脳みそ君は、忘れるのがお仕事です。
日々日々、捨てるものを探しています。
一日に僕らが受け取る情報量というのは膨大ですから、それで頭の中がいっぱいになってしまわぬように、脳みそ君はフル稼働でいろんなものを捨てていきます。
言っても僕らの頭の中の記憶倉庫はとってもとっても広くて、ほとんどいっぱいにはならないのですが、脳みそ君は心配性ですから、ガンガン捨てていきます。
脳みそ君の捨てる基準はシンプルです。「生きていくのに必要そうかどうか」。
感情のこもったものや、命に関わりそうな情報というのは、今後生きていくのに必要そうなので、大切にとっておきます。逆に、どうでもいいと思っていることはすぐに忘れます。
ものすごくネガティブな感情とセットなものは、生きる邪魔をされないようにきちんと覚えておきますが、プチネガティブな感情とセットなものは、どんどん捨てていきます。興味ないものなんて速攻です。容赦ないです。
でも、僕らが生きていく時には、興味ないものも覚えなければならないときがありますよね。そんな時は、脳みそ君にメッセージを出す必要があります。
「ベンキョウケンハペペロンチーノスキ」
こんなどうでもいい情報は、一度聞いただけならすぐ捨てられます。どうでもいいとはなんだ。
「ベンキョウケンハペペロンチーノスキ」
ペペロンチーノって、シンプルだけど美味しいんですよね。ちなみに、初めて来た読者の方に説明しておくと、勉強犬とは筆者のことです。ベンキョウイヌと読む人も多いです。
「ベンキョウケンハペペロンチーノスキ」
さぁ、声に出してみてください。
「ベンキョウケンハペペロンチーノスキ」
どうでもいい情報も、こんな風に短い間隔で何度も入ってくると、脳みそ君はちょっと気にし出します。
さらに、暗唱をしたり書いたりしてその情報をアウトプットすると、「え、これそんなに使うのか」と、さらに気にしてくれます。繰り返すと、「これ、とっといた方がいいのかぁ」と、「使うかもしれないBOX」に入れてくれます。
でも、想像がつく通り、そのうちに「使うかもしれないBOX」はいっぱいになりますから、どんどん情報は埋もれていってしまいます。取り出しにくくなるのです。そうならないうちに、必要な情報は再度時間をおいてアウトプットしてみましょう。
「ベンキョウケンハペペロンチーノスキ」
脳みそ君は「ああ、これはちゃんと保管しておいた方がいいやつなんだ」と、専用の引き出しを作ってくれます。
そしたら、そこへ追加の情報を入れるのは、そんなに難しくありません。
「ベンキョウケンハリンゴモスキ」
「ベンキョウケンハウナギモスキ」
「ベンキョウケンハヤキュウガスキ」
専用引き出しの中に、どんどん入っていきます。いろんな情報がくっついて、より捨てにくくなるわけです。
それでも、長いこと使っていないと「勉強犬」と「ウナギ」がくっついて「ウナギイヌ」になることもありますが、仕方ありませんね。
どうでしょう、脳みそ君のお仕事がちょっとわかってきましたか?
だから、僕らが忘れたくない情報と向き合うときは、「これ忘れないでね」とちゃんと脳みそ君にメッセージを送る必要があるのです。
感情とセットにしてもいい。
何か他の覚えやすいものとセットにしてもいい。
どうしようもないなら、繰り返せばいい。
例えば、リズムや繰り返しには絶大な効果があります。「あなたとコンビに?」と節をつけて訊かれたら、多くの人が「ファミリーマート」と答えられるように。
忘れにくくする方法は、ちゃんとあるんですよね。
それは脳みそ君の真面目な仕事ぶりの結果です。
ありがとう、脳みそ君。
彼は、僕らのために忘れてくれているのです。
そのことを忘れてはいけません。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
あくまでフィクションです。
次回は、「脳みそ君の端折る能力」についての回です。お楽しみに。
0コメント