個人的などんでん返し小説の二大巨頭といえば、『十角館の殺人』『葉桜の季節に君を想うということ』なんですが、匹敵するぐらいゾクっとする作品に出会えたかもしれません。
その本の名前は『方舟』。すでに各方面で絶賛されていますから、ご存知の方も多いかもしれませんね。私は今更ながら弟に借りました。
あらすじはこんな感じ。
人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か? 大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。 翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。 そんな矢先に殺人が起こった。 だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。 タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。
ありえないシチュエーションの中で謎が増えていくミステリー小説です。あえてお互いの内面の描写を少なくしていて、一緒に犯人探しができるのが良いですね。
中身を紹介しようと思ったのですが、あらすじ以外で迂闊に口を滑らせてしまうと折角の楽しみが減ってしまうかもしれませんから、「これはもう読んでみてください」としか言いようがありません。そして、気持ちよく驚いていただきましょう。
重々しい物語ですが、文面は読みやすくて、一気に読めちゃいます。実際私も軽い気持ちで寝る前に読書を始めたら、ページを捲る手が止まらなくなって、結局一気に読み終えてしまいました。失敗です。しばらく寝れなくなりました。
巻末には、ネタバレの解説もあるので、ミステリーが苦手な方もちゃんと楽しさを味わえるようになっていると思います。玄人向けに見えて、結構読者初心者に優しい小説じゃないかと。でも人が死ぬ描写はそれなりに残酷なので、生徒にはお勧めしないと思います。
この内容であれば、もしかしたら映画化もされるかもしれませんね。それ待ちでもいいかもしれません。
ただ、読んだ後誰かと語りたい気持ちになるのは間違いないです。今のうちに読んでおいて、忘れた頃に映画観るのがベストじゃないかな。でも、この結末、はたして忘れられるでしょうか。
あと、この小説、二周目が面白いです。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
十戒も借りたから楽しみ。
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