国語力の正体。その万能な力の使い方と、低学年からでもできる伸ばし方について


「小さいうちからやっておいたほうがいい習い事や勉強ってありますか?」


塾の先生というお仕事柄、訊かれることの多い質問です。基本的には好きなことをやらせてあげてくださいと伝えるのですが、よく付け加えてお伝えすることがあります。


それが「国語力を伸ばしておくと、後で楽チンになりますよ」ということ。


本日はそんな万能な力「国語力」がテーマです。気になるその正体に迫っていきたいと思います。



そもそも国語力とは



「国語力ってなんですか?」


そう生徒や保護者の方から質問されたときに、いつもお伝えする一言があります。社員研修の場や、国語の授業をする際の冒頭にもよく使います。


◯◯力というのは便利な言葉ですが、とっても抽象的なので、具体的に示しておかないとその後の指導やコミュニケーションで困ることがあるんですよね。ちなみに、「具体的」とは、お互いが同じものを思い浮かべられることをいいます。「野球選手」はどちらかといえば抽象的で、「イチロー」は具体的ですね。


前置きが長くなりました。それでは早速その一言をお伝えしましょう。


僕が考える国語力とは、「相手の求めているものを返す力」です。


わかりやすい例を出して説明しますね。お母さんと子どものやり取りを想像してご覧ください。


「何食べたい?」

「筆箱!」

「!?」


これは国語力のない会話の例です。相手の求めているものを返せていませんね。本当に筆箱が食べたいなら問題はありませんが、僕は今までそんな人を見たことがありません。


これを国語力のある会話の例に直してみましょう。


「何食べたい?」

「ハンバーグ」

「じゃあ今から作るね」


会話らしくなりました。そう、後述しますが、国語力は勉強だけでなく、コミュニケーションにおいても重要な力です。


では、さらに国語力を高めてみましょう。どんなことが起こるでしょうか。


「何食べたい?」

「(そういえば余り物のパスタとベーコンがあったな。時間がないって言ってたしこれがいいんじゃないかな)ペペロンチーノ」

「(助かったわ)じゃあ今から作るね」


どうでしょう、巷ではこれを「空気を読んだ会話」なんて風にも呼びます。本当の親子間でここまで気を使う必要はないかもしれませんが、荒波が打ち寄せる現実社会の中では、この空気を読む力が必要不可欠になるときもあるのです。


さぁ、「相手の求めているものを返す力」国語力の正体が掴めてきましたか。


また、この国語力の中には、さらに色んな力が含まれています。語彙力や論理的思考能力、表現力や作文力、インプット力、アウトプット力、挙げればキリがないくらいです。その伸ばし方は後述するとして、まずはこの力の使い所について説明していきましょう。


「万能の力」としているだけあって、あらゆる局面で活用ができますが、ここでは大きく分けて2つの使いみちをご紹介したいと思います。



国語力の使いみち ①勉強で使える!



塾ブログですのでまずは勉強のお話から。


言わずもがな国語力は勉強においても大切です。大切どころか、すべての科目の基礎ともいえるぐらいの代物です。国語だけではなく、算数や英語や実技科目にだって大切です。


これまたわかりやすい例を挙げて、なるべくシンプルに説明しましょう。


勉強の成果をみられるのってテストのことが多いですよね。そのテストは「相手の求めているものを返す」ものです。まさしく国語力の本領発揮する場所ですよね。


口頭でも、ペーパーでも、コンピューターを使ったテストでも、あなたに何か求めてくるのは変わりありません。さぁ、国語力の出番。


「りんごは何色ですか?」という問いに正解するには、「りんご」や「色」といった語彙がなければいけませんし、「りんごは赤色」等といった知識も必要ですし、「いや、青い場合もあるな。ここで訊かれているのはどれのことだ」といった論理的思考能力も必要です。


