本屋で見つけてペラペラページを捲っていたら、ハマってしまって結局場所を変えて最後まで読んでしまった本。
そんな圧倒的な勢いが、この『冒険起業家 ゾウのウンチが世界を変える。』にはありました。
うん、わかりますよね、タイトルで。
あらすじも見てみましょう。こちら。
主人公のヒサシは、昼は中古印刷機械のブローカー、夜は築地で水産物を運ぶ働き盛りの20代。 ある日、築地帰りにたまたま出会った外国人に1万円を貸したら、後日、その外国人の結婚式に招待されることに。 助けた亀に竜宮城へ連れられるように導かれたのは、内戦まっただ中のスリランカ。 無理やり大会場でスピーチをさせられ、通訳がデタラメに話を膨らませたことから、国家を巻き込む大騒動に…。 世間知らずと行動力は比例しているのかもしれない。 「世間知らず力(パワー)」で、偶然の幸運をつかみとれ!
うむ、なんだかよくわからない。
ただ、中身や文章が圧倒的に面白いことは確かです。
シリアスな場面やホロリとさせられるお話も多いのだけれど、それ以上の笑撃があなたを待ち受けることは間違いありません。なんたって、ゾウに工場が潰されたりするんだから。
言い様によっては「悲劇」を、腹を抱えて笑いそうになるぐらいの「喜劇」とできるのは、著者の方の能力なのかなと思います。
え?どんな能力かって?
その昔、喜劇王チャーリー・チャップリンはこう言いました。
人生は、近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ
『冒険起業家 ゾウのウンチが世界を変える。』では、まさしく近くで見たらドタバタの「悲劇」が、ちょうどいい距離から眺めたかのような「喜劇」のように綴られています。
これはなかなかできることではありません。だって、辛いことを「はぁ、辛い」とするんじゃなくて、少し遠くから眺めるようにして見て「でもこれはこうすると面白いかも」や「こんな意味があるかも」って考えるってことですよ。案外できそうでできないことですよね。
でも、もしかしたら僕らが幸せに暮らしていくには、とっても大切な能力なのかもしれません。
この能力を言語化して名前をつけるとするのなら、僕が思いつく言葉は「客観視」。
そう、この著者の方は、物事を「客観視」できる力がとんでもないのかなと勝手に結論づけた次第です。
当事者なんだけど、どこか俯瞰してその様子を眺めながら、僕らに面白いところをピックアップして伝えてくれるその視点。
客観視できているからか、どう伝えればいいのか、どう物語にしたら面白いのか、どう組み立てたらわかりやすいのか、それがわかっているかのような絶妙な筆致。
表紙にて「世間知らず」とは書いてありますが、それを補って余りあるバランス感覚。
脱帽の面白本でした。
ちなみに、購入の際は、ちょっと表紙があれで電車の中など公共の場では読みづらいと思うので、カバーをつけてもらうことをオススメします。
さて、最後にこの本からの学びを勉強にも活かしてみましょう。
「客観視」は、勉強にとってももちろん重要です。
勉強していれば、良いことも悪いことももちろんあります。たとえば、良いことは正解で、悪いことは不正解ですね。
正解は成功体験として受け取り、不正解は今後の糧にしていくわけですが、それはある程度自分のことを客観的に見ることができていないと素直に実施するのは難しいです。
悪いことつまり不正解に出会うと、人間落ち込みますし、嫌な気持ちになりますよね。「なんでできないんだ」と自分を責める人もいるでしょう。どちらかといえばそれが普通です。誰だって間違えることは怖いものです。だから、目を背けたり隠したり、そもそも挑戦の機会を減らしたりします。
そんな不正解を「いや、これはまだ自分が成長できるってことだ。ラッキーまた見つけた」と思えるようになるには、それなりのトレーニングが必要です。本来はそこに最高の成長のチャンスがあるわけですから、大切にしたいですよね。ただ、そこと向き合うのにはパワーがいるのです。
そのかかるパワーを軽減させるのが、「客観視」です。これを持つことで、怖さや痛みや悲しみや苦しみを減らせます。だから、どんどん本気で間違えることができるし、それに伴って挑戦の機会や成功体験も自然と増えていくのです。
「今、自分が間違うことは本当に悪いことか」
ちょっと自分へ、もうひとりの自分を作って問いかけてみましょう。答えがわからないなら、信頼できる誰かに確認してみることです。まずはそこから始めてみましょう。
ゾウのウンチが世界を変えるなら、君の一歩だって、十分に世界を変えることができるはずです。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
客観視を鍛えるには、色んな人の考えを学ぶこと。読書も有効です。
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