「ねぇねぇ、先生。これってなんでこうなるの?」
それは、つい先日のこと。神奈川県公立高校入試の面接が終わった中3生が、僕にそう尋ねてきました。
「自分で教科書見て調べたけど理由がわかんなかった。教えて欲しい」
そんな風に言いながら持ってきたのは、答えについての質問ではなくて、選択肢の間違いがなんで間違っているのかという質問。
僕が一通り理由を説明すると納得し、そこからは「先生、今回の入試どう思った?俺はね…」と今回の入試の問題の感想をそれはそれは楽しそうに話し始めました。
「うーん、英語と理科は簡単すぎでしょ」とか、
「社会はね、あえて歴史用語使わない感じがいいね」とか、
「数学は分数使いすぎ!めんどい!」とか、
「ただ、みかんをxとおいたのは難易度上がってよかったですよね。あと社会の九州元寇でひっかけさせようっていうのもなかなかうまいなと思いました」とか、
どこの評論家かと思いましたが、あながち間違っていない指摘を繰り広げていました。
それを聞いていて、思ったんですよね。
ああ、なるほど。
今回のようなぐっとレベルの上がった入試問題で、得点を取れる子っていうのは例えばこういう子なんだろうな。
入試のために勉強するのではなくて、知的好奇心から勉強できる。
やらされる勉強ではなく、やる。
客観的な視点で物事を見ることができる。
わからないことにワクワクできる。それを知ることを楽しめる。
間違ったら気になるから調べる。悔しいからもう一回やる。感情が入るから覚える。
間違いは恐れないけど、間違えるのは嫌だから、考えて考えて考えて考えて、三十分でも一時間でも考えて、考えることに慣れていく。勉強時間は増え、勉強の体力がついていく。
時には、その背景にある出題者の意図まで考えて、求められているものを掴む力がついてくる。
いざ勝負のときには、目的を達成するために、躱すやり方や逃げる方法も選択できる。
「覚えなさい」と言われて覚えるようなことをやってきた子が、こういう子と勝負するのは大変です。だって、彼らは一秒一秒勝手に育っていくからね。すべてが学びにつながる。そして、それを嫌がらない。
ちょっとそんな子の特徴をまとめてみましょう。
- 受動的でなく能動的
- 知的好奇心に溢れている
- メタ認知力が高い
- わからないことを楽しめる
- 勉強する目的が高校入試じゃない
- 世の中の色んなことからヒントを手に入れられる
うん、書いてみて改めて思った。これからの公立高校入試で点数を取れる子は、教育改革の荒波を乗り越えていく子は、やっぱりこういう子なんじゃないかな。
じゃあじゃあ、そんな姿勢は、一体どこから生まれるんだろう。それについては、今ちょうど塾の仕組みとして考えていることもあるので、また稿を改めたいと思います。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
彼は5科目の分析結果について話しながら盛り上がった後、高校内容をガツガツ解いて帰りました。アッパレ。
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