カラフルに彩られた街の中、僕はオレンジ色を探していた。それは、当塾のイメージカラーでもある、僕の大好きな色だ。
赤や黄色や青に紛れて、街のあちこちに顔を出すオレンジ。慣れないカメラを担いで、それらをなるべくいい感じでフレームに収めようと、僕は先生に伺ったアドバイスを頭の中で何度も反芻する。
どんな写真を残したいのかを考えること。ピントはちゃんと合わせること。明るさを調整すること。構図を考えること。もちろん聞いたからといってすぐに上手に取り入れられるわけではないんだけれど、なんだって最初の一歩は踏み出すことが大事だ。
と、言い聞かせて写真を撮る。
ぼーっと突っ立ている標識。消えそうな字で、だけど、僕らに大切なことを教えてくれる。
花はやっぱり綺麗だ。小さく儚いけれど、強さを感じる。
小学校5年生の子がくれた贈り物と一緒に。
撮ってからオレンジではないと気づいた実。枠をはみ出して生きる逞しさを感じる。
命の灯を想起させる葉っぱ。
なんだかほっこり。
たまたま撮れたエレベーターの数字の残身。無機質の中にも生命の躍動を感じる。まぁそれは言いすぎた。
載せた写真の出来がどうこうというのは置いといて、ほぼ初めて色を探しながらカメラを持って歩いたわけだけれど、確信を持ったことが一つある。
写真を撮ることって、楽しい。
そんなことを改めて教えてくれた先生や「イルムアカデミア」に感謝です。ありがとうございました。
「イルムアカデミア」は、横浜元町にあるイルム元町スクールさんの開催するワークショップの総称です。「教育からギフトへ」を体現する魅力的な講師陣と内容が大人気で、毎回すぐに定員締め切りになってしまいます。
今回そのイルムアカデミアの「カメラを持って色を探しに行こう」編に参加してきました。
先生はプロカメラマンの竹之内さん。ご自身もプロであるイルムの甲斐先生のお師匠さんでもあります。
赤ちゃんも見守る講義は、面白おかしくてわかりやすくてタメになる貴重なお話。
お話の中で「なるほど!」と思ったのは、「技術があるとセンスがあるように見える」というお言葉。たしかに、たしかに、と首をぶんぶん縦に振りながら聞いていました。誰もこっちを見ない端っこの席でよかった。勉強でも同じですよね。だから、どちらもコツコツと練習していくことが大切なんです。
危うくこんな感じで首がもげそうなぐらいに納得しました。
詳しい中身については、ぜひワークショップで学んでいただければと思うので、ここでは割愛します。またの機会、ありますよね??甲斐先生。
そうそう、写真を撮っていて、もう一つ気づいたことがありました。僕はどうも、人が入った写真が好きみたいなんですよね。先程の赤ちゃんの写真然り。
例えば、あの標識の写真に、人が入るとこうなる。
なんだか物語が始まりそうな気配がありませんか?
あと、たまたまイルムの甲斐先生のカメラの紐がオレンジだったということもあり、後ろから何枚かパシャリしました。
絵になる男ですね。そんな甲斐先生の作品の一部はこちらで見ることができます。いや、本当素敵。
私は赤を探して歩きました。 pic.twitter.com/1OstaeZmep
— カイマサヒロ | LIFE, inc.🦉 (@ilm_owl) December 15, 2019
みんなで元町の街を色を探しながらお散歩。ワイワイ話しながら、教わりながら、写真撮るのって楽しいですね。ハマりそうです。
辿り着いた公園でも、みんなで色探し。
夢中でアリンコをとる少年。いいなぁ。僕も引っ張られて、少しだけ童心に返ることができました。
帰り際も、オレンジ探し。
いやー、楽しかった。煌く元町の道はただ歩くだけでも楽しかったけれど、色に注目すると「なんでこれはこんな色なんだろう?」と思考を巡らすこともできて二倍三倍も楽しめますね。これは、見慣れた街でやっても、きっと面白いだろうな。藤沢でも一人でぶらぶらやってみようかな。
そこからイルムに戻って撮った写真の発表会。
竹之内先生や甲斐先生の素晴らしい写真はもちろん、参加していた皆さんの写真が本当素敵すぎてビックリでした。いくつかこっそり載っけておきます。
大人の方だけでなく、小学生や中学生の子も多く居たんですが、明らかに僕なんかより上手で、しかも着眼点が良くて、色々と教えてもらいました。みんなありがとう!ある保護者の方からはお土産までいただいて、その節も本当ありがとうございました!
驚嘆しっぱなしの会を終え、中華街へご飯へ。
たらふく食べた後、「また撮りに行こう」とノリノリの皆様。もちろんその皆様の中に僕も含まれているわけです。
徒歩すぐの山下公園で、再びの撮影会。
剣玉に挑戦する少年。とっても上手でした。
なんだかガンダムみたいな柱。強そうだぜ。
海上を翔ぶカモメを捉えようとする二人。
花に始まり、花に終わる感じ。
神秘的で仕舞ったカメラを思わず取り出してしまいました。ポケットからすぐに出るスマホで撮らなかった自分にビックリ。
カメラ小僧を激写。夢中です。
昔、ある写真家は言いました。
世界はいつも、決定的瞬間だ。
暗くなってきた夕暮れ、神々しく光る噴水から水が出た時、小学生の一人が言ったんです。
「なんでみんな気づかないんだろ?」
ふっと宙へ浮かんだその言葉に、ハッとさせられました。足早に過ぎていく通行人。なんで気づかないんだろう。こんなに美しいのに。こんなに素晴らしいのに。
それを聞いて思ったんですよね。なるほど。カメラを持つことで、僕らは少しだけ世界のことを知ろうとするようになる。世界のあちこちに眠る、面白さや美しさや素晴らしさに気付こうとするようになる。
それって、とっても素敵なことじゃないか。
たまにはカメラを持って、ワクワクを見つけに行こう。
そんなことまで、なんだか教えられてばかりの一日でした。
また行こう。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
教室運営のヒントも貰えました。
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