小学校や中学校で「音読み・訓読み」というものを学びます。漢字の読み方のお話ですね。もともと中国から入ってきた文化である漢字には中国から入ってきた読み方(音読み)と日本で作られた読み方(訓読み)があるのです。
和語(訓読み多め)や漢語(音読み多め)とも結びつきがあって、非常に重要な単元なのですが、これが兎に角ややこしいんですよね。
その漢字の読みが音読みなのか訓読みなのかただ覚えようとすると、ルールが明確ではなく、例外が多いので、「え、なんでこれが音読みなの!?」とかなっちゃうわけです。
本当は各々の漢字の歴史を追っかけながら、一語一語言葉の成り立ちに触れていくと楽しいんですが、テスト前とかに「はい覚えてね」みたいな感じでいきなり出されることが多いんで、なかなかその時間が取れないんですよね。
というわけで本日は、生徒と一緒に作った「音読み訓読み判別シート」のお知らせです。小学生の生徒にルールを書き出してもらって、それをこちらでまとめました。
そもそもよく挙げられる音読み訓読みの判別方法って「その読みで意味がわかるかかわからないか」なんですが、これが絶対ってわけでもなくて、少々わかりづらいんですよね。
ですからちゃんと判別できる順番で考えようって作ったのがこちらの表です。改めて載せておきますね。
では、早速使い方をイメージしてみましょう。あなたの目の前に一つの漢字。そして、その漢字の読み方。それが音読みなのか訓読みなのか訊かれました。以下の順で考えていきましょう。なお、音読みはカタカナ、訓読みはひらがなで表記していきます。
1、送り仮名があるかないか
送り仮名があったら訓読みです。送り仮名は訓読みする際に読み方を明らかにし誤読を防ぐ為のものなので訓読みにしかつかないのです。これは判別しやすいですね。
ただ判別しやすいのでテストではあまり訊かれません。
(例) 上がる、下がる、覚える、学ぶ
2、4字以上かどうか
次の判別方法は文字数です。4字以上でしたら訓読みです。これもわかりやすいですね。音読みが三文字以下なのは、中国語では漢字1文字が必ず1音節で発音されることの名残だそうです。
ただこれも判別しやすいのでテストではあまり問われません。こんちくしょうです。
(例)志(こころざし)、頂(いただき)、魂(たましい)、鶏(にわとり)
3、二拍目が「ウンチクキツイ」かどうか
続いての判別方法はお馴染み「ウンチクキツイ」を使います。二拍目が「ウンチクキツイ」の音でなかったら訓読みです。
まずは二拍目の説明をしましょうか。拍というのは文字数と違って読み方の音で数えるんですね。例えば、手術の二拍目は「じゅ」になります。小さい「ゃゅょ」などは前の文字と合わせて一拍となるんですね。なお、小さい「っ」は単体で一拍になるので注意です。
「え、二拍目がウンチクキツイじゃなかったら訓読みなら、ウンチクキツイだったら音読みってことじゃないの?」ってなりますよね。実は厄介なことに違うんです。二拍目がウンチクキツイでも、訓読みの読み方っていっぱいあるんですね。靴(くつ)とか粋(いき)とかそうです。ややこしやですよね。
そうです。このややこしい部分がテストでよく問われるのです。注意しておきましょう。
(例)原(はら)、民(たみ)、鳥(とり)
4、二文字目が小さいかどうか
ではややこしいところと戦っていきましょう。次に注目するのは、二文字目です。そこが小さい文字かどうか見てみましょう。小さければ音読みです。
(例)書(ショ)、緑(リョク)、響(キョウ)、塾(ジュク)
5、他の見分け方
さらにややこしいところと戦っていきましょう。注目すべきは最初の文字です。最初の文字が「ラ行」でしたら音読みの可能性が高いです。
この調べ物をしているときに小学生がこんなサイトを見つけてきました。ラ行で始まる日本語がない!というサイトです。しりとりではラ行攻めが効果的かもしれません。
他にも、最初の文字に濁音がついていたら音読みの可能性が高いというものもあります。これはどうやら奈良時代ぐらいまで存在した「言葉の頭に濁音をつけることはできない」というルールが関係しているそうです。頭に濁音がついている和語というのは、そのルールをぶち破って数が増えてきた言葉なんですね。
ただこれはその性質上、例外も多いです。崖(がけ)、場(ば)など。よく出題されるので例外として覚えておくのも良いですね。
上記の見分け方で判別してもしも「違う!」となったら、それは例外として「そういうものだ」と覚えてしまいましょう。数は少ないですから、それが一番戦いやすいと思います。
ここまで読んできてくれたあなたなら、この判別法を試したくてウズウズしてますよね。いくつか練習問題を載せておきますので、チャレンジしてみてください。答えは一番下に載せておきます。
①山 やま 音 ・ 訓
②驚く おどろ 音 ・ 訓
③詔 みことのり 音 ・ 訓
④誠 まこと 音 ・ 訓
⑤球 きゅう 音 ・ 訓
⑥文 ぶん 音 ・ 訓
⑦絵 え 音 ・ 訓
⑧本 ほん 音 ・ 訓
⑨誰 だれ 音 ・ 訓
⑩牧 まき 音 ・ 訓
いやまだ足りないよ!という方はぜひ下のサイトで気になる漢字を見つけて練習してみてください。
本日は、音読み訓読みの見分け方についてでした。判別の仕方がわかってきたら、「今度はなんでそんな読み方なんだろう」というところにスポットライトを当てて調べてみると色々面白いですよ。壮大な言葉の海にダイブしてみましょう。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
「こんなの使わないじゃん」って捨てるのもいいけど、昔から続いているものを楽しみたいよね。
以下答えです。例外は集めて覚えていこうね。
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