ほっこりしたくて読みました。期待通りに、見事にほっこりさせてくれました。
カラテカ矢部太郎さんの著書『大家さんと僕』を読みました。4コマ漫画風のエッセイです。
トホホな芸人と大家さんのあたたかな日常。泣き笑い、奇跡の実話漫画。
話題の本だったので何気なく手に取ったら、止まらなくなって全部読んでしまいました。
個人的に好きなのは誕生日のやつかな。オチも秀逸でした。矢部さん、じっくり考えて作れる本みたいな媒体の方が、テレビより向いている気がしますが、余計なお世話でしょうか。
この本を読んでいて頭をよぎったのは、生徒によく言うこんな言葉です。
「面倒臭いことって大事だよ」
計算を間違えないように途中式を書く、英単語を覚えるために紙に書く、みたいな「面倒臭い」って言われるようなことをしている生徒にかけることが多い言葉ですが、
人と人も同じだよなぁって、改めてこの本が教えてくれた気がします。
関わりが増えれば増えるほど、面倒臭いは増える。でも、その面倒臭いは、みんながどこかで求めているものなのかも。
人と関わるって、それも今まで話したこともないような他人と関わるって、とっても面倒臭いことのように感じるけれど、そこには奇跡の日常が横たわっていて、泣き笑いが秘められていて、とびきり嬉しい宝物が眠っているのかも。
楽ばかり求めてちゃ手に入らないものの素敵さを、気付かせてくれる素敵な本でした。
人は、面倒臭いを集めて、生きる。そこにかかる一手間は、人手間。だから、あたたかいし、心地よい。僕らはいつでも、そんなものを求めている。
いつか必ず終りが来ることを予感させる描写が切ないけれど、だからこそ続編が読みたいなぁ。ずっとずっと見ていたい物語でした。
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