さぁ、始まりました。僕の好きな過去問シリーズ。シリーズと言いながら、第一回目です。古今東西の過去問の中から、僕が好きな問題をピックアップして、勝手にご紹介しようというなんとも塾ブログっぽい企画です。
企画の是非が問われる大事な初回にご紹介する過去問題は、読解力と想像力が試される良問。
神奈川県公立高校入試学力検査より、平成26年度(2014年度)の数学から、神奈川県に伝わるあの伝説の方程式問題、大問5をご紹介致します。ちょっと大袈裟に書きましたが、あくまで僕の中での伝説です。
この年はたしか100点満点になって2回目、まだ小問集合が問2で関数が問3にあった時代ですね。この年の数学の合格者平均点は51.7点。100点満点になってからは平成28年度と併せて最も平均点が低かった年です。
そんなこの年の問5は、連立方程式の問題でした。
正答率は、3.7%。空間図形の最終問題に次いで正答率が低かった問題です。難問だったのでしょうか?いやいや、そこにはある秘密が隠されていました。
腕に自身のある方は、お時間差し上げますのでぜひチャレンジを。
シンキングタイム。
はい、終了です。
いかがでしたでしょうか。ではでは、ゆったり解説していきましょう。
まず文を読んでみます。この文章のみの潔い構成が大好きなんですよね。国語好きの僕の血が騒ぎます。
なになに。「Aさんの家からBさんの家までの道は1通りで…」か、なるほど、なるほど。お互いの家までの行き方が1通りなんて、これはめっちゃ近いってことかな。二人は親友かな。そんな想像を膨らませながら読み進めてみると、
「この道の途中にはC商店があり、Aさんの家からC商店までは上り坂、C商店からBさんの家までは下り坂であり、これら2つの坂の斜面の傾きの角度は等しく、Aさんの家からBさんの家までの道のりは1200mである」だと?
ここ、どんな町やねん。
1200m一本道。曲がり角がない町。そう、ここはトワイライトタウン。謎と数学が支配する場所。
………はっ。
いけない、いけない。違う世界へ意識が飛んでしまいそうでした。というか、飛んでました。恐るべし、大問5。
そんな罠をくぐり抜け、最後まで文を読んで立式をしようとするあなたに、今度は第二の罠が襲いかかります。ちょっと一緒に進んでみましょう。
連立方程式の1つ目の式は【x+y=1200】で割とすぐに出せますよね。道のりについての式です。
2つ目の式が少し厄介です。かかった時間を式にしてみましょう。ちょいと図にしてみました。
この際図のクオリティは置いといてくださいね。
ポイントは「???」としているところです。ここね、
こうやって間違えちゃう人が多かったんだと思うんです!Bさんの家からC商店まで戻るところね。来た時がy/60だから、そのままy/60で計算しがち。
でも、Bさんの家からC商店までは坂を登りますから、
これが正しい式になるわけですね。
というわけで、解答がこちら。
いかがでしたでしょうか。
知ってしまえばそんなに難しくはないんですが、引っかかってしまう人も少なくない、僕の大好きな問題のご紹介でした。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
ちなみに、このC商店、9時29分に二人の入店を許すきっと9時からオープンの良店です。
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