『世界最高の子育て』を読みました。
全米最優秀女子高生に輝いた女の子の母親であるボーク重子さんによる教育本です。
「人生が変わる 1分間の深イイ話」にも著者が出演!世界でいま、最も重視されている<子どもに必要な5つの資質>●学習習慣●自分で考える力●回復力●やり抜く力●自己表現力を伸ばす方法について。
◯世界最先端の教育が重視するのは「学力」ではない!?ケネディ一家、ブッシュも通った米国トップスクールに共通する最高の教育法とは? 〇グローバル大学で重視されるのは「非認知能力」とは 〇なぜハーバードはテストが満点の学生を合格させなかったのか 〇日本ではなぜ「自分で考える」子が育たないのか 〇子どもと「否定しない」「教えない」で会話する 〇進学先はランキングで決めずに、子供なりにPROs&CONsを考えさせる 〇「考える力」のある子はそれだけで立ち直るスピードが早い 〇ヘリコプター・ペアレンツは絶対にやめる 〇少人数教育こそが子どもの「自己表現力」をやしなう
帯に書かれていた【世界で最も重視されている力】とは何ぞやと、興味本位で購入し、あっという間に読み終えました。
日本とアメリカという風土や文化の違いはあれど、「たしかにこの力は大切だなぁ」という要素について、エピソードや科学的データを交えて語られており、読みやすくわかりやすい本でした。
読みながら『残酷すぎる成功法則』を思い出してましたね。あの本よりも主観的なエピソードが入る分、読みやすい感じを受けました。ただ、そのエピソードが、前述の文化の違いなどもあってすんなり入ってこないことも。
ただ、語られている内容は理解しやすく、とっても学びになりました。色々なことが書いてありましたが、個人的にまとめると、「世界最高の子育て」のポイントは、「子ども主体である」ことだと思いました。子どもたちの物語の、主人公はいつだって子どもたちであるべきですからね。
そして、もう一つ刺激を受けたことがあります。それは、英語塾を開かれたというお母様のエピソードや、重子さん本人の考え方が変わっていったエピソードなどを通して語られる「大人だっていつでも変わっていける」ということです。僕も頑張らなくちゃ、という気にさせられましたね。
そんな学びと刺激を受けた本から、も一つ学んだことが今日のテーマです。本日は、「学力ではない世界で重視されている力」の一つとして説明されている「レジリエンス」というものについて、一緒に学んでいきましょう。
「レジリエンス」とは
本書の130ページにこんな記述があります。
実は今、世界のエリート校が最も注目していると言っていい分野が「レジリエンス」です。
「本当に!?」と思いながら、読み進めました。
ちなみに、「レジリエンス」を日本語で訳すとすると、「精神的回復力」や「弾力性」、「折れない心」となるそうです。アメリカの心理学会では、「逆境、トラウマ、悲惨な状況、脅威、ストレスなどの重大な原因に直面したとき、うまく適応していく過程」とされています。
これはたしかに必要な力だなと頷きながら読みました。人間は感情の生き物で、その感情の状態でパフォーマンスは大きく変わってきますからね。
例えば嫌なことを言われた後の不安定な心持ちではベストな行動が取れないときがあります。そこから早く立ち直れるのは「レジリエンス」が高いということです。逆境に立ち向かえる心の強さ、とも言えますね。
僕がその後の記述の中で特に注目したのは、この「レジリエンス」は訓練で高めることができるという点です。
この本ではその「レジリエンス」の訓練方法として、「心をポジティブに保つ」「想像力で選択肢を広げる」「良好な人間関係を築く」などが挙げられています。
「心をポジティブに保つ」はイメージがつきやすいですね。人間は放っておくとついついネガティブになりやすい生き物。心をなるべくポジティブに保ち続けるには、それなりの工夫が必要です。ここでは書かれていた一つを抜き出してご紹介しましょう。
これは僕もよくやっているのですが、寝る前に「あー今日も一日楽しかった」とその日あった楽しかったことを想像してみると効果的と書いてありました。また、ノートに書き出すとさらに効果的になるそう。僕も加えてやってみようかな。
「想像力で選択肢を広げる」に効果的なのは、広い世界を見せてあげること。クリエイティブな習い事などがオススメされていましたが、読書なんかもいいですよね。『かがみの孤城』や『未来』なんかは想像力が広がりそうです。
「良好な人間関係を築く」は、やはり家族の取り組みが重要視されています。例えば親が失敗に寛容であったり、自身の失敗する姿を見せたりすることで、子どもの「ここは安全地帯なんだ」という認識が強まるといいます。「失敗は悪いことじゃない」という認識を持った子は「レジリエンス」が高まりやすいとか。
また、誰かと比べることは「レジリエンス」の低下につながるとされています。比べるならば、過去の自分と比べてあげましょうと。これは確かにですね。子どもたちと関わる大人になりやすい教育者の一人として、気をつけたいポイントです。
本書では最後に、「目的意識」を持つ大切さについても書かれています。
行動すれば必ず壁にぶつかります。失敗しない人は何もしない人ですからね。そんな時、もう一度自分を奮い立たせるのは、ある時には自分自身よりも大きな存在に成り得る「目的」だといいます。
そのことに関わる、本書でも引用されている素敵な言葉を紹介しましょう。Facebookの創始者ザッカーバーグさんの言葉です。
「目的」とは自分が必要とされ、より良い未来のために日々頑張っていると感じられる感覚のことであり、「目的」こそが本当の幸福感をつくる。
加えて自身や偉人たちの失敗体験について触れています。
J.K.ローリングは『ハリーポッター』を出版できるまでに12回も断られ、ビヨンセは「Halo」を作るまでに何百曲と作った。大きな成功は「失敗する自由」によって生まれるのだ。
成功者たちが成功したのは、成功するまでやめなかったから。そこに関係する重要な要素が「目的意識」であり、この「目的意識」をしっかりと持つことが、「レジリエンス」の強化に役立つわけですね。
「なんのためにやっているの?」
生徒たちにもどんどん問いかけていこうと思います。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
僕の答えは、ここに。
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