国語力が低いと、相手の求めているものが読み取れなかったり、適切な答えが返せなかったりします。そもそも問題が何を言っているのかわからなかったり、「どんなとき?」って訊かれているのに「◯◯なこと」って答えたりするのはその典型です。


逆に言えば、国語力があればテストは楽になります。良いか悪いかは別にして、「ここは解の公式の単元だから解の公式使うんでしょ」みたいに相手の意図を読んだりすることもできますからね。


さらに、国語力は知識を入れるときにも役立ちます。テストの時だけでなく、普段の勉強やテストの準備にも役立つということです。下の図をご覧ください。

図の青い部分が「国語力」です。


ここがしっかりしていると、知識は積み重なっていきます。知識の土台のようなイメージですね。逆にここがしっかりしていないとせっかく入れた知識もどんどんこぼれていってしまいます。授業でもらった説明や知識が、あっという間に消えてなくなってしまうのです。


知らない言葉や読めない単語が覚えにくいのと一緒ですね。イメージができない得体の知れないものは脳がどんどん捨てていきますから、本来はつながって広がっていく知識も、各々が結びつかずにまるでザルに水を注ぐように落っこちていきます。


これでは、せっかく勉強を頑張っても、なかなか成果に結びつきません。だって、頭にストックされないのだから。


テストの際「わからない言葉が多い」「読めない漢字が多い」「そもそも読む気が湧かない」という方、また、テストが返ってきた時「あっていると思ったのに間違っている問題が多い」という方は、注意が必要です。勉強不足もあるかもしれませんが、国語力不足も疑いましょう。


もちろん科目ごとの勉強は大切ですが、その前に国語力をつけておかないと、いくらやっても伸びが悪くなってしまいます。それは勿体無い。


国語力の伸ばし方は後述するので、苦しんでいる方はぜひ参考にしてみてください。大丈夫。今このブログをここまで読め進めてこられた方には国語力の素質ありです。


なんて冗談っぽく言っている場合ではありません。このままではどんどん長くなってしまいます。次の使いみちに参りましょう。



国語力の使いみち ②コミュニケーションで使える!



「万能の力」国語力は、もちろんコミュニケーションでも使えます。


国語力が高い人は、「空気を読める」「会話が面白い」「聞き上手」「頭の回転が速い」「説明がわかりやすい」と言われることが多いです。


語彙が豊富で論理的な思考ができて表現も多彩なので、相手の話もわかるし、求めている返答ができるわけですね。理解も早く、何をやってもそこそこ習得が早いです。


逆に、国語力が弱い人は、相手の言っていることを読み取れず、自分の云いたいことを伝えられず、コミュニケーションが楽しめません。ひどい時には騙されてしまいます。そう、詐欺防止にも国語力は重要なのです。オレオレ詐欺対策にはぜひ国語力の勉強を。


めっちゃいいじゃん!国語力!と思った方、正解です。めっちゃいいんです、国語力。


この国語力の良さについて語ろうとすると、まだまだ文字数が増えることになるので割愛しますが、上記に挙げた以外にも国語力の活用のポイントは至る所にあります。また機を見てこのブログでもご紹介していきますね。


そして、お待たせ致しました。実はこの国語力は、簡単に鍛えることができます。もちろん、時間はかかるものではありますが、勉強が苦手という方でも大丈夫。それに、小学生低学年やもっと前からのトレーニングも可能です。筋トレよりイージーですね。


それでは参りましょう。「相手の求めているものを返す力」国語力の鍛え方、オススメの3つの方法のご紹介です。



国語力の伸ばし方 ①本を読む



国語力の鍛え方ひとつめは、端的に言ってしまえば「読書」です。


誤解を恐れず言えば、読むものは何でも構いません。特に最初のうちは気にしなくて大丈夫です。絵本でも、新聞でも、ライトノベルでも、漫画でもいいです。


自分で読むのではなくて、読み聞かせでもいいです。ん、ちょっとストップ。読み聞かせでもいいです、と言いましたが、上手な人がやるなら読み聞かせのほうがいいです。


わからない言葉や表現を本人に合わせて解説ができますし、音やイメージと併せてその子の世界を広げることができるからです。これは小さなお子さんだけではなく、高学年や大人にとっても効果的です(例えば大人では同じ本を同時に読んでいく形です)。時間はかかりますが、自分ひとりで読むよりも国語力の上昇を促します。


