ある生徒が、泣きながら教室に入ってきました。
おいおいどうした、と僕はとっても慌てます。
「何でもない」とは言いながら、明らかに何かある様子。
「深刻な話?」と訊くと頷くので、これはしっかり話を聞かにゃいかんと、周りに人がいない状況で落ち着いて改めて質問をしてみました。
すると、返ってきたのは「頑張ったけど宿題が難しくて…」の一言。
「え、え、え」と、こちらが戸惑ってしまいましたが、前回前々回と宿題に対する姿勢を軽く注意した子だったんですよね。わからない問題に対する我慢強さみたいなものの大切さを説いたわけです。
それで今回我慢強くやってみて、でもうまく解けなくて、できない自分が悔しくて、泣いてしまったと。たしかに、その子がやっている問題は、結構難易度の高いものなんです。
とりあえず落ち着かせて、解法の考え方を訊くと、あながち間違っておらず、ヒントも出さずに再度やらせてみると全問正解。間違えた理由は、ちょっとした考え違いと自信のなさが原因でした。
この一連の流れ、本人には悪いですが、僕はとってもうれしかったんですよね。明らかに姿勢が変わったことがわかったから。
「涙の数だけ強くなれるよ」じゃないですが、きっとこの悔しさは彼もしくは彼女をグーンと成長させてくれることでしょう。
嫌な大人ですが、にやにやしながら「え、このこと面談でお父さんお母さんに言っていい?」と訊くと「絶対嫌」との返事(だから、学年も内容も性別もわからないようにオブラートに包んであります)。
「でも、ブログには載せていいよ」と言うもんだから、この通り載せました。いつか時効が来たら、顔写真付きで載せたいと思います。
泣くぐらい嬉しいとか、泣くぐらい悔しいとか、それってとっても素敵なこと。
願わくば、これからもずっと大切にしてね。本気で何かやるってさ、痛みも苦しみも伴うけれど、それ以上の経験を連れてきてくれるものだから。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
帰りは笑って帰ったので一安心。
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