海も、山も、川も、都市も、行き交う人々も、目に映るものすべてが、「人生の教材」に変わる。
そんな帯に彩られた良書が『人生が変わるすごい「地理」』。いやー、本当面白かった。
読みながらこんなにメモを取ったのは『残酷すぎる成功法則』以来でしょうか。
学び多き本でした。
本書は、「さんまのスーパーからくりTV」や「金スマ」のプロデューサーを務められていた東大卒の角田陽一郎さんの新刊。以前読んだ『最速で身につく世界史』も面白かったんですよね。
「学問」の力で働き方と生き方に「答え」が出る。
そんな大それたテーマを、「地理」という学問を使って、見事に書き上げられています。面白かったところをいくつかピックアップしてみましょうか。ぜひ詳しくは本書で。
- アイデンティティは「ある特定の集団」への帰属意識と訳すとわかりやすい
- 日本史の中で一番長い時代縄文時代のことを豊臣秀吉や坂本龍馬は知っていたのか?
- 三大穀物(米・小麦・トウモロコシ)から見る世界の経済
- 富士山の成り立ち
- 関ヶ原で起こった2度の天下分け目の戦い
- 3つの革命のもたらしたもの
- 宗教戦争の歴史
- GDPに隠された罠。映画で見る国力の増減
- 「神奈川」は横浜に抜かれた都市の名前
どうでしょう、興味がそそられる部分ありました?
例えば、
- 関ヶ原で起こった2度の天下分け目の戦い
のお話、面白いです。
関ヶ原の戦いで行われた2度の大戦というのは、ご存知「関ヶ原の戦い」と、あともう一つは飛鳥時代の「壬申の乱」です。どちらも天下分け目の超決戦ですね。
では、なぜそんな大きな戦いが関ヶ原で行われたかというと、それは関ヶ原の立地に大きな関係がありました。
関ヶ原一帯は、山々で隔てられた日本海側と太平洋側、東西をつなぐ回廊になっているのです。新幹線や高速道路もここを通っていますよね。東海と近畿を結ぶ道の上。戦いが起こる場所にも、地理的な要因があるのですね。
地理って中学では基本1年生でやるんですけど、面白い先生と面白くない先生ではっきり分かれて、それに伴い生徒たちの好き嫌いもはっきり分かれるんですよね。
でも、学問の本質としては、歴史や政治や経済ともつながって、滅茶苦茶面白いんです。
水の近くに文明が栄えたこととか、気候による石造りや木造り等の家の違いとか、食べているものにまつわる奇跡のようなお話とか、モノがどこから来てどこへ行くのかとか、人類はどうやって日本へ辿り着いたのかとか。そこには壮大な浪漫と、謎と、先人たちの智慧の結晶があって、プラスアルファ現代を生きる僕らに必要な教養や常識も加わって、一つのエンターテイメントにもなる。それが地理です。
この本は、そんな地理の楽しみ方を教えてくれる、素敵な本でした。人生を変えるかどうかわかりませんが、物の見方が変われば一瞬一瞬が変わり、やがて日々が変わる。そしたら、人生だって変わるかもしれませんね。
地理が苦手な子は、これを読むべし。地理も読書も苦手な子は、誰かに読んでもらって、面白おかしく説明してもらうべし。
興味を持った勉強ほど、強いものはないからね。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
さぁ、ワクワクしながら、学ぼう。そのための教材はいくらでもある。
0コメント