どちらにしても大事なのは、知っている言葉の意味を確認したり知らない言葉を知ったり自分の内にない考えを見つけたり自分の知らない世界に出会うことです。また活字慣れや表現技法、言葉の使い方等を学ぶという効果もあります。


それが語彙力や論理的思考能力、作文力などにつながるわけですね。しかも人間はもとより物語好き。好きなもので楽しみながら学べるというのは大きいですね。


読書に慣れてきたら、自分があんまり興味がない分野に手を出してみましょう。興味が無いということは自分の中にあんまり情報がない分野だったりするので、そんな本を読むだけで、飛躍的に語彙が増え、頭の中に多くの考え方の引き出しが備わっていきます。


好きな本を何回も読むというのもいいです。同じ本でも読む度に気付きは増えるはずです。「色んな角度から考えると見え方が変わること」も学べます。また、文章を覚えるぐらい読みこむことで、自分が文章を書く時の参考にもなりますね。また、過去には発見できなかった心の機微や謎を見つけることで、国語力のレベルアップ具合を確認することもできます。


読めば読むだけ、国語力の経験値が貯まっていきます。それを続けていけば、ある時、自分でも気付かないぐらい静かにひっそりと、知らぬ間に国語力はレベルアップするはずです。


あなたが保護者の方で「じゃあ子どもに読書させよう」という時の注意点は、「決して強制しないこと」です。人からやらされるものは面白くありません。せっかくの読書をつまらなくさせないように、読み方や読む本に口を挟むことは極力やめましょう。


途中で投げ出していたとしても、それが無駄だということではありません。大人の私達ですら、途中で飽きてしまう本はありますよね。放っておいて、例えば図書館や本屋さんに行く機会を増やして、本人にとってもっと素敵な本に出会う可能性を上げてあげましょう。


今回、国語力を伸ばす方法のわかりやすい例として「読書」を出しましたが、同じようなものとして「テレビを見ること」や「映画を見ること」「ネットを見ること」でも国語力を鍛えることができます。


ただ、勉強やテストでは口頭よりもそもそも文章を読む力が問われることが多いので、中でも一番のオススメは同時に活字にも慣れることができる「読書」になります。ネットなどではまだまだ文章自体に不安がありますしね。


「うーん、でも読書苦手…」という方、安心してください。他にも国語力を伸ばす方法はあります。次の鍛え方に参りましょう。



国語力の伸ばし方 ②人と話す



「うちの子、本を読むことが苦手で…」というときに、「国語力が伸びるから!」といくら読書させようとしても徒労に終わることが多いです。


そんな悩みを持つ保護者の方には、国語力の伸ばし方として、よくこんなことをオススメします。


「いっぱいお話をしてあげてください。見たもの、聞いたこと、気付いたもの、面白かったこと、嫌なことや不思議だと思うことについて、たくさん話をしたり聞いてあげたりしてください。それだけでも国語力は伸びていきます」


そう、人と話すことでも国語力は伸びていきます。語彙が増え、考え方の幅が広がり、表現の仕方が身についていきます。活字慣れは期待できませんが、国語力の土台作りには有効です。


ちなみに、そのお話のお相手は、親じゃなきゃいけないということはありません。子ども同士でもいいのですが、国語力をつけるという意味では、やっぱり大人の方がいいでしょう。理想は色んな大人の方と関わらせること。考えの幅が広がります。特に、国語力の高い大人と話をすることは、子どもたちに劇的な効果を与えます。積極的に出会わせましょう。


