駅前でばったり、見たことのある二人組に出会いました。
生徒から、講師になって、教室でバリバリ活躍してくれていた昔のエース講師たちです。
片方は見かけもだいぶ大人っぽくなっていましたが、二人とも元気そうでした。
現在のお仕事でも成果をキチンと出し、頑張っている様子。
関わった生徒や講師たちが、楽しく日々を生きている姿を見るのは、嬉しい限りですね。
「講師教育ってどうされていますか?」
そういえば、研修会などでよく訊かれる質問だったりします。こういったバックオフィス系のお話はこのブログでは珍しいですが、折角の機会だし、今日はそこに触れてみたいと思います。
個別指導は、講師の育成が鍵ですからね。
本日のテーマは「講師採用や講師教育で大切にしているたった一つのこと」。
あくまで個人的な考え方なので、どこかで誰かの参考になったりしたらこれ幸いです。
講師採用や講師教育で僕が大切にしているたった一つのこと
「このお仕事ってね、割に合わないお仕事だと思うよ。責任も重いし、勉強することも沢山あるし、裏切られることもあるし、日常生活でもさ、常にカッコイイ大人で在ろうとしてなくちゃならない。いや、実際カッコイイかどうかじゃなくて、意識の話ね」
面接でいつも相手に伝える言葉です。拘束時間なんかの物理的な大変さに関しては、時代もあって昔に比べてだいぶ楽になった側面があるとは思いますが、塾講師というのはどちらかというと精神的に大変なお仕事なのかなと思っています。
「それでも、その中でやりがいや楽しみを見つけられる人と、一緒に働きたいと思っています」
面接は、こちら側が相手を選ぶ場所ではあるけれど、相手側がこちらを選ぶ場所でもあると思うから、良いことも悪いことも、ざっくばらんにお伝えすることが多いです。
働いてみて「やっぱり違う」っていうのがどっちにとっても最悪ですからね。
その面接中でも、その後の研修でも、僕が大事にしているのは、「その講師がどんな生徒に合うかなぁ」ということです。
ポジティブな話、ネガティブな話、面白い話、つまらない話への反応や仕草や教え方や好きなものや嫌いなもの、能力や性格などなど、面接から研修までの中で手に入れた情報で、僕はその講師が「どんな生徒に合うかなぁ」を考えます。いろんな材料を集めながら、なるべく具体的にイメージしていきます。
今までの実感値ですが、そこでポンっとある生徒の顔が浮かんできた講師は恐るべきスピードで成長していきますね。もちろん例外だっていっぱいありますが、あくまで経験を踏まえてのお話です。
そこから先もずっと、講師教育をしていく中で「その講師がどんな生徒に合うかなぁ」というのは、常に意識し続けます。
教える側も、教えられる側も、人間ですからね。人間にはやっぱり合う合わないがあります。それをコミュニケーションや普段の授業から見分けるのも教室長のお仕事の一つです。まぁ、もちろんこちらが予期せぬペアが生まれることもありますけどね。
ちなみに、「合う」というのは、「共に成長していける関係性になれる」という意味です。好きなものや趣味の一致がコミュニケーションのきっかけになることは多いですが、そういった表面的な情報だけで「合うじゃん」という判断はしません。ときには正反対の性格の生徒と講師がタッグを組んで最高の成果を生み出すこともあります。
塾が目指すのは子どもたちの「目標達成」ですから、そのためにベストな組み合わせを考えていくわけです。
ちょっと甘えちゃう子には、引っ張ってくれる講師を。
これらは一例ですが、合う合わないって本当に人と時と場合によって変わってくるんですよね。
それがピッタリ!となった時、驚くべきスピードで生徒たちは成長していきます。甘えじゃない信頼関係というのは、成長にはもってこいなんですよね。
授業自体も相手のことがわかっているので、緊張感を持った上で必要な部分を興味深く伝える無駄のない指導ができますし、そこで育っていく「誰かのために」という想いは、勉強する上での大きなモチベーションとなります。
そして、成長するのは、もちろん生徒たちだけではありません。
そう、講師たちだって「生徒のために」と驚くべきスピードで成長していきます。
合う生徒が見つかったときの講師の成長速度ったら。
結局、一番に講師を育てるのは、他の誰でもなく、目の前にいる生徒たちなのです。
最後に、ちょっと僕自身の裏方のお仕事について触れておきましょう。
「その講師がどんな生徒に合うかなぁ」がめでたく見つかった時、僕が何をするかについてです。
それは一言で言えば、「演出」です。
入りはやっぱり好きなものの話なんかが多いですかね。例えばを載せておきましょう。
僕「あ、この先生もワンピース好きなんだってさ。◯◯は好きなキャラ何だっけ?」
生徒「マゼラン」
僕「渋いなぁ。そういや●●先生もワンピース大好きって言ってたけど、マゼランわかる?」
講師「もちろんですよ!インペルダウンめっちゃいいよね」わいわい
こんな風に行き帰りの際に一度雑談で盛り上がると、次の授業で指導することになった際に、お互いの気持ちの壁がなくなって、良い指導になることが多いです。
そうやってだんだんと「合う」に近付いていくわけですね。
人と人って、面白いです。
このブログでも何度も書きましたが、人間は感情の生き物。勉強する時にだってそれは無視できません。
「合う」によって生まれてくる「誰かのために」という想いは、きつい時にもうひと踏ん張りするエネルギー源になります。
そして、講師たち、つまり大人たちが、日々日々「カッコイイ大人」で在ろうとして、努力しながらその姿を見せ続けることは、きっとそれ自体が最高の教育になるんじゃないかというのが僕の考えです。
講師たちに負けないよう、僕も日々日々努力し続けます。
本日は珍しく講師についてのお話でした。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
ま、冒頭の彼らのように、子どもたちに誇れる素晴らしき講師たちが、有難いことにうちの教室に来てくれたことが大前提にあるんですけどね。
0コメント