知り合いの素敵な教育者の方から、こんなデータを貰いました。
神奈川県公立高校入試における英語の過去問の出題傾向を、正答率とともにまとめたものですね。素晴らしい!
◯の中の数字は、その文法を何年生の時にやったかを示したもの(教科書によって一部変動あり)。文字の色分けは、赤字が正答率低くて難しい問題ということ。逆に青字は正答率が高めでやさしめということです。
これ見ると、平均点が43点と低かった28年度の難しさがわかりますね。ちなみに、昨年度の平均点は51.9点、27年度が51.8点でした。
県教委の方のお話では、平均点は大体50点前後になるように学力検査の問題を作成しているということですから、今年度は昨年度よりも少し難易度が上がる可能性が高いです。まぁ、どうなったとしても、今はしっかり準備をすすめる期間です。
冒頭のデータにはこんな付録もついていました。
文法は3年間のものがまんべんなく出題されていますね。例えば付加疑問文の出題は見当たりませんが、間接疑問文はここ4年連続で出題されています。受け身の出題は昨年はありませんでした。近年は図や表から読み取って計算をする問題などもみられます。ただ文章を読めばいいという読解問題は少なくなってきました。
つらつらと書きましたが、誤解を恐れず言えば、こういった知識を持つことが重要なのではありません。
たしかに、過去を知るということは、とても重要なこと。でも、知っただけで終わってしまうのはちょっと勿体無い気がします。
「歴史を学ぶのは未来に活かすため」と私の尊敬する歴史の先生もおっしゃっていました。
このデータを作成した先生も同じようなことを話していました。「データをまとめたことで合格率が上がるわけじゃない。何が出る何が出ないを予測したいわけでもない。まとめたデータ、それをどう活用するかがポイント。何が求められているかを把握して、それを意識して勉強に取り組むことが大切だと思います」
そうです、重要なのは、こういったデータを踏まえ、適切な準備をすること。
中学受験や大学受験では「過去問はその学校からあなたへのメッセージ」とよくいわれます。出題傾向を把握し、それについて対策することが、合格への近道だと。
かたや公立高校受検では、特色検査を除いて基本的にすべての高校が同じ学力検査を用いるため、個々の高校からのメッセージを読み解くことは難しいです。が、県がどういう方向性で問題を作ろうとしているかを考えれば、自ずとどんな準備が必要かも見えてきます。
教育改革。学習指導要領の改定。センター試験の廃止。英語4技能習得の流れ。「教育改革スケジュール」の項でもまとめましたが、教育は確実に「社会が求めている力を育てよう」という方向に向かって動いています。
その「社会が求める力」とは、具体的には活用力と呼ばれる「思考力・判断力・表現力」のこと。学力検査の内容もそういった力が問われるような傾向の問題が増えてくるでしょう。
英語でいえば、上記でも挙げた通り、実際に英語圏で生活する時に使いそうな、グラフや図表の読み取り問題や情報のやりとりをともなう読解問題。また、これまた実際の会話表現で使うことの多い、時制や間接疑問文、道の聞き方などの知識とその使い方を問う問題がそれにあたります。
今後、スポーツや演奏などと同様に、知識を持っているだけでは太刀打ちできない入試問題というものが増えてくるでしょう。大切なのは、持っている知識をどう使うかです。そんなことを念頭に、日々そんな質問をされることを想定しながら準備をしておきましょう。
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「知識を持つことが価値になる時代は、テクノロジーの発達とともに終わった。ここからは、その知識をどう使うかを私たちが決める時代だ」
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