志願者倍率と同様、エリア別に見ていきましょうか。
普通科 横浜川崎
まずは県立普通科の横浜・川崎エリアです。
学力向上進学重点校SYAHK(湘南・横浜翠嵐・厚木・柏陽・川和)の横浜翠嵐高校は志願倍率2.26から2.07へ。結構減りました。そうは言っても高校入試では高い倍率に変わりありませんけどね。神奈川トップ校ですから受検者はこの高倍率も覚悟の上でしょう。志願変更や国公立・私立併願で、実際の受検者はもう少し減ると思います。例としては、ここ5年で最も高かった2018年度はこの時点で2.35あった倍率が、志願変更後は2.17に、最終倍率は1.83に落ち着きました。
同じくSYAHKの一角、川和高校は1.44、柏陽高校は1.36、微妙に変わりましたが、どちらも安定の高倍率です。柏陽高校は1.62の昨年から見るとぐんと下がっていますが、このレベルになるとあまり関係ないでしょう。一番で合格する強い気持ちを持って受検に挑んで欲しいですね。
学力向上進学重点校エントリー校でいえば、横浜緑ケ丘高校がマイナス135人で一番志願変更が多かったようです。135人志願変更ってする方もされる方もきっと大変でしたよね。合格発表の仕組みが少し変わりましたが、こちらもシステムもうちょっと簡単に変えられないものでしょうか。
暫定倍率が1.55、志願者倍率が1.28だった横浜平沼高校は1.34。予想通り少し上がりましたね。
普通科 湘南藤沢県央エリア
続いて、横須賀三浦、湘南鎌倉藤沢茅ヶ崎、平塚県央、県西エリアです。
ここでも学力向上進学重点校SYAHKの面々から見ていきましょう。湘南高校は1.60。100人近くが志願変更し、昨年とほぼ同じぐらいになりました。ただやはり熾烈な戦いが待っていそうです。
厚木高校も暫定倍率からは落ち着いたとはいえ、近年では高目の数値となりました。やはり厳しい戦いです。改めて、県のトップ校といったこの辺りになると良くも悪くも倍率は気にしなくて良さそうですね。
志願倍率の際、私こんなことを申しました。「我らが湘南藤沢鎌倉地域は、綺麗に「元気系」が高倍率となりました」。
志願者倍率時点では、鎌倉高校が1.63、七里ヶ浜高校が1.58、藤沢西高校が1.49、茅ヶ崎西浜高校が1.22、元気系パワフルでした。ここからそれぞれ、鎌倉1.43、七里ヶ浜1.52、藤沢西1.38、茅ヶ崎西浜1.10と落ち着きました。それでもパワフルですけどね。鎌倉高校は63人の志願変更。お疲れ様でした。
対する真面目系では、
茅ヶ崎北陵高校が1.20→1.29、大船高校が1.18→1.21、平塚江南高校が1.13→1.24、鎌倉高校から少し動いたのでしょうか。
SOFTS(七里ヶ浜、大船、藤沢西、鶴嶺、湘南台)の湘南台高校は予想通り大きな変動はありませんでした。人気安定してきましたね。
鶴嶺高校はこの藤沢鎌倉茅ヶ崎地域一番の28人増。同じく、茅ヶ崎高校が20人増です。七里ヶ浜や藤沢西から流れたのかもしれません。
深沢高校は1.25から1.21。もう少し変化があるかと思っていましたが、定員が少ないこともあってしっかりとした倍率が立ちました。
ちなみに、勝手に注目している座間海老名倍率戦争は今年は海老名高校に軍配が上がりました。
普通科 相模原・市立・クリエイティブスクール
僕の地元の相模原方面。志願倍率びっくり1.49の上溝高校は53人の移動があり1.27へと落ち着きました。それでも中堅校では健闘の数字です。半分ぐらいは田名高校に流れたのでしょうか。
学力向上進学重点校エントリー校の相模原高校は例年通りの人気。でも近くのツタヤは無くなってしまいました(しつこい)。
横浜市立では金沢高校流石の人気。流動はありましたが、それでも昨年以上の数字です。クリエイティブスクールは定員割れが多いですね。新たな改革が必要かもしれません。
単位制普通科 総合科
次に、単位制の普通科と総合科を見ていきましょう。
まず目を引くのは何と言っても神奈川総合高校。後述の舞台芸術科が倍率1位(2.33)で、普通科が3位(2.00)です。今年の状況を踏まえて考えると、志願変更も少なめに見えますね。圧巻の人気。しばらくはこの人気続きそうですね。
藤沢清流高校は22人増えてなんとか1.07。藤沢総合高校は1.00。一人落ちるということでしょうか。この2校の低倍率、気になります。もう少し特色が良い形で伝わると良いですね。
横浜市立の戸塚高校、みなと総合高校も人数減らしましたが依然高倍率。気合入れて臨みましょう。
専門学科
最後は専門学科です。
神奈川県には多彩な専門学科があります。早い段階で自分の進路を決めるというのは大変なことですが、メリットも多いですよね。人気のあるところとないところ両極端ですが、学びたい学びがそこにあることは間違いないと思うので、これはこれでいいのかなと思っています。
