春一番が吹く。
雪が溶け出し、大地は温まり、
冬ごもりから目覚めた虫たちが囁き出す。
春の足音が聞こえる。
自然をたたえ、生物をいつくしむ。
昼夜の長さがほぼ同じになる日が来る。春分の日だ。
花が咲き、鳥は歌い、空は青く澄み、爽やかな風が吹く。
花見に行こうと人々は騒ぎ出す。
柔らかな雨に打たれ、よく農作物が育つ。種を植えよ、と先人は言う。
陽の光を浴びて、虹が青空を彩る。そして夜は満月が輝く。
陽気が良くなり、植物や動物にも活気が溢れ出す。
太陽が最も高く昇り、昼が最も長くなる日が来る。夏至だ。
梅雨明け。海や山に出掛けるのにはいい季節。
暑中見舞いを出そう。夏休みでワクワクしよう。
土用の丑の日にはうなぎを食べよう。
今度は残暑見舞いを出して、台風に備えよう。
秋の気配が近付く。空は高くなる。
実りある季節の訪れ。祖先を敬い、亡くなった人を偲ぶ日、秋分の日だ。
夜長を越え、早朝、草木に霜が降り始める。
稲刈りが終わり、北方から紅葉の便りが届く。
木枯らしが吹き始める。
山々は赤から白へと染まっていく。
師が走りだすほどの忙しさで、街は賑わう。
こんこんと降る雪に、動物たちも眠りの準備。
星空を見上げて、白い息を吐き、
これまでの日々をゆっくり語ろうか。
夜が長く続くから、暗闇とも友達になろう。
かぼちゃや柚子湯で厄払いをしようか、冬至だ。
鐘音で煩悩を突いたら、
羽根つき、凧揚げ、七草粥。
あけましておめでとうございます。
季節はまた、巡ってゆく。
って、塾の先生が年中行事のテストのために作ってくれた文章を、
読みながら、私は「世の中のこと何にも知らなかったなぁ」って呟く。
家でおじいちゃんやおばあちゃんに知らない言葉の意味を訊いたら、
嬉しそうに色々教えてくれた。世界には面白いこと、沢山あるなぁ。
今日聞いたこと、明日、塾の先生にも話してみよう。
「花や草や木。小さなものから、僕らは日々や季節の変化に気付ける。
同じ日は二度無いと、知っていれば今日をもっと大切に出来るね」と先生は笑った。
どんなに似ていても、同じように過ぎていこうとしても、
そうだ。今日は、昨日とは違う日。
0コメント