もっと言えば、話すことだけではなく、色々な経験をすることでも国語力は伸びていきます


色んな場所へ行きましょう。色んなことに挑戦しましょう。色んな人に会って、色んな考え方を知りましょう。そのすべてが、国語力につながります。大袈裟に言えば、生きていることが国語力につながるのです。


そして、ぼんやりと生きているよりは、一生懸命生きている方が、国語力は高まります。当たり前ですよね。経験の回数も、密度も増えるわけですから、比例して国語力もアップします。


「あー生きてる!」と自身が実感できるぐらいの経験を探して、とりあえず手や足や口を動かしてみましょう。やがてそれは勉強にも役立ちます。そして、勉強だけでなく、人生にも。



国語力の伸ばし方 ③問題を解く



最後の国語力の鍛え方は、「問題を解くこと」です。なんだそりゃ、当たり前ですね。


当たり前ですが、皆さんそんなに問題を解いているでしょうか?


算数や英語に比べて、国語の問題は軽視されがちです。しかし、前述の通り、日本に暮らす子どもたちにとって、最も大事な科目が国語と言っても過言ではありません。英語の問題ですら基本国語で書かれているのですから。


もちろん、他科目の問題を解いても国語力を伸ばすことはできますが、やはり国語力アップに効果が大きいのは、国語の問題を解くことです。漢字や読解、作文で力を磨きましょう。


読める漢字が増えれば語彙につながります。指示語や接続詞などの使い方を身につけていけば、相手の言いたいことが読み取りやすくなります。文法を知れば、難しい文と向きあえるようになるし、作文を学べば、自分の言いたいことを相手に伝えやすくなります。


すべては「相手の求めているものを返す」練習です。漢字や文法や技法や言葉は、そのためのアイテム。国語の問題を解きながら、各種アイテムの使い方を覚えていきましょう。


以下にお家で国語の問題を解く時の要注意チェックポイントをまとめておきました。最低限のものになりますが、参考になれば幸いです。


  • 知らない語句は印をつけておくなどして後で必ず調べられるようにしておく
  • プチ記述問題は国語力チェックにちょうどいい。例えば「のどがかわくときはどんなときか答えなさい」という問題に「◯◯なとき」で答えられていない場合(「暑いこと」や「暑い」と答えてしまっていた場合)、なぜ答えられなかったか理由をはっきりさせて対処できるといい。相手の求めているものを返す、という考えのいい例になる
  • 余裕があれば音読する
  • 間違えた問題は特にその答えを選んだ理由を言わせる
  • 間違えを悪いことだと思わない。それは成長の最大のチャンス。間違えた問題を次にできるようにするのが「勉強」


もし質問などある場合は、お気軽にプロフィールからメールを下さい。僕で良ければ、可能な限りアドバイスをさせていただきますね。


さて、だいぶ長くなってしまったので、「相手の求めているものを返す力」国語力のお話は一旦ここでおしまいです。


「そろそろおしまいにして」というPCの前のあなたの考えを読み取った形ですが、当たってますかね。僕の国語力が試されています。


本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。

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塾という場所が好きです。生徒の成長する姿を見るのが好きです。生徒や保護者と未来の話をするのが好きです。合格や目標を達成して一緒に喜ぶのが好きです。講師と語り合うのが好きです。教材とにらめっこするのも好きです。新しい人と出会うのも好きです。藤沢の街が好きです。ブログも、好きです。

勉強犬

「第二の家」学習アドバイザー。
世界中に「第二の家」=「子どもたちの生きる力を育てる場所」を作ろうと画策中。過去に3000人以上の生徒の個別指導経験を持つ。元広告営業犬。学生時代は個別指導塾の講師。大手個別指導塾の教室長(神奈川No,1の教室に!)・エリアマネージャーを経て、2015年ネット上で「第二の家」HOME個別指導塾を開設。

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