全日制の農業科は少し数を減らしましたが、それでも軒並み昨年よりアップ。志願者倍率が高倍率だった二俣川看護福祉高校の看護科は16名の減少。福祉課へ移ったのでしょうか。
横浜サイエンスフロンティア高校や横浜国際高校はほぼ変わらず。昨年から見ると倍率は下がっていますが高いレベルの戦いが待ち受けていそうです。
まとめ
一気に見てきましたね。それではここで、志願変更を踏まえた倍率ベスト3を見てみましょう。
- 神奈川総合高校 単位制舞台芸術科
2.33 - 横浜翠嵐高校 普通科
2.07 - 神奈川総合高校 単位制普通科個性化コース
2.00
納得のベスト3。前回も述べましたが、こういった人気校とそうでない高校の二極化が進んでいます。以前から上位校と下位校の中では大きな格差が見られましたが、近年はトップ校の中でも人気格差が見え隠れしています。
今年は多くの志願変更が起こりましたが、その中でもそれほど倍率が変わっていない人気中の人気校がいくつか見られます。「この学校じゃなきゃ嫌だ!」と心からの第一希望にできる代替のきかない特色豊かな学校ということですね。そんな高校が増えていくと良いですね。
最後に、定員割れの高校です。35校あります。多い!欠員数も合わせてどうぞ。
- 県立永谷 普通科 0.51 96
- 県立生田東 普通科 0.94 20
- 県立菅 普通科 0.96 15
- 県立寒川 普通科 0.90 29
- 県立高浜 普通科 0.96 10
- 県立二宮 普通科 0.95 11
- 県立小田原東 普通科 0.85 18
- 県立足柄 普通科 0.96 9
- 県立山北 普通科 0.89 22
- 県立愛川 普通科 0.99 1
- 県立津久井 普通科 0.58 66
- 県立田奈 普通科クリエイティブスクール 0.52 75
- 県立大井 普通科クリエイティブスクール 0.68 50
- 県立大和東 普通科クリエイティブスクール 0.93 17
- 県立平塚農商 都市環境科 0.89 4
- 県立中央農業 園芸科学科 0.96 3
- 県立商工 総合技術科 0.91 10
- 県立磯子工業 機械科 0.96 3
- 県立磯子工業 電気科 0.78 17
- 県立磯子工業 化学科 0.53 18
- 県立向の岡工業 機械科 0.84 12
- 県立向の岡工業 建設科 0.70 23
- 県立向の岡工業 電気科 0.95 4
- 県立横須賀工業 機械科 0.94 5
- 県立横須賀工業 化学科 0.68 25
- 県立平塚工科 総合技術科 0.69 73
- 県立藤沢工科 総合技術科 0.84 38
- 県立小田原城北工業 機械科 0.60 31
- 県立小田原城北工業 建設科 0.50 19
- 県立小田原城北工業 電気科 0.62 29
- 県立小田原城北工業 デザイン科 0.55 17
- 県立小田原東 総合ビジネス科 0.91 11
- 県立二俣川看護福祉 福祉科 0.92 6
- 県立横須賀南 福祉科 0.62 29
- 県立津久井 福祉科 0.61 15
- 川崎市立川崎 福祉科 0.62 15
- 県立大師 単位制普通科 0.93 13
- 県立三浦初声 単位制普通科 0.96 6
- 県立平塚湘風 単位制普通科 0.95 9
- 県立厚木清南 単位制普通科 0.98 4
- 県立麻生総合 単位制総合学科 0.94 12
- 県立三浦初声 単位制都市農業科 0.71 11
- 県立吉田島 単位制都市農業科 0.97 1
- 県立吉田島 単位制食品加工科 0.95 2
- 県立吉田島 単位制環境緑地科 0.55 17
- 県立海洋科学 単位制海洋科学科一般コース 0.66 40
- 県立海洋科学 単位制海洋科学科船舶運航コース 0.82 7
- 県立吉田島 単位制生活科学科 0.89 4
- 県立相模原弥栄 単位制音楽科 0.92 3
- 県立神奈川総合産業 単位制総合産業科 0.91 22
今年はコロナの影響もあって、志望校選定が難しい年でもありました。かなチャンTVのYouTubeだけでその高校を好きになるって難しいですもんね。「第一希望じゃなかったら私立でもいい」という子も増えている気がします。そんな中で、各高校が魅力溢れる高校作りやPR活動をしていくことが、ひいては子供たちのためにもなると思います。頑張れ公立高校!
そして、今日の数字を見て腹を括り当日に挑む勇者たちが、どうかみんなベストを尽くせますように。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
まだまだ伸びる一週間!
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