先日、18祭というNHKの番組を見ました。
初回の放送は見逃してしまったのですが、念願叶って再放送で視聴することができました。
18祭とはその名の通り18歳のお祭り。そのお祭りには毎年アーティストが参加して、会場に集まった1000人の18歳とパフォーマンスを繰り広げます。
それだけじゃありません。番組では、その場へ向かうまでの全国の色んな18歳にフォーカスを当てて、彼らや彼女たちの物語を丁寧に描いていくんですよね。
不登校の子だったり、吃音に悩む男の子だったり、人間関係で悩む女の子だったり、自分に自信がなくて踏み出せない子だったり。
そして、今年の楽曲提供は『君の名は』でも有名なRADWIMPS(ラッドウィンプス)。こう書くと「いや、君の名はだけじゃないし」と昔からのファンの妻には怒られますが。
僕もこの番組で初めて知ったんですが、RADWIMPSのメンバーの方々も決して順風満帆な高校時代を過ごしたわけではなかったといいます。
彼らが、過去の自分達へ、そして、今の若者達へ、想いやメッセージを詰め込んだ素晴らしい楽曲を、希望と不安を抱えた18歳1000人とみんなで歌ったり身体で表現したりする。
そりゃ、すごくならないわけがない。
今回提供されたのは『万歳千唱』と『正解』という2曲。どちらも素晴らしくいい曲でした。
もうとにかくすさまじいその歌を誰かに紹介したくて、勝手ながら歌詞をタイピングしてみました。
作詞作曲はRADWIMPSの野田洋次郎さん。彼の「一緒に歌いましょう」で、その音楽は鳴り始めます。
『正解』
この先に出会うどんな友とも 分かち合えない秘密を共にした
それなのにたったひと言の 「ごめんね」だけ やけに遠くて言えなかったり
静かなピアノのイントロと合唱と綺麗な洋次郎さんの歌声で、物語は始まりを告げます。
明日も会うのになぜか僕らは 眠い眼こすり 夜通しバカ話
明くる日 案の定 机並べて 居眠りして 怒られてるのに笑えてきて
綴られているのは、親友との物語。イメージが膨らみます。
理屈に合わないことを どれだけやれるかが 青春だとでも
どこかで僕ら 思っていたのかな
ここからが圧巻のサビ。
あぁ 答えがある問いばかりを 教わってきたよ
そのせいだろうか
僕たちが知りたかったのは
いつも正解などまだ銀河にもない
一番大切な君と仲直りの仕方
大好きなあの子の 心の振り向かせ方
なに一つ見えない 僕らの未来だから
答えがすでにある問いなんかに
用などはない
力強い「用などはない」に心震えましたね。僕も塾の先生という身で、「用などはない」は言いすぎじゃ…と思う半面、そのぐらいの力強さをもって生徒たちには生きてほしいなとこのフレーズに拍手を贈りました。ここで「答えがすでにある問い」の大切さを語るのは野暮でしょう。
そして、ここからの2番は、なんと18歳のみんなだけの1000人での合唱。歌に込められた意味を見つめ直しながら、精一杯歌っている姿と声は圧巻でした。
これまで出逢ったどんな友とも 違う君に 見つけてもらった
自分をはじめて好きになれたの
分かるはずない 君に分かるはずもないでしょう
並んで歩けど どこかで追い続けていた 君の背中
明日からは もうそこにはない
あぁ 答えがある問いばかりを教わってきたよ
そのせいだろうか
僕たちが知りたかったのは
いつも正解など大人も知らない
喜びが溢れて止まらない 夜の眠り方
悔しさで滲んだ 心の傷の治し方
傷ついた友の励まし方
そして、静かに語りかけるように、洋次郎さんがソロで謳い始めます。
あなたとはじめて 怒鳴りあった日
あとで聞いたよ 君は笑っていたと
想いの伝え方がわからない 僕の心 君は無理矢理こじ開けたの
そして、ここから。すべてを出し切るように、誓うように、18歳のみんなの口が開きます。
あぁ 答えがある問いばかりを教わってきたよ
だけど明日からは
僕だけの正解をいざ 探しに行くんだ
また逢う日まで
物語は、クライマックスへ。
次の空欄に 当てはまる言葉を 書き入れなさい
ここでの最後の問い
「君のいない明日からの日々を
僕は/私は きっと □□□□□□□□□□□」
映し出される、18歳たちの物語。
制限時間は あなたのこれからの人生
過去を振り返って涙が溢れて止まらないあの子も
解答用紙は あなたのこれからの人生
コンプレックスに苦しみ、なかなか前を向けなかったあの子も
答え合わせの 時に私はもういない
最初はこの歌詞に共感できなくて、でも、ここで仲間ができて人生で初めて歌詞の意味がわかったあの子も
だから 採点基準は あなたのこれからの人生
18歳のみんなの誰もが、心を込めて、泣きながら、笑いながら、振り絞る声。
「よーい、はじめ」
光と拍手と涙と笑顔に包まれたお祭りの終わりを、画面のこっち側で、僕はただただ呆然と眺めていました。
そのお祭りの参加者の一人が、こんな事を言っていました。
「一人で成し遂げられないことも、みんなでなら成し遂げられる」
またある子はこんなことも。
「ネガティブな力に負けないようにしたい」
そして、僕も学びや刺激を受けたこんな言葉も。
「諦め方を覚えない」
みんな、冒頭では苦しんだりすごい悩んでいたりしたのに、終わった後すごいいい顔してたんですよね。
各々が、ちゃんと誰もが絶対に自分の内に持っている素敵な輝きに気付けた感じがしていて、なんだかそれを見ている僕も無性にテンションが上がって、なぜかとっても嬉しかったんですよね。
生徒たちにも、こんな風に自分や周りの世界の中にキラキラしたものがちゃんとあること、忘れずに知っていてほしいな。
人生は不条理でどうしようもないこともいっぱいあるけれど、たったそれだけで、答えなんてでやしないから。
自分らしい最高の人生の正解探しを。
番組に参加した皆様、関わった皆様、なんだかこんなおっさん(犬)でも勇気をもらえる贈り物を、どうもありがとうございました。
最後に『万歳千唱』の力強いサビのフレーズでお別れをしましょう。
君の中のカナシミを喜ばせて 君の中のクルシミを勝ち誇らせて
なぁどうすんだよ おいどうすんだよ
その影に隠れ震える笑顔の手を取れるのは
君だけだろう
さぁ、その手を掴みに行こう。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
「笑われたりしないことが君の生きるゴールなの?」と自分にも問いながら生きようと思いました。
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