「予習ペースをね、4ペースって呼ぶんだよ」
ベテラン講師が生徒へと予習の効果を説明していました。それにしても「4ペース」とは懐かしい響き。昔、予習をしていくと内申4以上が取れるよ、という意味で名付けたのです。
塾での生徒指導も、大きな問題がなければ、予習ペースでの指導をすることが多いです。
それでは、予習の強みとはどんなところでしょうか。今日はそこんとこまとめてみました。
予習のいいこと:早めに課題がわかる
基本的に、予習をするには、今までの内容がそれなりに頭に入っていなくてはなりません。特に英語や数学といった積み重ね科目はその傾向が強いです。
ですから、前提として、予習をするにはそれまでの内容の復習が必要。そこがぐらぐら揺れている状態だと、いくら予習をして新しいことを積み上げても、すぐにバランスを崩して崩壊してしまいます。
予習できるということは、最低限の必要なことが頭に入っているということです。逆に、予習できないということは、何かが足りていない証拠です。
成長は、まず課題を見つけることから始まります。課題が見つかれば、それを解決するだけですからね。予習は、その「課題発見」に役立つのです。しかも早期発見に。
逆説的ですが、まずこれが予習の効果です。
予習のいいとこ:先回りするから余裕と自信が身につく
これが4ペースたる所以でしょうか。
予習とは、先回り。塾でする予習では、基本的に学校内容の先取りをすることが多いです。
学校よりも先に新しい内容についてやりますから、学校で授業をするときには、その内容についてはもうわかっています。ですから、少し余裕を持って授業が受けられます。気持ち的に不安にならずに学べるのです。
これは特に真面目な子に効果的です。不安が多いとうまく本領発揮ができない子がいるんですよね。予習しておくことで、しっかり準備をして落ち着いて授業に取り組めるので、最高のパフォーマンスが狙えます。
また、予習のおかげで「わかる内容」を聞くので、姿勢が良くなります。「わからない話」はつまらないですからね。そのせいで授業態度で損していた子たちは、姿勢が変わるだけで内申が良くなったりします。
さらに、授業の中で「わかる!」が手に入りやすいので、勉強に対しての自信もつきやすいです。これも、今まで勉強が苦手だった子に特に効果が表れます。
自信がつく最大のチャンスは、先生から問題を解く指示が出された時。予習をしている子は、もちろん予習のおかげで問題が早く解き終わりますから、そこで顔を上げて周りがまだ問題を解いているのを見て、僅かながら優越感に浸れます。
これが「俺(私)できるかも」を生みます。
人間は感情の生き物ですから、一度そういった自信が生まれてしまえば、困難に出会っても、簡単に諦めることがなくなります。立ち向かう力が強くなるのです。結果、問題演習量は増えて、成長速度が増します。
さらに、予習を続けていけば、テスト前にはテスト対策を余裕を持って実施できます。部活で例えるならば、本番の試合前に練習試合を沢山行えるわけですね。これはテストの得点を上げるにはとっても効果的。
勉強が得意な子はもちろんですが、勉強が苦手な子は復習単元を絞ってなるべく復習ではなく予習ペースに持っていけると、ことテストの点数が上げやすいイメージがあります。
『春は差がつく季節!勉強が苦手な子ほど予習をしたほうがいい理由』でも、このあたり詳しく説明しています。ご興味あれば。
予習のいいこと:自力がつく
例えば塾を使って予習する場合だって、予習をするということは新しい内容に触れるわけですから、知らない内容もしくは少し工夫が必要な内容に直面したりもします。
もちろんこちらで説明をしてから問題に挑戦する場合が多いですが、人によってはあえてすべてを説明せず、自分で例題を読ませて問題に取り組ませる場合もあります。
その方が、自力がつくんですよね。
成長の一番のチャンスは、自分ができないことにぶつかった時です。できないことができるようになる、のが成長ですからね。
できないことにぶつかる。考える。試す。時には誰かにヒントを貰う。できるようになる。できるようになったものを繰り返して独りでできるようにしたり精度やスピードを上げたりする。
このプロセスの繰り返しが、結果を出すことにつながります。
それが一人で行えたら、もう言うことはありません。そして、そのためには、自分で読んで自分で考えて自分で調べて自分で解くことが必要不可欠なわけです。
復習が自分の中にある1を2や3にするものだとしたら、自分一人で初めてみる問題にぶつかった時は0からどう1をつくるか考えるタイミングと言えるでしょう。それはとっても苦しい瞬間ですが、間違いなく一番の成長ポイントです。
いわばこの0→1を練習しやすいのが、予習の強みで、それをすることで『勉強力』が身につきます。勉強の体力がついてくるということです。
逆に、すぐに「わかんない」と投げ出す子は、予習には不向きです。ある程度考える練習をしておくこと、自力をつけておくことが、上記の「予習のいいこと」をすべて体感できる最高の予習を生むのです。
まとめ
冒頭のベテラン講師と生徒の会話に戻りましょう。
ベテラン講師の説明を受けて、生徒も予習の大切さが身に沁みた様子です。
「予習って大事なんですね」なんて言葉も出てきました。でも、その後の一言が余計でした。
「じゃあ復習はいいですね」「そういうことじゃない」
そう、そういうことじゃない。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
正解はやっぱり人によって違うけれど、勝てそうな方法を知っておくことは大事。
0コメント