て、2015年ネット上で「第二の家」HOME個別指導塾を開設。2019年藤沢にHOME個別指導塾リアル教室を開校。