「先生、これ明日までってきつくないですか?」
少し前のこと。そう言いながら、日本の旧国名の暗記プリントを持ってきた子がいました。便宜上彼の名前をAくんとしましょう。
「こりゃオールだ」とか言っているので、こちらも「おいおい」となって覚え方のコツなんかを教えたりしたのですが、
まず甘いのはそのスケジューリングですよね。
次の日、なんとか一夜漬けで乗り切ったらしいそのAくんに、次なる小テストの課題を聞き出して、一緒に学習の計画を立てました。
暗記は単純です。毎日、問題を解けばいい。繰り返し、繰り返し。もちろん何をどうやって覚えるかの最初の一歩は(見やすくしたり覚えやすくしたり)工夫できたらより良いですが、後は四の五の言わず繰り返し繰り返し頭に負荷をかけることです。
「毎日寝る前に必ずチェックテストすることね。逆に、それだけでいい」
日々のそのテスト結果を見せてもらうと、もう3日目にはすべて完成。説明までできるようになってもらって、学校のテストも難なく乗り切れたということです。いや、そりゃそうだ。
Aくんに指導をしながら、過去にお土産に大量のケーキをもらった時のことを思い出していました。
そのケーキはとっても美味しい。でも、一度ではとても食べきれない。
賞味期限から逆算して、一日ずつに分けて食べることを決めると、スッキリとした気持ちと安心感と「ああ、毎日この美味しいケーキを食べられるんだ」という幸福感と、最終日に美味しく食べきったという結果が手に入りました。
まぁ、「幸福感」はケーキだからでしょうけど、勉強だってスッキリとした気持ちと安心感と結果は手に入れられると思うんですよね。
そう、ちょっと遠回りしましたが、言いたいことはシンプルなこと。
それは何も上記のような時間的なことだけでなくて、勉強の中身だって同じ。
難しい内容も、スモールステップで分けて段階を踏んで学んだり伝えたりすることで、理解がしやすくなる。人によってどこまで分けるかが難しいところなんだけどね。
どちらにしても、必要なのは、時間です。『タイムマネジメント術』でも触れましたが、過ぎた時間はもう二度とは戻ってこない。
だから、「分けてやる」時間をつくるためにも、少し先を見て生きていく癖をつけましょう。それってきっと、子どものうちだけではなくて、大人になってからだって必要なこと。
Aくんにも過去に手を変え品を変えそのことを何度も伝えてきたつもりですが、反省です。でも本人は今回のことでやっと実感したご様子。痛い目見るって大事なんですね。
意気揚々とこんな事を言っていました。
「同じことやるんでも、先にやったほうが得じゃんね」
そうです。だから、そもそものやるかどうかで迷わないでくださいね。そこで迷っていると、ズルズル後回しにしてしまいますからね。
やると決めて、迷うならぜひやり方で迷ってくださいませ。
なんて書きながら思いついた余談をここから述べますが、成績が優秀な子って、この「先を見る力」が優れているような気がするんですよね。
それは「想像力」かな。意志の力なのかな。それとも不安を感じやすいってことなのかな。
もしも「想像力」だとしたら、やっぱり目の前にはない世界を想像する読書って、「先を見る力」を育てるのにとっても良いと思うんですよね。
慣れてくると、物語を読んでいても「ああ、この先はこうなりそうな気がする」ってわかりますもんね。「先を見る力」って、そんな感じに似ているのかなと。
もちろん、読書以外でも育てられるとは思いますが、ふと思ったので記してみました。
余談を終えて、まとめましょう。
すぐにはできないことも分けると簡単にできるようになる
そのために必要なことは、ちょっとだけ先を見ること。
ね、それだけで、生きるのが少しだけ楽になったりするんだよ。
一度で食べきれないケーキも、分けて食べればすべて美味しく食べられるように。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
きついことはどんどん分けよう。ちょうどいい負荷をかければ、君はますます成長していく。
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