ハロー、読者諸君。
こちら、特殊勉強部隊第一班、
英語教育調査隊【通称EEE(English-Education-Expedition)】だ。
非常に突然で恐縮だが、
緊急事態である。
通称「メガフェップスダッパム」という謎の組織に、
中高生の脳内が支配されたという報告を受けた。
ついては、至急、
謎の組織「メガフェップスダッパム」の正体を確かめて欲しい。
君たちなら、我々の調査した情報を元にして、
それが可能なはずだ。
健闘を祈る。
なお、その過程で君たちに危険が及んでも、
当局は一切関知しない。
というわけで、
今回のテーマは「メガフェップスダッパム」です。
EEEの調査によると、
「メガフェップスダッパム」とは、
英語の文法を覚えやすくするために使われる、
古来からある魔法の呪文のようである。
(今回はこの口調で進めたいと考えている)
事情をよく知る関係者Aはこう証言する。
動詞には、その姿形を変えることで、
様々な品詞の働きをするものがある。その中でも有名なのが、動詞变化四天王だ。
動詞が変化し、形容詞の働きをする「分詞」。
同じく動詞が変化し、副詞の働きをする「分詞構文」。
そして、本当に危険なのは、
toのマントを身に着け、副詞や名詞、形容詞の働きをする「不定詞」と、
ingの仮面を付け名詞の働きをする「動名詞」と呼ばれる奴らだ。
とにかく、まぎらわしいんだ。
これは有益な情報だ。
関係者Bは更なる危惧を口にする。
「不定詞」も「動名詞」も名詞の働きをするだろ?
しかし、どんな動詞でも「不定詞」と「動名詞」の両方が使えるとは限らない。ごくわずかだが、「どちらかしか使えない動詞」が存在する。
そして、その中でも「動名詞」しか取らない動詞たちを、
暗号コードで「メガフェップスダッパム」と呼ぶらしい。
だが…
その後に続いた言葉に、我々調査隊は驚愕した。
奴らはその組織を拡大し、
今は「メガフェップスダッパムシ―」と名乗っているという。
な、なんと!
組織は今も拡大し、
名前が長くなっているというのだ!!
このままでは、中高生の脳内だけでなく、
世界中が謎の組織の魔の手に落ちてしまうかもしれない。
我々の調査にも熱が入る。
そして、遂に我々は、
幾度の困難に見舞われた末、
「メガフェップスダッパムシー」の最高幹部と言われる、
15人の動詞たちの情報を手に入れた。
その全貌が、このデータだ。
心して見て欲しい。
mind Ving・・・~することを気にする
enjoy Ving・・・~することを楽しむ
give up Ving・・・~することを諦めるavoid Ving・・・~することを避ける
finish Ving・・・~することを(終わらせる)
escape being VPP・・・~されることを逃れる
postphone(put off) being VPP・・・~することを延期する
stop Ving・・・~することを止める
deny Ving・・・~することを否定(否認)する
admit Ving・・・~することを認める
practice Ving・・・~することを練習する
advise Ving・・・~することを忠告する
miss Ving・・・~することを逃す(~しそこなう)
suggest Ving・・・~することを提案する
consider Ving・・・~することを熟考(よく考える)する
頭文字を読んでいくと…
「megafepsdapamsc」!
…こ…これは…
メガフェップスダッパムシー!!
見つけた!!!
そして、驚くべきことに、
我らEEEはその発見と同時に、
敵対する秘密結社の存在も、暴くことに成功した。
それは「ワニトラホープ軍団」と呼ばれる
「不定詞」しかとらない動詞たちの存在であった。
その一部をここで紹介しよう。
want to V・・・〜することを欲する
wish to V・・・~することを望む
need to V・・・~する必要があるplan to V・・・~することを計画する
hope to V・・・することを望む
decide / determine to V・・・~することに決める
learn to V・・・~できるようになる
manage to V・・・どうにか~できる
覚えておくと試験が楽だぞ、と誰かが言っている気がする。
さらに、その道中で出会った、
業界に詳しい事情通Cは言う。
「動名詞」は、元々「進行性」というニュアンスを持っています。
ですから、目的語(動詞の後に来るもの)が、
「既に起こった事柄」や「今行っている事柄」であれば、「動名詞」を使います。
「不定詞」は、元々「未定性・未来指向性」というニュアンスを持っています。
ですから、目的語(動詞の後に来るもの)が、
「まだ起こっていない(未来の)事柄」「未来への意志がある事柄」であれば、
「不定詞」を使います。
謎の全貌が見えてきた。
そして、つい先日のことだ。
世界を揺るがすこの2大組織の発見に、
安堵していた我らEEEのメアドに、
以下のタイトルのメールが送られてきた。
「第三の組織が存在する」
メールの内容はこう続いていた。
「動名詞」を操る「メガフェップスダッパムシー」
「不定詞」を操る「ワニトラホープ軍団」そして、実はもう一つの組織が存在する。
我々は固唾を呑んで、
画面をスクロールした。
それが、第三勢力「どちらを取るかで意味が変わる党」だ。
…その名前はさておき、
それは驚愕の新事実であった。
匿名の送信者から送られてきたそのメールには、
「どちらを取るかで意味が変わる党」の幹部たちの情報も併せて載せられていた。
remember Ving・・・~したことを覚えている・思い出す
remember to V・・・(これから)しなければならないことを覚えている・忘れずに(これから)~するforget Ving・・・~したことを忘れる
forget toV・・・(これから)~することを忘れる
stop Ving・・・これまでやってきたこと・いましていることをやめる
stop toV・・・手を休めて・立ち止まって~する / ~するために立ち止まる
regret Ving / having +VPP・・・~したことについて残念に思う
regret toV・・・これから言うことについて残念に思う・残念ながら~と言わねばならない
go on Ving・・・してきたことを続ける
go on toV・・・(ある行動の後に)続けて~する
try Ving・・・(結果がどうなるか確かめるために)試しに~してみる
try toV・・・(何かを達成するために)~しようと努力する
リストの中には、
stopのような二重スパイも見つけられた。(厳密には不定詞時は副詞的用法)
驚愕の新事実だ。
はたして、
このメールを送ってきた者の狙いとは一体何なのだろうか。
謎は深まるばかりだが、
引き続き、我々は調査の手を一切緩めないつもりだ。
我々は諦めない。そしていつか、英語の謎を解き明かしてみせる。
たとえ、多くの危険が迫り来ようとも。
続報を待て。
…とまぁ、
だいぶ好き勝手にやらせていただきました。
英語の文法は、
暗記に左右されるものも多いのが事実です。
ルール自体は本当は簡単なはずなんですけどね。
その暗記を助ける物語になればと思い付き、
趣向を凝らしてみましたが、
少々蛇足だったかもしれません(笑)
まぁ、でも、
残る四天王の「分詞」や「分詞構文」、
そして文法の大魔王と呼ばれる「関係代名詞」なんかも、
いつかはチャレンジしてみたいですね。
EEEの活躍に期待しましょう。
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