塾と物語というシリーズを始めました。
その舞台は、どこかの街にある小さな塾。塾長一人に、講師が数名いるようです。もちろん注意書きにあるようにフィクションです。
物語を通して、色んなことが読んでくれた人に伝わるように、あれこれ模索しながら書いています。よかったら気軽にご覧いただけると幸いです。
第二弾は「ある推理」というタイトルです。
午後十時半。ひとりぼっちの教室で、俺は考え込んでいた。
今日は塾長がお休みで、留守を任された講師の俺だったが、
掃除をしていざ帰ろうとすると、下駄箱に俺の靴がない。
残されていたのは、同じ黒色の誰かの靴。
はたしてこれは一体誰のものなのだろうか。
足のサイズを考えると、女子生徒は省ける。
小中学生も違うな。いや、野球部のあいつの可能性はあるか。
今日は高校生も講師も多かった日だから、犯人候補は沢山いる。
それにしても、この靴。
たしかに似ているが、よく見れば違うメーカーだとわかる。
犯人は相当おっちょこちょいな奴なんだろう。
となると…
しばらくその靴と睨めっこしながら考えていると、
下駄箱隣の入り口に貼り紙が貼ってあるのに気づいた。
「誰かが私の靴を間違えて履いていきました。
仕方がないので、今ある靴を履いて帰ります。
安物の私の靴を履いていってしまった誰かさん、
明日私はお休みなので、明後日以降で交換しましょう。塾長より」
とりあえずすぐ謝りました。
…それにしても塾長、意外と足でかいな。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
塾は連休に入っています。
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